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読書感想文

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読書感想文をまとめました!もしこのなかで読んだ本があれば、ぜひ感想を聞かせてください。
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#思い出

9月の読書感想文:ぱりぱり/瀧羽麻子先生

9月の読書感想文:ぱりぱり/瀧羽麻子先生

この本の『ぱりぱり』というタイトルを見たとき、ぱりぱりって何?!と思って手にとった。

ぱりぱりって聞いたとき、
①チョコのぱりぱりアイス
②寒い冬の朝、水を張ったバケツの表面にできた薄い氷を触ったときの感覚
③何かが壊れていく音
私はこういう印象をもった。

①②はともかくとして、③のようなちょっとネガディブな印象があったが、この本の表紙は淡い黄色でやわらかい絵がのっている温かみのある本だったの

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10月の読書感想文:クレイジー・フォー・ラビット/奥田亜希子先生

10月の読書感想文:クレイジー・フォー・ラビット/奥田亜希子先生

この本は、秋の夜長に読む本としてはちょうどいい切なさを与えてくれるかもしれない。
窓から流れ込む金木犀の香りと、鈴虫の音色も相まってそんなふうに感じた。 

この本は、愛衣という少女の小中高大、そして30代を過ぎてからの日々を切り取った連作短編集だ。

奥田先生の書かれる文章は、あの頃の私達を思い出すぶんには充分なほど丁寧な描写で、友達と歩いた渡り廊下の埃臭さや、プールの塩素の臭いなどが鮮明に蘇っ

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うくうく

うくうく

うくうく。

私の姉が幼い頃、腕毛のことをこう呼んでいた。2歳差で私も小さかったのでちゃんと覚えていないけど、何か不安になったりさみしいときに、うくうくって言って腕をペロペロしてたように思う。(ペロペロというよりは、かぷって甘噛だったかも)
お姉ちゃんのことは何でもかっこよくみえて、全部真似したい妹。特別な儀式をしててかっこいい!と思った3歳も必死にうくうく。特別な何かが起こると思ってワクワクした

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