PTSD?の発症と、決意表明⑥
事件後、数日は出勤してきていた男の子でしたが、程なくしてお店を去りました。
そして私は、その日のトラウマに悩まされていました。当時は自分のその症状が何だったのか調べることはしませんでしたが、あれはPTSDだったんだと思います。医師に診断されたわけでもないので明確なことは言えませんが。
出勤するときの暗闇の道も、自分以外誰もいない店内も、急に押される業者からのインターホンにも、いつ変な人が出てくるんじゃないか、店内に入ってくるんじゃないかという考えに支配されて、怯えながら働きました。
日本の音楽をなるべく大きくかけて、口ずさみながら気を紛らわせて、朝日が昇るのを、暗闇がいなくなるのを心待ちにしながら働いていました。今考えると普通の精神状態じゃありませんでしたね。
その時点であと1ヶ月先まで働く予定でしたが、もう精神がボロボロだったので、オーナーに理由を話して退職時期を早めてもらいました。
オーナーは、事件のあった日から防犯ブザーを持たせてくれたり、週末は私の家まで迎えにきて一緒に出勤したりしてくれて、本当に良くしてくれていたので申し訳なかったです。
でもその後も追い討ちをかけるようなことがありました。
その日は風がとても強く、唸っているようでした。足早に出勤路を歩いていると、明らかに警報音であるような音が聞こえました。
その方向を見てみると、通り沿いのひとつのお店のドアのガラスが割れていて、ああ、この風で何かが当たって割れちゃったのかな、と思いましたが、その後すぐにそうではないことに気がつきました。
2人組の男が何かを持ちながら店から出てきました。道路には車が横付けされていて、慌てて乗り込もうとしているところでした。そして男の1人と目が合いました。道路を挟んで向かい側だったので距離はありましたが、怖くなって走って職場である店に駆け込みました。
向こうも逃げるのに必死だったようで、その後何もありませんでしたが、あれは、明らかに強盗でした。強い風の音に紛れてガラスを割って入ったんだと思います。帰り際ににそのお店を見てみると、入り口にはキープアウトのテープが貼られていました。
もう本当に精神的に限界でした。毎日自分を励ましながら残りの仕事の日々をこなしました。
そして退職。
退職した後は、暗い時間に1人で外に出る必要はないので、打って変わって平穏な日常でした。
残りの日々はお土産を買い漁ったり友人達と過ごしたりして帰国しました。
つづく。
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