宿の親父と警官5人
【海外写真放浪記】 INDIA 10 ジャイサルメール
ジャイサルメールに着いて、まず宿を決めていなかった僕は普段絶対に話を聞かない駅前での宿の勧誘に乗っかってみる事にした。
これがジャイサルメールの滞在を半分最悪な物とする。
親父とは駅で1週間泊まる宿代とキャメルライドと呼ばれる砂漠ツアー、ロマ(ジプシー)の村への案内込みでの値段交渉を済ませていた。
城に到着し、部屋を案内してもらうと中々いい部屋で初めは良かったのだが、事あるごとにお金の請求が始まった。
初めに取り決めた話は全く無かった事にされ、二日目か三日目にはツアー代、宿泊費、等々かなり吹っ掛けてきたのだ。
どうにもらちがあかないので宿を出ようとした途端、警察を呼ばれ五人の警官に囲まれる事になる。
僕も英語がそんなに得意では無いため混乱したが、話をしっかり聞いてみると、どうやら宿の親父が僕が大麻を所持していると嘘の通報をしたらしく、所持品の検査が始まっていた。
あまりにも頭にきたため親父と怒鳴り合いになり騒然となったが、結局僕は持っておらず、警察も4時間位で帰っていったのだが、僕は全く納得が行かず初めの交渉時の宿代を投げつけるように払いジャイサルメール 城を直ぐに出ていった。
旅中にたまに耳にする話なのだが、こうした濡れ衣や各国の利権、点数稼ぎなどで逮捕される日本人は少なからず居る。
タイでは壺を運んでくれと頼まれて逮捕され終身刑になり帰国できないで居る方の支援をしている方がツアーを組み、彼の話を聞く事が出来るという取り組みを聞いた。
または、フィリピンで大麻所持で死刑の判決が下った女性など、気を付けていないと、こういったトラブルも起こる事があるし、日本政府は特に何もしてはくれず、相手の話が鵜呑みにされてしまうケースが殆どだそう。
それを体感したのだ。こちらの話は全く聞いてもらえず、早く出せ。の一点張りだった。あれは中々応える。何せ味方ゼロな上に向こうは英語ですら会話していないので何を言われているのか分からない。
とにかく城を出て街中の適当な宿に泊まったのだが、最早インド人を疑ってかかっていたので、暫くの間はツアーに行く事もせず、写真も撮る気になれず、ただ暑いジャイサルメールでサムズアップと呼ばれるコーラの偽物をがぶ飲みして数日を過ごした。
こういう時に酒が飲めれば憂さ晴らしにもなるが、僕は酒屋の息子として生まれたのに下戸だった。
人と関わらずに写真を取り始めた時の一枚。
動物は喋らないからね。
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