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独身者と余暇

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飛行と浪漫 -Beautiful Japan 吉田初三郎の世界

飛行と浪漫 -Beautiful Japan 吉田初三郎の世界

吉田初三郎の展覧会を府中市美術館でみた。

吉田初三郎は、観光マップなどでおなじみの“鳥瞰図”を大正期から戦前にかけて数多く手がけた画家。

その独自の表現をとおして、いわば鳥観図を“発明”したといってもよい人物だ。

ふだん、初三郎の鳥瞰図をなにかの折に目にする機会はすくなくない。けれど、こうしてまとめてみると彼のこだわりというか、その独創性にあらためて気づかされる。

たとえば、鉄道会社から依

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「シュルレアリスムと日本」覚え書き

「シュルレアリスムと日本」覚え書き

シュルレアリスムはむずかしい

シュルレアリスムはむずかしい。

東京の板橋区立美術館で開催中の展覧会「シュルレアリスムと日本」をみての感想です。

むずかしいと言っても、それはかならずしも難解といった意味ではありません。そうではなく、意識をもって無意識の領域を描こうとすることに本来つきまとう困難さ、とでも言えばよいでしょうか。

シュルレアリスムは、アンドレ・ブルトンの《シュルレアリスム宣言 溶

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倉俣史朗のデザイン 記憶のなかの小宇宙@世田谷美術館

倉俣史朗のデザイン 記憶のなかの小宇宙@世田谷美術館

ものごとを、興味のある/なしで判断するのはとんだおっちょこちょいのすることだ。

この世の中には、ただ、興味のあることとまだ興味の糸口を見つけられずにいることがあるにすぎない。

亡くなったじいちゃんの遺言である。うそです。

というわけで、興味の糸口を探すべく、冬にしては暖かな午後に世田谷美術館を訪れた。

世田谷美術館ではいま、約10年ぶりという倉俣史朗の大規模な回顧展がひらかれている。

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