幸福の期限

まぁ、とりあえず
「幸せだなぁ」と口に出して欲しい

そう思えなくても

思えるなら、そのまま
はぁ、幸せだなぁと感じて欲しい

それは、とてつもなく大きいものでないと
言えない、とかじゃなくて

爪を切ったらスッキリした…ふぅ、しあわせだなぁ
コンビニのコーヒーをひとくち…あちっ、しあわせだなぁ
5分時間ができたなぁ…ボーっ、しあわせだなぁ

それくらいでいいから

たとえば、
欲しかったものが並ばずに今手に入った、とか
ジャストタイムで電車に乗れた、とか
友人から食べたかったケーキをもらった、とか
臨時収入が入った、とか
そんなんじゃなくて

いいも、わるいも
付けられないくらいの小さなことで
前後関係なく

前後関係なくっていうのは
たとえば、数秒後には上司の前に立たないといけない、とか
明日には地獄の休日出勤があるけど、とか
昨日フラれた、とか
将来の不安、とか
不安定なこれからの日々、とか
そういうの要らないんで
一旦、そこはおいといて

承認も、比較もいらないから

で、どうだろう…

幸せになるのに
時間は関係あっただろうか
因果関係はあっただろうか

昨日と明日のないところに
それは存在するのじゃないか

ずっと存在していたのじゃないか

人によっては、これを幸せと言ってはいけない！と
言い張る何者かに気づくかもしれない

喧騒に隠れた静寂の幸福は
無期限なのではないだろうか