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夜の船で帰ります。【春弦サビ小説】
この島から出て遊びに行くのを許してくれた旦那。
犬みたいな優しい旦那。
だけど……なんだかそれだけで。
あたしは外の世界に触れたかった。
ネット、SNS、etc……。
それだけでは満足いかなくて。
あたしを……好きだと言ってくれる人が居たりして。
会いたくて飛び出してみた。
旦那は呑気に『たまにはいいじゃない』と笑顔で送ってくれた。
優しい。でもそれだけ。
それだけなの。
船に揺られて本
GしてI'veして。
平和な世界を望みながら
刺激を求めて。
長生きを望みながら
身体に悪いものを好んで
摂取していく。
矛盾だらけの私達。
不安定に安定しながら
彷徨うフリ。
今日も何処かで禁断とか云う言葉に
燃えながら傷つけ合っていたり。
今日も何処かで禁忌とか云う言葉を
持ち出して思わせ振りな物言い。
明日もきっと何処かの誰かと比較して
上がったり下がったりの心電図。
明日もそっと何処かの暗い飲み屋で
monochrome深淵系。
血が滴る。
僕は病気だ。
血を……啜らなければ……生きていけないのか。
生きる為に……殺めなくてはイケナイのか。
嗚呼、今日もまた。
何故。どうして。
本を読んで生きていきたかった。
図書館は僕の聖域。
本のインクの匂いは、フレグランス。
たくさんの人達が綴った言葉から生まれた物語を頭の中で映像化して、浸るのが僕の生き甲斐だ。
受付の貴女は優しく、美しい。
いつもありがとう。
僕の
花を咲かそう。【豆島圭氏cover小説】
服の下は痣だらけ。
僕の身体に痛みがない日は無かった。
よくわからないが、顔に痣を作られた日は学校に行かせなかったな。
お腹も毎日空いていた。
夜に食べれるパンひとつがご馳走で。
クリームパンが好きだった。
お母さんは毎日車で出掛ける。
帰りには大量の買い物をする時と、何も持たないで帰ってくる日があって、
何も持たないで帰る日が多かった。
その日は僕に良く痣を与えた。
夜のパンが血の味がして
麻美の途方もない1日。♯4
警察の皆さんにやたらと褒められて揉みクシャの麻美。
時は13:35
「あ、あの。わたし、おデートがありまして……いろいろと……話せば長くなるんですが、携帯が充電切れで使えなくて彼に連絡できなくて困ってて、とにかく待ち合わせ場所の〇〇駅まで行きたいんですよぉぉ」
やっと自分の状況を周りに伝える事が出来た麻美。
「スマホはiPhone?」
「Androidです」
「充電器あるよ?使う?」
ーー神っ!!
麻美の途方もない1日。♯3
ーータクるか?いっその事!タクってやるか?まてまて、結構距離あるぞ?幾らかかるかわかりゃしない。乗って着いたとしても、おデート代が全て吹き飛んで無一文で遅刻してきた彼女なんてどうよ?足りなくて『お金貸して❤』なんてことになったら、あんた、そりゃ、一巻の終わりでしょうよ!
喧しく脳内で騒ぎ散らかす麻美を置いてバスが出る。
11:00
次のバスは11:15
その間にスマートフォンを充電したいとコ