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(連載120)デュシャンとクールベの「汚れの首輪」オンライン・ギャラリー:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2023年

さて、久しぶりで、回顧録の続きです。

40年もかけてやっとギャラリストがついて、生まれてはじめて、ニューヨークのトータ・ギャラリーというところで、展覧会をやる事になりました。

ギャラリーはローワー・イーストサイドというところにあり、
いわゆるギャラリーがたくさんあつまっているチェルシーと違って
アップタウンの人は来るのを嫌がったりする人もいるらしいですが、
(通りにはホームレスの人も歩いていたりします)

アート業界の人が集まるチェルシーじゃなくて、ちょっとファンキーなローワー・イーストサイドという場所の選択も、オーナーのデビッドならではで、私は彼のこういうとこが、好きです。

いらっしゃ〜〜い!(ギャラリーの入り口)


ともかく、なんと言っても、

ニューヨーク・デビューであります!


なので、これは自分のアーティスト運命をかけての絵画制作でありました。
ここまでくるのに、大変だった。汗

このキャンバス問題はなんとかクリアして、、、、っていうか、もう無かったことにして、肝心のそれに何を描いたのか=つまり絵!ですが、
ま、
当然、自分は「汚れの首輪」しか描けませんので〜。苦笑

以前からハマっていた、デュシャンとクールベの汚れの首輪に挑戦いたしました。

なぜ、このふたりなのか? 詳しくはこちらで!
 

資料をネットなどで、集めて、いろいろとバランスを構成して、描いてゆきました。

デュシャンは割と簡単だったんです。

彼の、この時代はすでに写真がかなり残っていますから、ネットで調べてもすぐ出てきます。

彼はいつもきちんとしてるし、ポーズなども襟がちゃんと見える。

なんせダンディですしねー。笑 

以下すべて油絵です。





こんな感じです。
時間はかかりましたが、まあ、スムーズに進みました。

問題は、クールベですよ。

あたいのギュスターブ!!です。

私は彼に現在でもどっぷりとヌマっていて、

これは確実にデュシャンとは違う回路が稼働しているナゾの感覚。

これを書いている今でも、目の前はこんな状態です。笑

工業用ミシンのテーブルの部分を解体して、ギュスターブ専用デスクにいたしました。


クールベ祭り、開催中!!


話がそれますが、
なぜ専用デスクがいるのかというと、今、TJクラーク先生が書いたクールベの本、「Image of the People」を読んでいて、っていうか解読しているのですが、ものすごく難しくて。。。汗
友人から「クールベが好きなんだったら、これを読んだら?」
なんて、簡単に言われて、英語で読むのが苦手な私はかなりドキッとしたが、なんとか挑戦してみようと思ってはじめましたが、
最初の1ページに3日くらいかかって。涙。

考えたらこの、このアドバイズをくれた私の友人というのは、イギリス人と日本人のハーフで、スケボーやっていて、タトゥーがたくさんあり、サブ・カルチャーにもかなり詳しい!
しかし、仕事は、大学でアート・ヒストリーを教えている「アート博士」だったのだ!

騙された〜〜!!笑
もともと、彼と私とは脳みそのレベルが違うのだ。

しかし、こんなデスクまで作ってはじめちゃったんで、もう遅い。

英語で読むのはさっさとあきらめて、全部Google翻訳で日本語にして、読んではいるのですが、、、。AIもまだまだ子供で。。。とほほ。
ともかく
なんせ色々な人の名前が出てくるので、それをいちいち調べるのが大変で。

ボードレール、シャンフルーリ、ジャン・ジュルネ、ジュールバレス、プルードン、フーリエ、スルバラン、ティッチアーノ、ブラウエル、グエルチーノ、ホセ・デ・リベーラ、マックス・プジョン。。。。。まだ40ページしか読んでませんが、これ以上の人が出てくる。。。
もう、むちゃくちゃ大変な作業なので、専用デスクを作ったというわけです。これ、一冊読むのに、おそらくグーグル翻訳を使っても半年くらいかかると思います。

まあ、そんなこんなで、私のギュスターブですが。

話を戻しますと、汚れの首輪です。

ご覧ください。このイケメンぶり!笑
人を見下した自意識過剰ぶり!!

大変そうだが、俺が見守るよ。


どうせ描くなら、上のような若い頃の彼がいいなあ〜と思って探したのですが、彼の時代は まだ写真があまりなかった頃で、ほとんどない。それにこれだと、顎髭がじゃまして、襟元が見えないのです。

なので、中年になってからの写真を探して、なんとかこれを描きました。
オリジナルの色も写真はモノクロですが、なんか想像して。苦笑



それから他は主に自画像から、顔の部分をぬいて、見えない襟を想像しながら、描きました。


右はこちらからですね。

パイプはこの頃の時物だったらしい。後でわかった。


それからこれは、皆様もご存じでしょう。顔なしの「絶望」です。笑


1メートル四方くらいです。

これは、描き直したので、2枚目です。

本物はどれも見た事ないので、本とかネットで色などもなんとなく、想像しながら、描いていきました。

「傷ついた男」です。

それから見出し画像はこれからです。


以上が、クールベです。

あとは、以下のような、襟だけのコンポジション。そのほかにも、今までにすでに描き溜めていたものを展示してもらいました。こういうのとか。



そして、ギャラリーの展示はこんな感じになりました。



ベルベット・アンダーグラウンドの汚れの首輪

今回は、以上でーす。

読んでくださり有難うございました。

L*


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