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「全員30cmだけ跳んどけ」

皆さんは、小学校時代の記憶はどれくらい残っておられるだろうか。

私は、小5以降の記憶は割とある。それ以前は断片的に・・・といった具合だ。

その中で、印象に残っている出来事が1つあるので、その話を書こうと思う。

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体育の時間だった。私が通っていた小学校では、月に一度、小5と小6合同で行う特別な体育があり、その日は走高跳をしていた。

小6の先輩たちが、高いバーを次々と飛び越えて行くのを側で眺めながら、自分の順番を待っていた。

その時、事件が起きた。

走高跳が得意なある先輩が、かなり高めのバーに挑戦した際、着地を大きく失敗してしまった。

着地の際についた腕には、良くない形で体重がかかっていた。結果として、肘が明らかに、「曲がってはいけない方向」に曲がっていた。

その光景は、小5の自分にとって、かなり衝撃的なものだった。周りの生徒たちも騒然としていた。

たしか、救急車が来たと思う。少なくとも、その小6の先輩は病院に直行した。

「え、待って…こわ」

私も含め、そんな感じだった。その光景は、かなり目に焼き付いた。

ただ、それ以上に印象的だったのが、怪我をした生徒を病院に送り出した後の、先生の言葉である。

今から全員、30cmのバーを1回ずつ跳ぶこと。それで今日は終わります。

先生

「30cm・・・? いやいや、(小学生とはいえ)そんなん余裕やろ。やる意味ある?」というのが正直な感想。そういう空気になった。

次跳ぶ時、ちょっと怖いやろ? だから今、全員1回跳んどいた方がええねん。

先生


当時は、「先生に言われたから、跳んでおいた」という感じだった。

ただ、たしかに衝撃的な事件を目にしながらも、翌日以降に走高跳が怖いと思うことはなかった。それは先生が言ったように、あの日中に1回30cmのバーを跳んでいたからなのかもしれない。

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ショッキングなことを目にすると、気持ちが萎縮してしまい、次の一歩が踏み出しにくくなるというのは大人になってよく分かる。

その時の先生の言葉は、小学校を卒業してからも心に刻まれている。なので、ネガティブな出来事が起きたあとは、「30cmを1回だけ跳ぶ」ことを心掛けている。

返却されたテストの結果が良くなかったら、簡単な基礎問題を1・2問解いて、その日は終わり。

仕事で大きな失敗をしてしまったら、簡単に終わる作業を1つ・2つこなしてから帰る(帰って良い時間帯に限る)。

切り替えはもちろん大事。ただしそれは、「30cmを1回跳んでから」。

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↓もう1つの「#大切にしている教え」