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「最高の計画があれば勝てる」はうそ。「最高の〇〇があれば勝てる」がほんと。

しゅんしゅしゅんです。

9月に立てた計画は、11月には陳腐化している。1月に見直そうとする頃には、9月に書きだした実施内容を覚えてもいない。

あるある、ですよねー。

現実は計画通りに進まない。なぜなら現実は移ろいやすいから。

紙の上では魅力的で、秩序正しく完璧に見える計画だが、移ろいゆく現実に対して、すぐにまた別の計画会議が開かれる。

現実が移ろうスピードに組織の計画立案のスピードが追いつかないということだろう。

では、どうするか。

情報を組織全体にできるだけ速く行き渡らせることにより、迅速できめ細かな現場個々人の「自発的対応」を促すことだ。そのためには情報を開示するリーダーを育て、情報を開示する組織体制をとるしかない。

なんてことがこの本に書かれています。

仕事に関して盲目的に信じられている9つの嘘について書かれている本なのですが、2つ目の嘘として、「最高の計画があれば勝てる」はうそで、「最高の情報があれば勝てる」がほんとだといってます。

まあ、組織内の「情報流通」と「現場主体性」はよく見聞きすることではある。(それでも組織における各階層での説明責任のために、計画立案に多くの時間が割かれ、その計画に縛られる事態はなくならないけど…)

この本の2つ目の嘘が面白かったのはここから。

上司と部下の間で、相互かつ密に情報を連携し、部下が自発的な判断でスピーディーに動いていくための施策に話が展開されていく。

最高のチームリーダーを調査すると、「チェックイン(現状確認)」と呼ばれるもので1対1の対話の時間を毎週とっているとのこと。

最高のリーダーは毎週欠かさず、チェックインで2つの問いかけをする。

「あなたの今週の優先業務は何か?」
「私に手助けできることはあるか?」

チームメンバーをマイクロマネジメントすること、やることリストを提出させてガチガチに管理することが目的ではない。チームメンバーの優先業務と乗り越えるべき障害や解決策を、その仕事が行われている最中に、リアルタイムで話し合うのだ。

年初に設定された目標が3週間も経てば無意味になることを、最高のリーダーは知っている。また1年とは、ずっと前から綿密に計画されたマラソンではなく、刻々と変化する世界の情報を取り入れながら行う52回の短距離走だということを、最高のリーダーは知っている。そしてどの回の短距離走も1回目の短距離走と同じくらい真剣で力のこもったものにすることが、自分の主な仕事だということを理解している。

(このくだり、めっちゃかっこよくないすか?)

で、あるデータによると、週に一度チェックインを行うリーダーのチームは、エンゲージメントレベルが13%高まるのに対して、逆に月に一度だったら5%低下するとのこと。

月に1回で、リアルタイムな具体論ではなく一般論しか話さないのなら、「わたしの時間を無駄にしないでください」というチームメンバーの心の声を聞こえてくるってことなんですね。

これ怖いですね。月1回の面談って結構ありそうですよね。月1回、3か月に1回、半年に1回。思い出したように申しわけ程度に話し合いをしたとて、むしろ不満につながるってこと。

そしてチェックインの質に関しては、データは何も示さなかったと。つまり質より量なのですね。

コーチングのスキルや情報ヒアリングのスキルを身に付けてないからとかって二の足を踏んでる暇はない。もしも初回のチェックインがうまくいかなくても大丈夫。あと51回短距離走が残っているんだから。少しずつうまくなっていくし。

昔から、人材論や組織論では、最適なチーム人数は何人か問題がある。本書はこの問いにも明快な答えを示している。

それは、各チームリーダーが年間を通して毎週1対1で対話できる人数である。8人はスケジュール的にいけるが、9人は無理なら、その人の最適なチーム人数は8人なのだ。

各チームメンバーと1対1の対話(耳を傾け、軌道を修正・調整し、コーチングを行い、問題を指摘し、助言を与え、メンバーの現実の仕事に目配りすること)は、リーダーの任務に加えてやることではない。これこそがリーダーの仕事の一丁目一番地なのだ。

そして、この対話はチームメンバーのエンゲージメントにつながっていく。信頼関係構築のためには、「価値観が同じ人に囲まれている」と「「私にはチームメイトがついている」の感覚が大切だが、これも心掛けの問題ではない。思いやりとか助け合いの精神をもちましょうって話しではなく情報不足が問題であることが多い。

助けを差し伸べられるほどお互いの状況を詳しく知らないから、どうやって助け合えばよいかがわからない。チームメンバーがやっていることを知らなければ、真の価値観を知ることなどできようか。お互いがどんな仕事に打ち込んでいるかを知らないなら、どうして安心感を得られるだろうか。

信頼は秘密からはけっしてうまれない。

そらそうだ。ぐうの音もでない。おっしゃるとおりです。


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