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「発酵」は、神様の仕業なんだって


子どもたちと味噌作りをしました。

毎月30日は「世界同時多発味噌せかいどうじたはつみそ」と題しまして、味噌をはじめとする発酵食品を作ったり食べたりすることで、微生物たちとの共生する世界を創っていこうという企画です。

エストニア在住ですが、今回は帰国中の日本から、子どもたちと一緒に醸しました。


味噌作りワークショップの流れ

「発酵」って何だろう。

「発酵食品」と食生活

微生物の働き

糀は日本の国菌

味噌の作り方

味噌作り

味噌の作り方はもちろん、「発酵」や微生物についても学べる内容のワークショップです。

小学校3年生の国語の教材で、「すがたをかえる大豆」というのがあるそうで、味噌作りにとても興味を持ってくれていました。

義務教育の中で、発酵や微生物のことが教材として扱われていることがとても嬉しく感じています。


発酵って何だろう?

食物が時間の経過とともに美味しくなったり、栄養価や保存性が高まったり、人間にとって有益なものになることを「発酵」と呼びます。

食物が時間の経過とともに、食べられなくなったり、人間にとって有害なものになることを「腐敗」と言います。

「発酵」と「腐敗」

「食べ物にカビが生えているの見たことある?」

と聞いてみると、
「ない!!」と言われました。

食べ物を腐らせることをしていない、子どもたちの親が素晴らしいなと思いました。

「発酵」について知る。


「発酵」は誰の仕業?

「じゃあ、誰が発酵させてるんだろう?」


「神様!!」


「!?」



おお、なんてステキな発想なんでしょう。
そんなことを答えてくれる子がいました。

「発酵」とは、子どもたちが神様の仕業と捉えてしまうように、本当に神秘的なものなんです。

納豆や味噌汁、ヨーグルトなどの発酵食品を毎日いただき、その美味しさに自然と感謝をしているからこその発想だと感じました。

微生物の働き

「発酵」とは、微生物の働きによって人間に有益なものに変わることを言い、発酵食品とは、微生物の「発酵」の働きによって、美味しく、栄養価と保存性が高められた食品のことを言います。

時間の経過とともに、食べ物にカビが生えて食べられなくなったり、人間に有害なものに変わることを「腐敗」と言いますが、それも微生物の働きに変わりはありません。



良い菌と悪い菌

発酵や微生物について少し知ったので、さて、味噌作りを始めようとしたときです。

「手をキレイに洗うぞ!!」

「!?」

「まずはバイ菌をなくさないと!!!」


よくよく理解してくれているみたいですね。

味噌を美味しくするのも、腐らせてしまうのも、微生物の働きによるものです。

そして、目には見えない小さな微生物は、身の回りにたくさん存在するということも知りました。

人間と共生する微生物

手洗いやうがい、マスクをつけることは、悪さをする微生物から身を守ることです。

食べ物に触れる手にも、目には見えないたくさんの微生物がいて、それが食べ物に影響を与えてしまうことも子どもたちはしっかりと理解したようです。

「発酵」させる良い菌

「腐敗」させる悪い菌

風邪をひいたり、病氣になってしまうのも、微生物が悪さをしているということに、説明できずとも頭では理解できているのだと思いました。


味噌作りを終えて

一緒に参加してくれた、お母さんたちとも話をしました。

今はマスクをずっとしてたり、除菌を徹底したりと、悪い菌を身体の中に入れないために、良い菌も殺していることになります。

謂わゆる「無菌」状態をつくり上げることで、病氣にかからない生活を続けようとしているのかもしれません。

しかし、ずっと「無菌」を続けることなんて不可能ですよね。微生物は目に見えないんだから、いちいち確認することも不可能です。

よく肥えた土の中には、たくさんの有益な微生物たちが存在すると言われています。

昔の日本の子どもたちは、泥だらけになって遊びまわり、その微生物たちと上手く関わっていたのだと感じます。

泥んこになって遊ぶのは、都会に住む子どもたちには難しい。

それも承知の上で、「泥んこになって遊べ!!」と言うつもりは全くありません。

移り行く時代の中で、私たちの生活スタイルもどんどん変わっていきます。

しかし、変わらないものもあるということ。

微生物たちは、今日もせっせと発酵活動を続け、地球環境の維持と地球に生きる命の循環を守り続けているのです。



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