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【アラサー上京物語。#24】上京初日の夜。やりたいことをやる罪悪感。

入居日。

とはいえ荷物は明日届くので、それまでに掃除やら何やら済ませてしまおうと思って。

せっせと掃除して、クッションフロアを引いて、暗くなってきたのでゴロンと横になり、天井を見つめてふと一息

…心細いと思った。

どーなっちゃうんだろう。私。

仕事が始まったら、疲れ切って私が私じゃなくなっちゃったりするんだろうか。

何かを手に入れたような気がして、誰にも感謝できなくなっちゃったりするんだろうか。

ある意味、「上京する」というタスクはほぼ叶ってしまった。

次の目標をちゃんと立てないと、迷子になっちゃいそう。

なんだか、こうしてやりたいことをやってみることがとても贅沢なことで、罪悪感に思う。


実家にいて何不自由ない生活をさせてもらっていた、お仕事だって好きなことをやらせてもらっていた。

休日には好きな場所に出掛けて

何が不満だっていうんだ。

すごく沢山のものを持っているのに、わざわざこんなにお金を使って環境を変えようなんて。

そんな暖かい場所を逃げ出して、大変な思いする道を選ぶなんて。


ただ、実家に居続けたらどうだろう。


それはそれで罪悪感がすごい。

母親に申し訳ない。

先がどうなるか不安。



…だからやっぱりこうするしかなかった。


10年前の私が、今こうして一人でクッションフロアを敷いているなんて、想像しただろうか。


良くも悪くも、してなかったと思う。


誰かといると思ってただろうし、子供もいると思っていただろうし、もっといい暮らしをしていると思っただろう。

もしくはずっと実家に引きこもっていたか。

どちらにしても全く予想していなかった展開になった。

人生は想像と異なる進み方をすることばかり。


本格的な冬をひとりで過ごす。






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