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(連載85)DTM: アップルストアのサービスが運命を変えた:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2015年

若者の方々、申し訳ありませんが、前回からの加齢の話がまだ、続いとります、すんません、、、。(苦笑)

昭和生まれの加齢問題で、あるあるの一番はなんといっても、

コンピュータなどのテクノロジー回りじゃないでしょうか?

私も例外ではありませんでした。

ずっと昔のスタイルのまま、シンセの打ち込みでバックトラックを作ってはおりましたが、ちょっとやってないと、バージョンが新しくなり、アップデートしたら、コンフリクトを起こしたり、周辺機材もそれに対応しないといけなくなる。そして、挙句の果ては本体のパソコンのメモリーが足らなくなって、新しく買い替え〜、、、(と、今でもありがちな問題)

つまり永遠にこのサイクルが続くわけで。。。。

そのための出費もかさむし。。。

これでいいのか? 


ものを買い続けなければ、生活できない? これって、アップル(企業)に振り回されてるのでは?

自分は資本主義のシステムの中で搾取されてるのではないか?  

と、思うようになり、

これに前回の視力低下問題(老眼問題とも言う)も加わり、苦笑

こういうコンピュータ回りのことを考えるのが、

なーんか、めんどくせ〜〜〜!!と自然に避けるようになってしまった。

そして。

気が付いたら、ケイタイ・スマホの操作やコンピュータソフトの使い方が、わからなくなってしまって、どんどん、置いてきぼりをくらい、

この手に関する自己肯定感がゼロになってしまった。


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そんなある日。

2015年のある日です。

いい加減、限界にきていたパソコンを買い替えようと、思い腰をあげて、大決心をして、近くのアップルストアに行った。


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そして、店内をウロウロしていたら、何やら教室のようなものをやっていました。

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へー。

で、ふと、新しいマックを買うついでにこんなクラスをとってみようかなーと。

今だったら、ですよ。

こういう「使い方動画」はネットに山のようにあるってのを知っていますが、この2015年の時点では「ネットで何かを学ぶ」というのが、頭になかったんです。昭和生まれなんで〜。汗

それで、アップル・ストアでの「ガレージバンドの入門クラス」というのを、興味本位で取ってみる事にした。

これは十人くらいが、ストアにある大きいテーブルを囲んで、モニタースクリーンを見ながら、先生が喋るのを、ただ聞くというもの。

「お試し」でに出席したまではよかったが、先生が一方的に喋るだけなので、まるで学生時代の勉強のようで、昔からの習性で、必然的に眠ーくなり、コックリ、コックリ、、、で、終わってしまった。苦笑

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しかし。


このクラスが終わった後、そこにきてた人が、何やら、話しているのがきこえたんですよ。

こういう複数相手のクラスじゃなくて、一人一人、教えてくれるサービスもある。。。と。

それは、年間100ドル払えば、一人の先生が、自分につきそってくれて、家庭教師みたいな? 一回1時間いっしょにいてくれて、、なんでも教えてくれるらしい、、、、。

ナンですとぉ〜!!??

私には、これだ!!


たったの100ドル、無制限!!しかも一対一なので、眠くはならんだろ。

即申し込んだ!!!

そして、即、はじめた!!

なんでも、即きいいて、即教えてくれる。

相手も仕事だから、超、親切で!!!

最初はスマホの使い方、アプリのダウンロード(苦笑)その次は写真の処理の仕方など、、、今までの小さい疑問がどんどん解決していった。

もう、しばらくすると、もうコンピュータが苦手な人というレベルが、普通にスマホを使いこなしてる人くらいにはなり、この調子で、こんなにどんどん問題が解決してゆくんだったら、、、もう、何でも?できるようになるのでは?と、自己肯定感も爆上がり〜〜!笑



さて、ちょっとここで、脇道にそれますが、、、、

このノートをお読みくださってる方には、何度も繰り返しになりますが、私はバンド歴というのがあり、この2015年時点では、音は、打ち込みのバックトラックにライブでは生音を混ぜ、エレクトロポップ、リズムはダンサブルで、歌詞はすべて、ファッションやドレスメーキングにに関する歌、、、という、つまり、コンセプチュアルな、パフォーマンスバンドのようなものをやっておりました。

このバンド名はソーイング・シスターズといいまして、

前代未聞な「縫製バンド」

と位置付けていたので、

いっそのこと、ミシンを楽器として扱い、そのノイズで何かできないかな〜?というのが頭にいつもあったんです。

実はそれまでも、ノイズには関心があって、モーションセンサーで、ノイズがでるような、ガジェットを作ってもらったり(ライブでやってみたが、誰も気が付いてもらえない=涙)  サーキット・ベンディングという、コンピュータのサーキットの回路を変えて、新しい音を作る実験のにも挑戦してみたり。

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こんなん、、、で。

老眼では、小さいすぎて無理でした!=涙


また、ライブでは、ミシンのノイズのソロを、複数で混ぜたりもしていたのでだが、「だから、何?的な結果」に終わってしまっていた=涙


と、

私のノイズ・メーキング実験は、失敗につぐ失敗で、具体的な糸口がみつからないままで、相談する人もいなくて、一人で、ぽつんと悩んでいたのだった。

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はい。 ここで、先ほどのアップルストアにもどります。

〜照明さん、明るくしてくださーい〜

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このアップルストアでの充実したセッション!!これ、イメージ写真ですが、まさに私はこんな感じだった。

で、。。。。考えたのですよ。

私のノイズ経験のストレスつまり、、、

私の音楽的問題をこのカスタマーサービスにぶつけてみようか?

と。

担当の先生は毎回変わるので、自分で指名はできないのだが、「次回は、音楽の事が学びたいんだけど。」と前振りをしておいたら。

そして、その狙いはバッチリと当たった!

以降、毎回、同じ二人が私の担当になったのだ。

まず、最初に、やってきたのは、30歳前後のショーンという男性。後で、知ったが、ジャズのミュージシャンだけど、アップルストアでも働いてる人、だった。

「ハロ〜!本日は僕が担当します。よろしくね〜」と

ニコニコ笑顔でやってきた。

フェイスブックにあった彼の写真をコピペ。(彼のライブの時でしょう)

実際には、上のようなアップルのユニフォームを着てましたよ。

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早速、彼が「今日は何を、学びたいのかな〜?」というので、

私は、自分のクリエイティブな音楽の悩み、つまり

「ノイズで音楽を作りたいが、どんな音楽を作ったらいいのかわからない」

と、いきなり、アーティストのクリエイティブな壁の問題をぶつけてみた。笑


そしたら、この方、ものすごいナイスで(カスタマーサービスですからね)

「じゃあ、ノイズのサンプリングをやってみたら?」

と、「サンプリング」の「サ」も知らない私が持っていってたノートを、パッと自分の方に向けて、いきなり、細かいメモを書き出したのです。

これにて。。。

サンプリングとは何か?の講義がはじまったのだった!!!

全部、ショーンが書いた私のノート。

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これも後で、わかったのだが、彼は大学で、作曲を勉強したという、アカデミックなバックグラウンドで、そういう悩みも経験したことがあったという。。。。

いろいろな現代音楽の作曲家をきいたらいいよ、

悩んだ時は、その時こそ、一番にクリエイティブになれるよ。

などと。。。

もうまさに大学のゼミ状態!

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毎回、こんなかんじで、1時間。超、濃いクラスとなった。。。



また、もう一人の私の担当になったのは、普段は、DJをやってる、レイという男性。DJの名前はブラック・ラビット。これもフェイスブックから。

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彼には具体的なことを詳しく。理論よりも、作ったものを聞いてもらったり、録音はどんな機材をそろえればいいか?など。

DJなので、ライブをやる時の関連機材の揃え方など、むっちゃ詳しい。当然そこまでになると、アップルストアにはないですから、ウェブで選んでもらって、買い物すらも手伝ってもらった。


もう、どんどん自分が成長しているような実感!!(加齢ではなく。笑)

この充実感!!!迷いはゼロ!!

そして、このまま突っ走ってゆけば、ミシンのサンプリングだけで、何か大きいプロジェクトが完成させられるんじゃないか?と思うようになり、

私は、どんどんとアップルストアに入り浸るようになって、二日に一回、最低でも週に2回。店の人も「ミシンのノイズの人ね〜」と言われるようになったのです。


あ、そのせいか、このサービスは1年で、さっさと中止になったのです。

私のせいかもしれませんね。

多分。


しかしですね。私はこの中止になる前までに、この二人からたくさんのことを学び、人生に残る一つのプロジェクトをやり終えたのだった。。。

そのお話を次回!!


L*














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