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「政治的に正しく」婚姻率を上げて持続的な日本を作る方法

少子高齢化が臨界点を超えている。 そこで現在、政府は少子化対策として「子育て支援」を拡充するための政策を検討中のようだ。  しかしながら、こうした政策には強い批判もある。 簡単に言うと、「子育て支援は少子化対策としての効果は薄い。子育て支援と少子化対策は分けて考えるべきだ」というもの。 下記の記事を引用する。 記事中の相関図を見ると、子育て支援予算の少子化対策としての影響の小ささに驚く。 また荒川氏によれば、一人の母が生む数はこの50年で特に減っておらず、一方で婚姻率

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    • 中国の生きにくさの象徴「健康コード」「通信行程卡」

       中国に住んでる人は生きにくそうだなーと感じた点として、「健康コード」「通信行程カード」の2つが挙げられます。 上海のいたる所に立つ「屈強な男」 上海市内では、大型の店舗や病院、駅、空港、さらには一般の会社の入り口まで、あらゆる場所にガタイのいい男が立っています。彼らは入り口で、入る者が健康であることを証明する「健康コード」や「通信行程卡」の提示を確認しているのです。  上海市内にいると、自分の会社に出社したとき、お店に入るとき、駅に入るとき、空港に入るとき、病院に入ると

      • 中国でタクシー移動をする方法(2022年2月) 

         2022年1月~2月にかけて、中国上海に滞在しました。  中国にきてまず困ったのが移動手段。公共交通機関もいいですが、大荷物だと大変だし、タクシーなりウーバーなりを呼びたい。  3週間のコロナ隔離が終わった後、該当ホテルに「9時にチェックアウト。各自移動しろ」と言われたのでタクシーを呼んでもらうようお願いしてみたところ、「自分で呼べ」と言われてしまったので自分で呼ぶことにしました。いいホテルなら違うかもしれませんが、中国政府が指定したホテルなのでどうしようもない。しかも

        • あなたの権利を守るために、外国人の政治参加に反対する。

           先日、武蔵野市において、外国籍の人も住民投票に参加できるようにする条例案が否決されました。これに対し「否決されて安心」と述べた国民民主党の玉木さんに賛否の声が集まっています。  皆さんはこのことに対してどのように考えますでしょうか。 今回の条例案は民主主義を根本から考えるいい機会になったのではないかと思います。 民主主義と国民主権は「不可分」。 民主主義を採用する国では、国民主権といって、国民が政治的な意思決定をすることになっています。しかし、国そのものは人々が民主的に

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          「市場原理主義は、成長の邪魔だ」

          前の記事の続きです。 かつての日本は、自由と市場原理を愛する国でした。  しかし、明治維新から50年以上経過した1920年代から30年代に移り変わる当時、日本国の企業組織も近代化・肥大化しており、経済の仕組みも徐々に変わってきていました。 近代化に伴う企業の変化近代的な企業組織には大きく分けて「3つの関係者」が存在します。 1.所有者 2.経営者 3.従業員の三者です。所有者とは株主のことですね。  小さな企業、特に零細企業なら、労働も所有も経営も全部一人が兼ねて仕

          「市場原理主義は、成長の邪魔だ」

          世界で最も「市場原理主義的」だった国

          昨日、ひとつアンケートを出しました。 上記に挙げた要素はすべて現代日本とは真逆の要素を示していて、まるで海の向こうにある強欲な国のようにも思われます。  ・・・しかし結論から言うと、この質問の答は「1920年代の日本」なのです。ちょっとずるいけど、現代のアメリカもフランスもドイツも投票率は8割いってませんし、消費はGDPの8割もいってません。なのでハズレです。日本に入れてくれた人は意外とたくさんいましたが、大半はアメリカを選択してくれました。また選択肢を見て深く考えてくれ

          世界で最も「市場原理主義的」だった国

          合理主義(社会主義・市場原理主義)の限界

           資本主義経済の発達が進んだ今、我々は大きな壁にぶつかっています。壁とは ・需要不足による経済停滞 ・格差の拡大 ・蔓延する自己責任主義 ・孤独 と言ったものが挙げられるでしょう。 このような壁はなぜできたのでしょうか。どうしたら壁は取り払われるのでしょうか。  この解は、ワグナーに代表されるドイツの歴史派経済学にひとつ求められるものがあると思います。 ワグナーの社会政策  ワグナーは、当時主流だったアダム・スミス流の個人主義的・自由主義的な「小さな政府」論的

          合理主義(社会主義・市場原理主義)の限界

          「週休3日」で経済成長する方法

           自民党内部で週休三日が議論されているようです。民間企業や公務員の労働者に週休3日がとれる環境を整備し、子育てや介護、大学院での学業、副業などに充てる時間を増やすという名目です。  これに関しては私は賛成です。しかし私は自民党案ではおそらくうまくいかないと考えますし、公共政策としてマクロでやるならもっといい方法があるだろうと思います。  そうした思いもあり調べていたところ、ポストケインジアンの一人であるカレツキーのモデルを働き方改革に応用させて論じた研究ノートを金沢星稜大

          「週休3日」で経済成長する方法

          企業から見た"脱グローバル"と"内製化"の必要性

           平成は日本の企業にとってアウトソーシング(外注化)とオフショアリング(海外化)の時代であったが、とうとうその限界が見えてきたように感じる。 「内製より外注した方が安い」という幻想  製造業の世界では「内製より外注した方がコストが安い」という言葉をよく耳にする。読者の方にもそういった方は多いだろう。しかし本当にそのほうが安いのか。改めて考えるべきであると私は思う。  多くの企業は加工費(主に現業の人件費)だけを持ち出して外注化の方がコストが低いと推進してきたが、実際はどう

          企業から見た"脱グローバル"と"内製化"の必要性

          GoToキャンペーンの混乱

           久しぶりの更新です。  政府がついにGOTOトラベルキャンペーンの一時停止を決定し、来週から事業の停止期間が始まります。これについて、色んな意見があります。歓迎する声や、逆に中止を批判する声も。せっかくなのでココで僕の意見を書いておこうと思います。 GoTo依存は悪しき裁量的政策の「超典型例」 予め述べておくと、私自身は裁量的財政政策すべてを批判するわけではありません。不況下で雇用がない、生活に困る人が増えるなど社会が不安定な状態でまず短期的な解決策を取るのも必要です。

          GoToキャンペーンの混乱

          RCEPに批准してはならない

          "中国主導のグローバリゼーション"の時代が到来しようとしています。  11月15日、東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に日本を含む15カ国が署名しました。更に11月20日、APEC首脳会議で中国の習近平は環太平洋経済連携協定(TPP)参加にも積極的な姿勢を示し、太平洋地域の経済覇権を握ろうとする中国 の姿が浮き彫りになってきています。 ひっそりとはじまった交渉 RCEP交渉が始まったのは2013年です。しかし交渉は秘密主義が貫かれ、7年もの歳月がたったにも関

          RCEPに批准してはならない

          政治家が、あなたの生活を良くしてくれない理由

           財政政策の必要性が叫ばれて久しいですね。かつて自由民主党が民主党から政権を奪還したとき、国民は大規模・長期的財政政策を期待していました。…が、安倍内閣は2014年以降、国債発行量をどんどん減らし、財政赤字支出を減らしてきました。 以下のツイートのツリーを追いかけると毎年減額してきたことがわかります。   ストック・フロー一貫モデルによれば、政府が財政赤字を減らしていく、ということは国民の収入が減っていく(もしくは海外収支の悪化)ということが言えます。つまり、安倍内閣は好

          政治家が、あなたの生活を良くしてくれない理由

          大村秀章愛知県知事リコール運動は何故失敗するのか

           愛知県では、特に盛り上がってはいませんが大村秀章のリコール運動が行われているようです。ことの発端は昨年のあいちトリエンナーレ。コレに関しては特にココでは詳しく書きませんが、かの中止・再開後、大村・河村両者は激しく対立し、ついにリコール署名活動を開始しました。  しかしどうもよく見てみるとこの活動、大村知事を辞めさせるというより単に騒ぎたいだけで、そこに日本維新の会が乗っかってめんどくさいことになっている…という印象を受けました。これでは成功するはずがありません。 政治運

          大村秀章愛知県知事リコール運動は何故失敗するのか

          都構想が話題なので敢えて市町村合併を振り返る

          今日の話題は大阪都構想です。これは愛知県に住む私からすると非常に不思議な現象に見えるんです。それについてお話します。  実は最近、大阪にぼっちで遊びに行くことが増えています。やることは大抵散歩なのでマジでコスパ悪すぎるんですが…。  そんな中で、実際に大都会である大阪市を回ったり、大阪にお住いの方々とお話したりすることを通じて、外の人間が思ったことを書いてみようと思います。要は他人事なので雑魚が何か言ってるくらいに思って下さい。 実はマクシムは大きな市を解体するのは割と

          都構想が話題なので敢えて市町村合併を振り返る

          敢えて今、量的・質的金融緩和政策の問題を考える

          結論:金融緩和政策は、債務ヒエラルキーの上位から順番に買われていくから格差が開いていき、良くない。 異次元の量的・質的緩和政策、皆さん覚えていますか? え?覚えていない? 2014年11月1日 日本経済新聞より  日本銀行が国債を購入することによって市場に貨幣を流し、それにより人々の購買力を増やして不況を脱却するというものです。これはリフレ派と呼ばれる経済学者の方々が主張していましたが、実際のところこれには多くの問題がありました。 よく言われる問題 金融緩和の問題点

          敢えて今、量的・質的金融緩和政策の問題を考える