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【ゴルフ】ショット、アプローチとパッティングの幸せな関係~いつでもスコア80台への道#7~

橘です。80台でラウンドするためにアドバイスをお届けする本コラム。今日はラウンド中に意識してほしいショット、アプローチとパッティングの関係を考察します。ショット=上司、アプローチ=アナタ、パッティング=新入社員と仮定。ゴールは1パットのパーです。

上司のムチャぶり「パーを獲れ」

グリーン狙いepsのコピー

アナタは上司から新しい仕事を任されました。この状況からパーを獲れ。ボールを見ます。グリーン上にはありません。花道にあります。ピン位置。手前でも奥でもなく、ほぼ中央。上司がグリーンに乗せてくれれば、アナタはパターでピンに寄せればOK。あとは部下である新入社員に任せればいい。楽に結果が出せる状態です。

しかし、そう簡単にはいきません。アナタの上司=ショットはパーオンさせるまでの仕事はできませんでした。アナタ=アプローチの出番です。このミッションの可否はアナタの働きにかかっています。なぜなら、アナタの部下=パッティングは将来性ありまくりの有望株ではありますが、いかんせんまだ経験不足。新入社員でも結果がだせる状況をつくってあげるべきですよね。なにせアナタは悲しい中間管理職なんですから。

新入社員が結果を出せる環境を整える

パット

パーという結果にコミットするには、新入社員でも楽に1パットでカップインさせる状態を準備してあげなければなりません。まずは「楽に1パットが可能な状態」がどんな状況なのか分析します。

①グリーン奥から下り

グリーン奥からの下りeps

これは最悪です。奥から手前に下っているため転がれは加速。距離感が出しづらい。ちょっと強く打つとグリーンオーバーします。かといって弱いとカップまで届かない。永遠に入りません。なんなら返しのパットも難しく3パットの危機が訪れる。グリーン奥は絶対に避けるべき状態です。

②ピンの横位置から

グリーン横からepsのコピー

一見、それほど悪い状態には見えません。しかし横位置となると必ず傾斜の影響を受けてスライスしたりフックしたりします。新入社員はカップの外を狙います。しかしタッチ(強弱)が強いと切れずに左を通過。弱すぎるとカップ手前で切れて入りません。ならばカップの内側にライン(方向性)を定めて強めにと思います。しかしカップの縁に弾かれるリスクもあります。新入社員はラインとタッチ両方を同時にコントロールするスキルはないのです。

③ピンの手前、上りのストレートライン

グリーン下からepsのコピー

多少距離が残ったとしてもストレートラインならOKです。カップの手前できれることもないから、微妙なタッチ(強弱)のコントロールが必要ない。ライン(方向性)さえ合えば十分にカップインする可能性がありますから。

ここからがアナタの見せ場

アプローチの目標が定まりました。新入社員でも入れられる可能性が高くなる上りのストレートラインにつける。アナタはまずグリーン手前からの傾斜を確認します。全体的に緩やかに右に傾斜しているみたい。それほどキツい傾斜ではありません。次にグリーンエッジまでの距離を歩測します。5歩。エッジからピンまでは10歩。トータルで15歩です。最悪避けるのはエッジ手前にキャリーして芝に食われること。手前にキャリーすると勢いがなくなってグリーンに乗るだけの結果になるかもしれません。

目安キャリー7.5歩。転がって7.5歩。半分キャリーして半分ランするイメージ。いわゆるピッチエンドラン。使用するクラブは高くあがると同時にスピンが入りすぎて転がらないSWではなく、適度にロフトがあるAW。ボール位置がピンに近い位置ならゴロゴロと転がすPWも選択にはいるところですが、最低5歩のキャリーが必要だからAWで決まりですね。

アプローチショット

右への傾斜を考慮して半歩程度ピンの左に狙いを定めます。曲がり幅が少なくてもピンの左にはボールが残ったりしない。アナタはイメージした通りのボールが打てるように、本番と同じように3回だけ素振りします。アプローチの素振りは3回まで。あまりしつこくやるとイメージがブレてしまい迷いが生じるためです。

カツッ!

乾いた、いい音がしました。

トン、トン、ツー。

カップまで1ピン。少し距離が残りましたが、ストレートに打っていけるラインを残すことができました。よしよし。

ショートパット

新入社員のストロークには不安があるものの、なんとか1パットでカップイン。アナタは普段から新入社員に「ショートパットは壁ドンで」と指導しています。そのコーチングが役に立ちましたね。

グリーン狙い結果epsのコピー

歩測時と同時にグリーンの傾斜を確認し、ピンまでのストレートラインになりそうなエリアを確認することが大事。そしてそれはピンに近ければ近いほど狭いスペースとなっていきます。だから多少距離を残したとしても、横位置にはならないエリアに狙いを定めてアプローチすることが大切。それこそが、アプローチであるアナタが新入社員にすべき配慮といえますね。

上司はアナタ、新入社員はアナタ

結果にコミットしたアナタは上司に報告します。報告・相談・連絡はアナタが新入社員のときから重要視していることだからです。

アナタ「なんとかパーであがりましたよ。パーオンしていただけていれば楽な仕事でしたけど。ただ、グリーンの手前花道だったのが幸いでした。バンカーや奥のラフだとこうはいきませんよ」
上司「・・・」

上司から回答はありません。なぜなら上司はアナタだからです。

新入社員も褒めてやらねばなりません。アナタも褒められて伸びてきた人。後輩も褒めて伸ばしてやりたいと考えていました。

アナタ「よくやったね。ストレートなら多少距離があってもラインさえ合えば入ること、分かった? ただね、タッチを合わす練習もしておいたほうがいいよ。いつもこんな上手くいくとは限らないしね。そう思わない?」
新入社員「・・・」

新入社員から回答はありません。なぜなら新入社員はアナタだからです。

3つのレイヤーか噛み合うのがパー

80台でラウンドするために必要なこと。それは以前にも指摘させていただいた通り、大叩きを抑えてパーを1日に6ホール。つまり3分の1はパーでホールアウトすることです。

そしてそのために必要なのはパーオンするショット力ではありません。最も大事なのは1パットでカップインできる状況をつくるアプローチ。だからショットでOBが連発したり50cmのパットを外していたら、なかなかパーはとれません。パーを取るにはショット、アプローチ、パットそれぞれが役割を果たす必要があるのです。

考えてみてください。アナタの上司。そこそこ年齢と経験を重ねてある程度完成された人物でしょう。その先輩をこれから変えていくのは不可能ではないが極めて難しい。ショットも同じです。むやみに改造なんてできないしする必要はない。ある程度の完成度で「よし」としましょう。

考えてみてください。アナタの部下。若く経験は不足していますが伸びしろはある。ただ、成長させるのは天然芝のパッティンググリーンだったりラウンド回数だったり、環境が必要。なにより時間がかかります。

アナタはもはや100叩きの初心者ではありません。普通に90台でラウンドできます。そんなアナタが80台でラウンドするために必要かつ可能なこと。それがアプローチの技術向上なのです。

各レイヤーのあるべき姿とは?

まとめです。ここで各レイヤーごとにあるべき姿を確認しましょう。

上司(ショット)としてのアナタ
ティーショットで安定して200Wぐらいは飛ぶ。もちろんラフに行くことははあるけど、OBは「0」。セカンドショットが普通に打てる場所に置ける。セカンドショットもそこそこ。長い距離ならグリーンには届かないけど、逆に奥に行くことはない。ガードバンカーに届きそうなときは、手前の花道狙い。常に「次のアプローチが打ちやすいところに置く」ことを心がけている。

中間管理職(アプローチ)としてのアナタ
グリーン手前50Yあたりからが出番。30~50Yぐらいでは、いつもピンにベタベタ寄るわけではないけど、最低限グリーンにのせることはできる。花道からならベタピンチャンス。AWの転がるアプローチでセーフティーに上りストレートラインのパットを残すように打つことを意識している。ときにはラフだったり、バンカー越しで打たされることもあるけど、ここではふわりと上げるアプローチを駆使して大きなミス・事故は起こさない。

新入社員(パッティング)としてのアナタ
スライスラインもフックラインもぜんぜん苦手。下りだとピンをオーバーしてしまう。それでもひとつだけ得意なことがある。それはピンに向かって真っすぐ強めに打つことができること。ときにはピンに弾かれてカップインしないこともあるけど、そんなことぜんぜん気にせず猪突猛進。のぼりのストレートラインなら、3mぐらいでもぜんぜんチャンスがあると考えている。

いかがですか? ショット・アプローチ・パットはまるで職場の人間関係のように、お互いを思いやり尊重し合うことで、パーという結果にコミットすることができるのです。80台を目指すゴルフという仕事では、スーパーショットは必要なく、それぞれの役割を全うすることが大切。ぜひ次回以降のラウンドの参考としてください。

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一度100切りを達成しても、毎回100切りとはいなかいアナタのために、クラブセッティングや練習方法、マナー的なことからコース・マネジメントまで、さまざまな角度からご紹介している橘のメイン・マガジンです。

スコア80台達成となるとちょっとした工夫が必要になってきます。ただし技術的に90台で回れているのであれば、ほぼコース・マネジメントで80台は可能と思っています。上記マガジンを卒業された方はこちらをご覧ください。

橘が愛してやまないコースと練習場をご紹介するマガジン。対象エリアは埼玉がほとんどですが、ときどき地元・京都や滋賀からもピックアップしています。

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最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。私自身は別にレッスンプロとかではない、普通のサラリーマン。しかも出世とは無縁の窓際族です。だから上司は年下で、部下はいません。でも別にそんなことはどうでもいいことです。自分の中の上司と部下とで、楽しくラウンドしています。これもまた人生のひとつです。

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