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地域の伝統的なお祭りに欠かせないものといえば…

      「ドン」「ドドン」
  鬱蒼とした森の中で太鼓の音が鳴り響く。


 日本の伝統的なお祭りには、太鼓や神輿は欠かせない。そしてそれらを作る職人がいる。
 地域のコミュニティを育むために昔からお祭りは継承されてきました。職人は、自然が与えてくれる恵みや今この瞬間を生きていることに感謝し続けてきた。感謝する相手はもちろん、昔から自然や山の中にいるとされてきた神様、そして自然そのものにだ。

 地方の人口は、昔と比較すると非常に少なくなっている。そのためか、伝統的なお祭りが継承されづらくなっており、中には何十年も前からお祭りがなくなってしまったという村や町も少なくない。どれだけデジタル化が進もうが、自然や森林が消えるわけではない。そこに存在するということは誰かがきちんと管理していく必要があり、そして木を利用できる時が来たら伐ってきちんと人の生活に取り入れることが森林を管理し続けていく上で大事なことではないだろうか。

 太鼓や神輿を作る職人は現在少なくなっている。職人の皆さんは貴重で巧みな技術を生かし、如何に自然や森に対して敬意をはらいながら様々な人に太鼓など使っていただけるか、伝統的なお祭りの良さを継承していけるかを日々考えているのだ。そして、太鼓として製品に出せないような廃材も、太鼓の美しい曲線美を生かした何ものかになれないかとパリのデザイナーであるピエール・シャリエさんとともにコラボレーション作品の第1弾として「椅子」を完成させた。非常に高級感があり、座り心地の良さそうな椅子だ。椅子のほかにもトロフィーの曲線美を生かした作品などがある。

 私たち人間は、自然の恵みである木の命を頂いて物などの形にして使い続けていくという責任があるのではないだろうか。

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