書店にて
数日前「つぶやき」に書いたが、スペイン語の語感がなんとなく気に入った。
この手の勉強は、役に立つだろうと思って勉強しても、意外と使う場面がないことも多い。逆に、目的なく好きで勉強していたことの方が、案外ふとした拍子に役立ったりする気がしている。
なので、感覚に従ってスペイン語を少しかじってみようと思った。まったくの初学なので、伸びしろは英語よりありそうだ。
早速、近所の書店に行ってみた。駅前だが、そこまで大きな書店ではない。
語学のコーナーへと向かう。
優柔不断な私は、テキスト1冊を選ぶのにもけっこう時間がかかってしまうのだろうなあ、となんとなく思っていた。
スペイン語のテキストは2-30冊ほど並んでいただろうか。
…15秒で買いたいテキストが決まった。
私は、背表紙を順に目で追っていた。
『CD付 はじめてスペイン語を学ぶ…』『CD付 スペイン語入門…』『CD付 〇〇』…(記憶で書いているので、タイトルは適当)
語学は耳で慣れることが大事だと思う。私は、スマホにイヤホンを繋いで聞くことを想定していた。しかし、PCの仕様の関係で、私はCDの音源をスマホに取り込むことができない。
「CDはなくてもいいんだよな…」
そう思いながら目線を動かしていると、1冊の背表紙が目に止まった。
『(音声DL版)スペイン語 初歩の初歩』
「そうそう!そういうこと!」と思った。
手に取ろうとすると、なぜか真横にほぼ同じタイトルの本があった。
『(CDつき)スペイン語 初歩の初歩』
「???」…同じテキストなのにCD版と音声DL版がある?
一瞬あまり意味がわからなかったのだが、事実の通りであった。
中身を確認すれば、先ほど挙げたCD付のテキストたちの中から、音声DLも可能なものを見つけられたのかもしれない。(この時代だから、きっとある)
しかし私は、「同じテキストを、あえてCD版と音声DL版の両方つくる」という出版社さんの戦略のセンスにグッときたのであった。
私は、音声DL版の方を手に取り、パラパラと流し見した。
わかりやすそう。ページ数も多くなく、ハードルは良い意味で低そう。
私は他のものを手に取ることなく、そのテキストをレジへ持って行った。
…
「内容を見てもらう以前の段階で、勝負がついてしまっていることもあるのかもしれない」
私は少し自分を戒めた。