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Ashiri というお酒。

Ashiriにおける白麹の目的は単に白麹由来の酸を寄付することではなく「自然の力を利用した酒造り」にあります。速醸酛の考えを用いながら白麹の酸のみで酵母による発酵をサポートするハイブリットな酛造りにより、日本酒離れした爽やかな酸味が特徴です。

北海道のチーズやそれを使用した料理とのペアリングを意識し、いつもの日本酒とは別のアプローチでお楽しみいただけます。穏やかに感じる果実香が心地よく、口につくむと柑橘系を思わせる爽やかな酸が駆け抜けます。余韻に残るほのかな渋みがポイント。甘さを抑え、飲み飽きしない酒質に仕上げました。

商品紹介

白麹酛純米
Ashiri(アシリ)


内容量 720㎖
原料米 北海道酒造好適米 吟風(ぎんぷう)
精米歩合 60%
アルコール濃度 15%


Why:

新たなことへの挑戦

近年の技術進歩により、多種多様な商品が発売されるようになりました。クラフトサケという新たなジャンルや、日本酒の定義がない海外でもSAKE醸造所が生まれています。受け継がれてきた伝統的な技術だけでなく、未来を切り開く新たな技術の研鑽は、今後の酒造りにおいて重要な役割を果たします。
ワインにとってのボルドーのように、日本は日本酒の原点であり、高い技術を磨いてきた本物でなければなりません。既成概念を超えた“新たな米を原料としたアルコールのジャンル”に対して、私たちが高い位置で競い合うためには、これまでの歴史にはなかった新たな技術にも適応する必要があります。

How:

乳酸に頼らない製法

日本酒を世界基準で見たとき、自然の力を利用した酛仕込みの習得が必要だと感じました。その一つが、クエン酸を利用した新たな酛の技術です。酛の段階からクエン酸を使用することで従来の日本酒とは異なる酸味が楽しめる酒質となり、キレのある爽快な酒質に仕上がります。

What:

新たな世界

通常、日本酒は乳酸菌や乳酸によって発酵環境をコントロールし、安全にアルコール発酵を行います。しかし、Ashiriはこれを白麹由来のクエン酸のコントロールで行います。単に白麹を使用するだけではなく、発酵のバランスやタイミング、酸や糖の濃度など、様々な環境要因を調整し、目的に合った酒質を生み出す必要があります。
第一段階として、安全性の確保を重視した造りを行ってきましたが、2022年より新たな技法に変更し、より淡麗で綺麗な酒質を実現することが可能となりました。

蔵での出麹後の風景

Naming:

由来

Ashiriはアイヌ語の【アシリ asir 新しい】を語源としています。(正式にはアシㇼの「リ」がアイヌ語小書。)読みやすいようにローマ字表記にしています。
白麹が清酒製造に使われ始めたのは近年であり、新たな技術であることから、この名前を付けました。

ゴールデンカムイのアシㇼパ
ゴールデンカムイの中に登場するヒロイン的存在でアイヌの少女の「アシㇼパ」。自身を「新しい時代のアイヌの女」と語るが、アシㇼ(新しい)パ(年)が名前の由来。

Color:

黄色(若苗色)

五色の要素から黄色の役割を持たせ、生命力や新緑の色として若苗色を使用。若苗は「初夏の」色とされている。また白麹のもたらすクエン酸は、レモンと同じ酸であることもあり柑橘系をイメージしたカラーとなっている。

Story:

新しい挑戦に彩を

日本酒だけど日本酒らしくない。北海道のこれからの食文化の発展にはそういった奇抜な日本酒も必要ではないか。新しいチーズに挑戦する者、新しい農作物に挑戦する者、それらを使った新しい飲食店が街を彩る。そんな新しいこれからに寄り添うお酒としてAshiriを創りました。これから北海道を良くしたいと願う皆さんとそれを楽しむ皆さんに彩を。

image photo:Pexels(Vladimir Gladkov)

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