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ランダル・レイ「政府が”お金を刷れる”なら、なぜ借入をする必要があるの?」(2024年5月)

ランダル・レイ「政府が”お金を刷れる”なら、なぜ借入をする必要があるの?」(2024年5月)

「政府が”お金を刷れる”なら、なぜ借入をする必要があるの?」

MMTのドキュメンタリー映画で、バイデン政権のバーンスタイン経済諮問委員長がこの質問をされて回答に窮するシーンがSNSで話題になった。

これについてランダル・レイは、一個人の理解の問題ではなく、そもそも「通貨を発行する政府がなぜ国債を発行するのか」という疑問の根底にある金融オペレーションに関心を持つ人はほどんどいないだろうとコメント

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【解題】1998年のミルトン・フリードマンへのインタビュー (R.E.パーカー「大恐慌を見た経済学者11人はどう生きたのか」に収録)

【解題】1998年のミルトン・フリードマンへのインタビュー (R.E.パーカー「大恐慌を見た経済学者11人はどう生きたのか」に収録)

1910年代前後生まれのアメリカの大御所経済学者たちへのインタビュー集。有名どころでは、ポール・サミュエルソン、ミルトン・フリードマン、チャールズ・キンドルバーガー、アンナ・シュウォーツ、ジェームズ・トービン、ワシリー・レオンチェフへのインタビューが収められている。本書のミルトン・フリードマンへのインタビューが抜群に面白かったので紹介しよう。

経済学者たちを救ったニューディール政策ケインズ経済学

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【小ネタ】通貨発行益は額面ー製造コストではないよというお話

【小ネタ】通貨発行益は額面ー製造コストではないよというお話

川波洋一・上川孝夫[編]『現代金融論』[新版] (有菱閣ブックス, 2016年)の第5章 管理通貨制と中央銀行(近廣昌志)より引用。

管理通貨制のもとでの銀行券は不換銀行券であるために、紙切れと銀行券の額面との間に価値の乖離が生じるとして、その差額を貨幣発行益(シニョリッジ)と定義する論者もみられるがそれは誤謬である。 額面と製造コストを貨幣発行益と認識できるのは本位貨幣制度のもとで金属貨幣や政

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敢えて今、量的・質的金融緩和政策の問題を考える

敢えて今、量的・質的金融緩和政策の問題を考える

結論:金融緩和政策は、債務ヒエラルキーの上位から順番に買われていくから格差が開いていき、良くない。

異次元の量的・質的緩和政策、皆さん覚えていますか?

え?覚えていない?

2014年11月1日 日本経済新聞より

日本銀行が国債を購入することによって市場に貨幣を流し、それにより人々の購買力を増やして不況を脱却するというものです。これはリフレ派と呼ばれる経済学者の方々が主張していましたが、実

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