日本クローゼットツアー(3)通訳と撮影のアシスタント探し
さて、今回も前回の続きです。
撮影するジェフ(上の写真の左)が通訳兼アシスタントとして、
雇いたいと思っている中国人の若い女性の話です。
(ちなみに上の写真の中央の女性は、この話とは関係ありません。)
ジェフはこの候補になっている人が、日本語がペラペラだというのですが、
彼は日本語ができないのに、なぜこの女性がペラペラだとわかったのか?
それがなんか、あやしいなあと。
たとえ、二人が日本語環境の仕事をいっしょにしたにしても、どのくらいしゃべれるのか?の判断は、よほどのバイリンガルじゃないとわからないはずだ。
なのに、なぜ?
まあ、普通に頭に浮かぶのは、ジェフはその女性が気に入っているのかなぁ〜〜?と。ニヤニヤ
若い女性(多分20代)というだけで、年増女(がっつり60代)の先入観が働くのでありましょうかね。笑
ね?〜みなさんも、そう思ったでしょう? 笑
ま。でも、、、。そうだとしても、ですよ。
だから、どうなの?です。
ジェフが自分で選んで、雇いたいと言うなら、それは、それでいいではないか? 私はその動機がなんであれ、シスターズのドキュメンタリー映画がスムーズに撮影できればいいのです。
と、思ってた矢先に。。。。
そのジェフから電話があった。
そして、案件はまさにその女性の事であった。
ジェフは、まず、さっそく本人に、仕事のスケジュール、バジェット、内容を伝え、やりたいかどうか?尋ねてみたそうです。そしたら、
やりたい!と。
それはよかった〜!
そして、引き続きその彼女について、いろいろと話し出した。
実は、この若い娘さん、親は中国の富裕層らしい! ロサンゼルスのフィルムの学校を卒業し映画の世界にはいり、撮影のアシスタントをしながら、すでに自分の映像作品も作っている。今回の仕事は、とても興味深いので、通常のアシスタントのギャラより、安いのだが、是非やりたいと思っている、、、。
などなど。
へえ〜。それはよかった。というか、、ま、予想はしていた。
女性というのもあるし、ファッションに興味があると、最初に聞いてたので、まあ、やってくれるだろうと。。。。
そしたら、ジェフが、それに関しては、
私は私で、今まで生きてきた分の知恵がついているので、
そして、ジェフはまだ彼女の話を続けた。
実は、この女性、旅行はいつもビジネスクラス。
なので、今回も、日本に行く時の飛行機は、ビジネスクラスで行きたいらしい。もちろん、こちらの予算が少ないのはわかっているから、その差額は自分で負担するので、自分だけ、ビジネスクラスで日本に行ってもいいか?
ということであった。
え〜〜???!!!
と、これには、一瞬、驚いたが、
すでに私は、この時までに、プロデューサーの思考回路に染まっており、
コレはこれで、もう、
立派なネタになるでしょ?
と思った。
日本までの飛行機
我々つまり、監督とタレント=エコノミーにぎゅうぎゅう詰め
アシスタントの彼女=ビジネスクラスでシャンペン(差額は彼女持ち)
宿泊
我々=駅前のビジネスホテル
アシスタント=ルーフトップのスィートルーム(差額は彼女持ち)
ランチ
我々=セブンイレブンのお弁当
アシスタント=ひとりだけ寿司屋に走る(差額は彼女持ち)
ディナー
我々=近所の居酒屋
アシスタント=ミシュランの5つ星レストラン(差額は彼女持ち)
これ、もう今すぐにドキュメンタリーの撮影を始めたら、
めちゃ、面白いじゃん!! と、ひとりで、ニヤニヤしだした。
しかし、そんな妄想はおいといて、だ。
ここでの、目の前の問題。 彼女がどのくらい喋れるのか?
実はジェフも、これに関してはまったく見当がついていなかったのだった。
なんだ。そうだったのか、、、、。
それで、彼女を紹介するので、3人でズームでミーティングをし、それとなく日本語がどのくらい喋れるのかを、チェックしてもらいたいという事であった。
でも、すでに彼女には仕事をオファーして了解してもらっているので、この顔合わせの本当の目的が、「日本語チェックの為」というのは、隠しておいてもらいたい。ということであった。
はいはいはい。なんでも、なんでも、、、、了解。苦笑
それで、数日後のズームミーティング
まず彼女の第一印象は、若くて綺麗!やっぱ、20代!!
ハロ〜〜! How do you do ! と、
声がハキハキして、飾り気のない雰囲気で、明るく始まった。
そして、まず、最初にいきなりこう言った。(以下、英語)
これを、いきなり彼女自身が言い出したので、私もジェフも苦笑していたら、彼女は続けた。
いきなり、自虐で!こう、つっこんできた。笑
なので私は、それじゃあ、と。日本語で、いろいろと簡単な質問から始めた。
日本に行ったことある?とか ロサンゼルスではどこの学校にいってたの?とか、会話学校の初級クラスみたいな。笑
そしたら、日本には住んでたこともあり、その後も、もう何度も行っていて、日本人の友達もたくさんいるらしかった。
決して、フォーマルな日本語ではない、会話レベルで、時々ゆっくりになったり、変になったりはするものの、コミュニケイションは問題ない。
たとえば、5段階評価だとすると、3くらいのレベル。
私は、それよりも何も、彼女の喋り方や会話のノリが、とても気に入った。
特に日本語が完璧でなくても、このツアーで必要な日本語のボキャブラリーは、大したことないだろうし、お家を訪問する時に、失礼のないような言葉づかいや振る舞いは、誤解されないように、事前に打ち合わせをして、学んでおいてもらえばいい。
また、ツアーの間は二週間近く、ずっと一緒にいるわけだから、どれだけ日本語が喋れるか?よりも、いっしょにいて、居心地のいい人、コミュにケイションの取りやすい人がいいな〜とも思ったので、彼女は、その点をクリアしているように感じた。
それで、ミーティングが終わった後に、すぐジェフと話して、この感想を伝えたら、ジェフも、ルンナがそう言うのだったら、多分大丈夫だろう。よかった、よかった。と電話を切った。
プロジェクトは順調に進んでいる。。。。。
。 。 。 ように、見えた。
一週間くらいして、ジェフから電話あった。
は???? なんで?
え、 え〜? ここで、親がでてくるかっ!
とも思ったのだが、、、そうか。ビジネスクラスも、リムジンも、寿司屋も、5つ星ミシュランも、全部、
お金は親が出すのであったのだ。
と、資本主義の家族関係のカラクリが、今更であるが、わかった。
親としては、そんな、人の家のクローゼットで、ライブをやるような、
ドサ回りの一座に、娘を行かせるわけには、いかなかった
のだろう。
、、、ふむ。自分が親だったら、そうかもしれぬ。と、変に納得、、、、、
、、、、してる場合じゃな〜い!!
とほほ。
3歩進んだが、また2歩さがってしまったのだった。
次回に続く。
L*
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?