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母を見ていて学ぶこと
私が今座っているベッドの横には、唯一私が自由にモノの出し入れができる無印良品の小さなキャビネットが置いてある。
そこしか手が届かないものだから、日用品はもとより、本だの薬だのアクセサリーや香水や仕事で使うものなども置いてある。時計もそこにありスマホを近づけないようにとか、磁気製品は少し遠ざけるとか、多少のルールはあるものの、結局はモノが多いんだよねというくらいに片付いていない。今日はこの記事を書き終わったら、少し整理しようと思っている。
以前の母ならば、モノが多いだの汚いだのいろいろと文句を言ってきたが、最近は諦めたのか何も言ってこない。それよりも、どうやら母自身が片づけ下手で、直しても直してもごちゃごちゃになるというのだ。なんでもかんでもポイポイと捨てられる彼女でも片づけができないなら、私のそれはもう遺伝だ。そうに違いない。
そういえば母、この数年で、あれがない・これがないと言っているシーンをよく見かけるようになった。しまったところを忘れたり、普段入れないようなところに収納していたりと、身ぎれいにしていた母にもだんだんと老化の波が押し寄せている。
そんな母が、実は納豆嫌いだと知ったのはこの10年以内だ。昔売られていた納豆は手作りで今よりは美味しかったというが、子供の頃からあまり好きではなかったらしい。母は、納豆は3つパックのうち1パックを嫌々ながら食べている。食べながらずっと美味しくない、ご飯が進まないとブツブツ呟いているので、無理に食べなくても良いのにと母に言い続けて数年、とうとう昨日は「人生で最後の納豆にする」と言って、大根おろしを混ぜ、最後の納豆を食べる儀式を済ませた。最後までずっと美味しくないと言っていた。
片づけにしても、納豆にしても、料理や外出しても、若い頃から苦手だったことは、歳をとってからますます苦痛になるようだ。
ということは、私の片づけ下手はもっと酷くなり、グリーンピースは更に嫌いになるということか…
母を見ていて学ぶことは多い。
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