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Poetry night

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詩と朗読と映像と。
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#朗読

朝の音/詩と朗読 poetry night 第81夜

朝の音/詩と朗読 poetry night 第81夜

夢の中で私はいつも小学生だ 
天気は晴れ 
父は銀行員 
庭の花がうららかな風に揺れていて
(「朝の音」より)

🌿「詩と朗読 poetry night」 第81夜は「朝の音」。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓

*****
「朝の音」

階下で動き回る気配に
目を開けた
洗濯機を回す音
味噌汁の匂い
母が昨夜の残りを温め直している

タンスの扉を
父が開け閉めする
掛けてあるベルトが

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詩とカウンセリングの共通点とコラボ朗読

GW帰省の二日目は、詩人の先輩である須藤三智穂さんとデート。
ランチをご一緒してから須藤さんのお宅にお邪魔し、コラボ朗読を収録した。
初めてお逢いしたのは四半世紀ほど前だ。名古屋と岡山で離れてからも、詩を通したお付き合いをずっと続けていた。
2年前、須藤さんから音声配信のツールを教えていただきstand.fmを始めて音声配信仲間にもなり、今日という日を迎えた。不思議で素敵な御縁に感謝。
また、お話

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れんげ摘み/詩と朗読 poetry night 第80夜

れんげ摘み/詩と朗読 poetry night 第80夜

厳しかった季節はもう終わり
さわさわ揺れる緑葉を踏みながら
わたしのほうへ
歩いてくるひとがいる

💎「詩と朗読 poetry night」 第80夜は「れんげ摘み」。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓

「れんげ摘み」

昨夜あんなに降った雨のあと
たくさんの蝶がとまっているような
小さな花が
春田(はるた)で次々と開いた

厳しかった季節はもう終わり
さわさわ揺れる緑葉を踏みながら

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calling〜薇(ぜんまい)/詩と朗読 poetry night 第79夜

calling〜薇(ぜんまい)/詩と朗読 poetry night 第79夜

💎詩と朗読 poetry night 第79夜は
「calling〜薇(ぜんまい)」。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓

「calling 〜薇(ぜんまい)」

 ひらいてごらん

微か(かすか)に湿りを帯びた
温かな声に
そろそろと眼をあけた

 あなたの祈りが届きました
 わたくしはあなたのしもべであり
 共に歩む者
 心を安んじて
 生まれなさい

首をもたげ
祈りのカタチをほ

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九份の猫と「春暁」/詩と朗読 poetry night 第78夜

九份の猫と「春暁」/詩と朗読 poetry night 第78夜

人もまばらな裏通りも歩きました。
あちこちに猫がいて観光客に撫でられたりしていましたが、見上げる観光客(=私)を一顧だにしない猫もいました。
*****
💎詩と朗読 poetry night 第78夜は、
台湾旅行の話「九份の猫」と漢詩「春暁」。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。


「春暁」/孟浩然
春眠不覚暁
処処聞啼鳥
夜来風雨声
花落知多少

詩作講座と「無限の朝」/詩と朗読 poetry night 第77夜

詩作講座と「無限の朝」/詩と朗読 poetry night 第77夜

 3月17日は、岡山県赤磐市の永瀬清子生家にて「そろそろ詩が書きたくなってきた人のための詩作講座」が開かれ、その講師を務めさせていただきました。詩作講座の講師は2年ぶりで、前日までめっちゃ緊張してましたが、当日の朝になったら落ち着いてなんとかなりました。講師に来てくださった方々には、私が緊張症だということはわからなかったと思います。
 永瀬清子さんは明治39年生まれ、岡山県赤磐市出身の詩人で「現代

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無題(エールのようなもの)/詩と朗読 poetry night 第76夜

無題(エールのようなもの)/詩と朗読 poetry night 第76夜

心なんて もうとっくに折れてる
でも歩く
折れてても
雨が降ってても
傘をさしてaruku

💎詩と朗読 poetry night 第76夜は「無題(エールのようなもの)」。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓

「病院で《聴く》ということ」/詩と朗読 poetry night 第75夜

「病院で《聴く》ということ」/詩と朗読 poetry night 第75夜

 過去に書いたものを整理していて見つけたこのエッセイ。30代前半で書いたものだが、なぜ朗読を始めたのか、そのときどんな状況だったのかが簡潔にわかる。
 このときの思いが今に続き、朗読配信をし、朗読会や朗読劇などをしているんだよと、あのときの私に教えてあげたい。びっくりするだろうな。

「病院で《聴く》ということ」(1998年/H10)

膠原病(全身性エリテマトーデス)になって十三年、ついに腎臓が

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君の原石/詩と朗読 poetry night 第74夜

君の原石/詩と朗読 poetry night 第74夜

💎詩と朗読 poetry night 第74夜は「君の原石」。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。

「君の原石」

薄明るい夜の底
深紅に輝く
君の原石を見つけた
砂に埋もれた
私の腕(かいな)に
宝石の鼓動

君の心臓(ハート)は
内なる火を持つ
紅い原石
その輝きは
闇の中でも
私の道標となり

ああ もうすぐ夜明けだ

「夜香蘭(ヒヤシンス)」とコロナ禍のこと/詩と朗読 poetry night 第73夜

「夜香蘭(ヒヤシンス)」とコロナ禍のこと/詩と朗読 poetry night 第73夜

🌿詩と朗読 poetry night 第73夜は「夜香蘭(ヒヤシンス)」とコロナ禍のこと。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。


「夜香蘭」(ヒヤシンス)

不意に
甘い香りに包まれた

部屋の中で水栽培している
ヒヤシンスが咲いたのだ
無数の美しい根っこに支えられ
ぐんぐん伸びた茎
六芒星に似たピンクの花
ぼんやりしていた気持ちの境目が
くっきりするような
鮮やかな芳香

禍(わざわ

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愛の山越え/詩と朗読 poetry night 第71夜

愛の山越え/詩と朗読 poetry night 第71夜

愛の山越え私は往こう
温かな風に胸はふくらみ
とまどいの谷も
渡らば渡れ

🌒詩と朗読 poetry night 第71夜は「愛の山越え」です。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。

*****
「愛の山越え」

愛の山越え私は往こう
温かな風に胸はふくらみ
とまどいの谷も
渡らば渡れ

哀しみの森を抜けて私は往こう 
失くしたものが返らない
後戻りの川に身を映し
繰り返しながら
時は過ぎて

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ランダム朗読・八木重吉/詩と朗読 poetry night 第70夜

ランダム朗読・八木重吉/詩と朗読 poetry night 第70夜

今日の「詩と朗読 poetry night」は八木重吉の詩を読むことにしました。どの詩とは決めず、八木重吉の詩集をめくりながら、心にとまった詩をランダムに読んでいこうと思います。作業をしながらとか、寝る前のひとときとか、ながらで聴いていただければ幸いです。

射干玉のuso/詩と朗読 poetry night 第67夜

射干玉のuso/詩と朗読 poetry night 第67夜

ぬばたまの夢の中で
嘘をついた
月に群雲 花に風
もう忘れた
愛しいひとのことなど
(「射干玉のuso 」より)

🌙詩と朗読 poetry night 第67夜は
「射干玉のuso 」(ぬばたまのうそ)
スキマ時間に聴いていただければ嬉しいです。

https://stand.fm/episodes/6568c012c7d12c4359c4579b

WS「雨ニモマケズ〜読み解きと群読〜」の話/第65夜

WS「雨ニモマケズ〜読み解きと群読〜」の話/第65夜

🌙詩と朗読 poetry night 第65夜は、11/3に催したWS「雨ニモマケズ〜読み解きと群読〜」の話です。スキマ時間に聴いていただければ嬉しいです。

🌙詩と朗読 poetry night 第65夜は、

11/3に催したWS「雨ニモマケズ〜読み解きと群読〜」の話です。スキマ時間に聴いていただければ嬉しいです。

🌿「雨ニモマケズ」群読