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著者インタビュー #14【深堀一雄さん】

今回は2020年12月23日に発売し、好評発売中の『世界最高水準の採用セオリー 採用基準・面接質問・評価の仕方が格段に上がる』。その書籍の著者である 深堀一雄さんに、執筆時のエピソードや内容のポイントなどについて伺いました。

著者プロフィール

深堀 一雄(ふかぼり かずお)

深掘さん_顔

1962年 札幌市出身、メットライフ生命保険会社に30年間勤務
全国で支社長を歴任後、人材開発・教育部門にてマネジメント・営業研修全般を主管。シニアマネージャーとしてラーニングセンター長、プログラム開発、インストラクター養成、ラーニングツール制作も主管する。他、チェンジマネジメント、人材採用、人材アセスメントなど、人材開発に関わる多くのプロジェクトマネジメントを担う。2017年に退社し独立。「ひと」の潜在能力開発と、パフォーマンス発揮に関するコンサルティングを専門領域とする。育成の出発点でもある採用にもフォーカス、採用前の人材についても能力開発の重要性を痛感し、採用課題解決のためのプログラム「SDISⓇ」を開発、企業向け研修を展開中。

著者インタビュー

――まず、出版してみて周りの反響はどうでしたか。

深堀一雄(以下深掘):採用に関する書籍は、これまでにもたくさん出ておりますので、正直どのくらい反響があるのかが分かりませんでした。その中でも、この書籍は面接の方法や評価の仕方にフォーカスしたことで、本当に読んでほしい人のニーズに十分お応えできたと考えています。読者によっては、「面接の方法が具体的に書かれており、繰り返し読んでマスターしたいのでペーパーバック版も購入しました」という人も多くいらっしゃいました。

――Amazonランキングでも上位にのぼり、多くの反響をいただいておりますね! では、本題に。なぜ本作を書きたいと思ったのかを教えてください。

深掘:私は、企業向けに人材育成の研修や人材アセスメント(能力評価)を行なっていまして、育成や能力開発について、それはそれで必要なのですが、すべての原点にあるのは採用だと思っています。
すべての人が適材適所で強みを発揮してパフォーマンスにつなげるためには、採用前の段階からその人の能力や意欲の持ち方を見極めることが必要ですし、その上での人材育成や能力開発なんだと思っています。同じ採用するにしても、本人を深く理解して採用することで、入社後のモチベーションも変わってくるかと思います。
世界的にも採用で成功している企業が古くから行なっていて確立されているセオリーを、日本のすべての企業にもお伝えしたい、今よりもっといい採用をするきっかけにしてほしい、そういう思いで執筆しました。

――採用前から深く理解してもらう、そこで働く人にとっても、ちゃんと見てくれていると感じ取れたら、向き合い方も変わりそうですね。それでは、執筆時に大変だったことや苦労したところは何でしたか。


深掘:思いを活字にするということです。(笑)
採用に関する研修では、いつも普段着の言葉遣いであったり、ナマの事例をそのままお伝えしたり、演習ではストレートにフィードバックをしたりと、あまり気にしなくできることであっても、執筆では苦労しました。本書で言うところの「表現力」はうまくできても、「説得力」が不十分になってしまう点です。

――文章に思いを乗せることは難しいですよね。反響の多さから、うまく伝わっていると思います! この本は、どんな人へ特におすすめしたいですか。

深掘:本書では、面接や評価の仕方について多く触れていますので、当たり前なのですが、まずは面接をする立場にある方におすすめします。ですが、そもそもどんな人材を採用したいのか、採用基準を決める立場にある方にも読んでほしいと思います。会社によっても違いますが、人事部門の責任者であったり経営層の方です。そして、採用した後で人材育成に携わる管理職の方にもおすすめします。本書を参考にして、部下の能力や意欲を引き出す際にも活用してほしいと思います。
採用というのは会社全体にとっての大きなイベント事ですので、本書1冊を社内回覧してでもいいので、すべての人に読んでいただければと思っています!

――これからチームとして一緒に働く仲間探しのためにも、社内で共有してほしいですね! 本作の教えを読者が最大限に活かせるように、有効な読み方を教えてください。

深掘:最初から読んでいただいてもいいのですが、会社や人によって抱えている採用課題は違うと思いますので、章単位で部分的に読んでもいいと思います。
採用課題は大きくは3つに分けられます。母集団形成といって応募者がなかなか集まらない課題、面接や選考方法の課題、選考して内定を出したとしても辞退されてしまうという動機づけの課題のどれかといったところでしょうか。本書の中には、このような課題の解決策のヒントがすべて盛り込まれていますので、ぜひ参考にしてほしいと思います。

――1冊であらゆる課題解決に対応できるのがいいですね。本作で一番気に入っている推しのポイントはどこでしょうか。

深掘:前の質問の答え通りかもしれませんが、「全部」です!
なぜかと言うと、採用基準の明確化、面接の手順、質問の仕方、評価選考の方法、惹きつけ方など、いい採用をするために必要なことのすべてを本書でお伝えしています。
読者の皆さまにとって関心のあるポイントに十分お応えできるのではないかと思ってます。

――深掘さんは人を見る解像度がすごく高いものだと思いますが、面接のとき、応募者のどんなところを特に注力して見ていますか。また、応募者が「これはやってはいけない」というポイントもあれば教えてください。

深掘:ひとことで言うと、その人は「どんな仕事ぶりをする人なんだろうか」という見方です。どんな人でも強みもあれば弱みも持っています。質問することによって、その人の潜在的な持ち味、特に強みを引き出していきます。面接中はいっさい評価はしません。持ち味の違いをどう評価するかは、面接が終わった後で会社の採用基準に照らし合せてじっくりと判断しています。
私は、「面接というのはお見合いの場と同じです」という話をよくします。お互いを「選び」、お互いが「選ばれる」努力をする場です。ですが、時には応募者の心理としてあまりにも「選ばれたい」がために、自分をよく見せようとして、事実ではないことを話したり、模範解答的な発言に終始してしまうことがあります。「このような発言をしてはいけない」というよりは、このような発言をさせない場づくりについても、面接をする側の努力が必要ということです。

――面接を受ける側もすごくやりやすそうな場ですね! では採用した人がこれから新しい環境で活躍していくためにも、組織としてはまずどのようなことを意識して、その人を迎え入れるとよいのでしょうか。

深掘:新入社員は、やる気100%で入社しますが、同時に不安も多く持っています。新卒の場合は研修やメンター制度などいろいろ考えている会社も多いのですが、中途社員も同じだと思います。特に中途社員は、ある程度の社会経験やスキルを持って入社しますので、会社の風土とは違う「よそ者」という目で見てしまいがちです。相互理解を通して信頼関係を築く取り組みを組織全体として行なうことが大事かと思います。たとえば、経営層とのセッションや部署全員での自己紹介の会をしている会社もあります。対話を通して、本人が考える価値観と会社の経営理念や価値観について共有し、本人に期待する役割と責任について、十分擦り合わせる時間を持つことが大事だと思います。

――セッションを設けることで、モチベーションも上がりそうですね。深掘さんが考える理想の組織とは、どんな人や環境でしょうか。

深掘:組織を成長させる源になるのはすべて人です。ということは、個人の成長が組織の成長を加速させるとも言えます。
「経験学習」という言葉がありまして、「社会人の成長は、その70%を仕事での具体的な経験を通して成し得る」という考え方なんです。ただ、闇雲に経験を重ねればいいのではなくて、経験してうまくいったことや、うまくいかなかったことを振り返り、それを教訓に学習して次なる経験に活かしていくことで成長するんです。
これは、皆さん頭では分かっていることなんですが、実際に多くの組織では、個人の成長よりも成果や結果を重んじる傾向が強いと感じてます。今は結果が良かったとしても、そういう組織はいずれ疲弊してあらゆる問題が出てくると思っています。
いい組織は、個人の経験学習による成長を支援するような環境、たとえば対話などを通して個人の能力や意欲を引き出したり、強みとなる行動を思う存分に発揮させる仕事やポジション、社員自らが成長を実感できるような環境づくりを行なっています。

――なるほど、自分の成長を実感できる環境はやりがいを感じられますね! 最後に、今回のnoteを読んでいただいた読者へメッセージをお願いします!

深掘:本に限らず、研修やセミナーでも同じことが言えるのですが、気づいたことや取り組んでみようと思うことがありましたら、一つでも二つでもいいので、まずは実践してほしいと思います。
採用を変えることで組織は大きく変わります。いい採用をすることは、働く人だけではなく組織全体も元気にします。すべての働く人と組織を「ごきげん」にしたい! 本書がそのきっかけになればと願っています。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
また、インタビューいただきました、ごきげんビジネス出版さま、ありがとうございました。

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書籍紹介

「いい人がなかなか来ない」「面接ではみんな優秀に見える」「選考途中で応募者に逃げられてしまう」「面接官の主観に左右される」「人員確保したいため、基準のハードルを下げて採用することがある」……。挙げるとキリがありませんが、これらは採用担当者からよく聞く声です。

どんな課題であっても、実は3つの方法を見直すことで、ほとんどは解決します。それは、採用基準の明確化、面接と面接質問の仕方、評価の方法です。

本書では、この3つの方法を多くの企業でその効果が実証されている世界的にも信頼性が高い行動面接という手法をベースに体系化して解説しています。
業種や職種に関係なく、新卒でも中途採用でも、「会社にとってのいい人材」を採用するためのヒントとして活用できる1冊です。

さらに、仕事に必要なさまざまな能力要件と、それぞれの行動特性についても掲載していますので、採用基準を見直すときの参考にすることができます。

人事部門などで採用を担当していて今後の改善点の発見に役立てたい方、人事ではないけれど採用面接をする機会がある方、管理職や経営者の方など、採用に少しでも携わるすべての方にお勧めします。


【目次】
序章 人材採用の背景
第一章 採用基準を明確にしよう
第二章 「STAR」で見抜ける潜在能力
第三章 こうすればうまくいく! 面接質問のテクニック
第四章 より良い選考に向けて評価方法を見直す

【購入者特典】
行動面接のときに使える「SDIS Sheet」

第一章までの無料全文公開も合わせてお楽しみください!

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