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かいわれ大根に半日ノックアウトされた話

一人飯は、とても雑だ。
映えない。気にもしない。
健康で文化的な最低限度の生活が営めれば良い。

健康で、ということがポイントで、栄養の充足を気にして、緑を足す。
買ってから1週間くらい経った、かいわれ大根である。

賞味期限が怪しいだろう。そのため、2パック同時に食べることとした。根を切り、ざっくり洗い、火を止めた鍋に投入。
洗い物を減らすため、鍋をお椀の代わりにして、そのままかっ食らう。

一口食べて、薬味として正解だったように感じた。
二口食べて、まるでわさびだ、辛味が鼻を抜ける。
三口目で、引いていかない辛さを段々と認識し始める。
放物線を描き、正解だった印象は失敗に降下していく。
食道や胃にまで、辛みを伴う。
後で考えると、ここで、火にでもかければ違ったかもしれない。
しかし、食べないのは勿体無いと、微動だにしない精神で、そのまま食べ進めてしまった。

食中より感じていた胃の「辛み」は、正確には胃痛だったのだろう。
食べ終わってから、なんとも言えないヒリヒリが襲い続ける。
そこでやっと、痛みとして知覚した。
0-10段階で表すと8くらいの痛みだと感じていた。かなり痛い。
過去に患った、虫垂炎の初期に匹敵するレベル。

立っているのが辛い。からいではなく、つらい。
救急車は呼ぶ要素がない。敵を知りたい。
かいわれ大根の成分について調べると、アリルイソチオシアネート(からしやわさびに含まれる)や、アリルプロピオン(ねぎ類に含まれる)が、悪さをしているらしい。本当かどうか知らんが、こやつらは刺激で炎症や胃酸増強を起こし、胃痛を引き起こす可能性があると。
そうなのであればと、手持ちで効きそうな薬、レバミピド(組織修復促進薬)とファモチジン(H2ブロッカー)を内服。
ひたすらベッドで悶えて、少しでも楽な体勢を探す。
体位としては、胃を真っ直ぐにするために立っているか座っているのがいいのだろうが、辛くてゴロゴロしかできなかった。
ただひたすらに、目を瞑り、時が経つのを願った。
3時間後、気がついたら寝ていて胃痛がだいぶマシになっていた。NRS2くらい。違和感があるなという具合。
5時間後、NRS0。夕方、やっと復活。半日が潰れてしまった。
恐ろしき、かいわれ大根。
無理に食べなければ良かった。

トラウマを負った私は、当分、かいわれ大根を食べたくない。


(この記事に書かれた薬が内服可能かは人によります。薬の内服に対する責任は持てません。あくまでも私の体験談です。必要であれば、医療機関の受診をしてください。)

P.S.書いていて気になったが、「かいわれ大根」は「貝割れ大根」と推測変換される。なぜ貝割れなのか調べると、双葉があたかも開いた二枚貝のようだから。言われると納得する。
また、種から10日程度で収穫できるらしい。
早い。


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