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なぜ組織が動かないのか・なぜチーム力が低下するのか

コミュニケーションが取れていない

ウチはコミュニケーションが取れているから大丈夫という声はよく聞きます。また、ウチは仲がいいでしょと言っている組織に限って仕事にそれが生かされていないのが現実です。

私の知っている組織の一例を挙げるとしましょう。その組織は12人の小さな組織で、まさに上記のように外から見れ仲が良さそうです。
しかし、それぞれがどんな仕事をしているのか知らないという事実があります。

お互いがどんな仕事をしているのか知らないという事実があるのにそれをおかしいと思わない企業風土に問題があるのですが、それが普通だと思っているところが問題だということに気づいていないという状態です…

ここでいうコミュニケーションが取れていないというのは、仕事における情報共有ができていないことにあります。だから業績が上がらないのです。

情報共有ができていないということは仕事が止まることを意味しています。「私は私の仕事をしておけばいいや」、「我関せず」となって仕事が止まってしまったり、仕事がスムーズに進まない状態が日常化し、お客様・取引先に迷惑をかけるという事態になるのです。

花屋を数店舗経営している社長さんのお話です。ある日お店に顔を出すと、その店舗の雰囲気がとても悪いのです。お客様でない社長が感じるくらいですから相当悪いのでしょう。しかし、スタッフたちはそんなことにお構いなしに無言で仕事をしているのです。

社長が伝票を見てこの伝票の仕事はどうなっているのかとスタッフに聞くと、「私は担当ではないのでわかりません」という答えが返ってきました。
また、店舗の雰囲気が悪すぎて、その影響が接客に出てしまいお客様が途中で帰ってしまうということにも繋がっていて、
売り上げに影響しているというお話をされていました。

その仕事のやり方が常態化してしまい、当たり前ということになってしまっているので、どうしたものかと頭を悩まされていました。

同調圧力の罠・経験と勘によるバイアス

バイアス

同調圧力も組織の停滞とチーム力の低下を招きます。

よくあるのが、上司と部下の関係であるのではないでしょうか。
極端にはなりますが、上司がこう言っているのだから部下の方もそう思うでしょうとか、そう言っているんだからそうしろとか同調しなければならない雰囲気を醸し出して従わせようとする場面は、表沙汰にはなりませんが、ちらほらあるようです。

部下の人からすれば、そういったトップダウンは受け入れられなくなっているにもかかわらずいまだにこの状態が当たり前だとして罷り通る組織の風土に問題があります。

経験と勘による鶴の一声もあります。

これは面接の場面で実際にあったお話です。

面接の時に求職者が高校では野球をやっていて、4番でキャプテンであれば採用するというおかしなことが本当に起こっているのです。

面接官からすれば4番でキャプテンをやっていれば必ず良い仕事ができるというバイアスがかかっています。
仕事能力と4番でキャプテンをやっていたこととは比例しないということがわかっていないのです。

今では面接においても色々なテクニックがネット検索できますので、企業も面接に関しては色々な手を打っているようですが…

この事例の場合だと、予測ですが、野球をやっていたから体育会系、上の言うことは素直に聞く、だから扱いやすい、イコール仕事ができるという経験と勘に頼ってしまった一例です。
そうしてミスマッチが起こりお互いにとって最悪の事態が起こる結果になるのです。

あとは、会議の場面で。
この仕事を30年間やっている、「俺の経験と勘からすると間違いない」という根拠もない一言で、誰も反論ができず、決まってしまうということもあるのです。
そして、「的外れだった」ということは多くの組織やチームで起こっているのが現実ではないでしょうか。

日本の組織は縦割り組織の狭い視野や帰属意識に捉われ、全体最適のために組織をまたいだ連携ができない。毎年のように色々な組織改革を試みるが組織の箱をくっつけたり分けたりしているだけで本質的な変化(組織の行動変化)は生まれません。

物事の是非をファクトベースで分析的に判断せず「誰の言った意見か」「他所はやっているのか」という属人的な基準で意思決定が行われる。
島国である日本の村的な思考から未だに抜け出せないでいる、つまり今のこの変化の激しい時代に対応できていないという課題があるということです。

組織改編と組織行動

日本の組織変革というと、概ね組織の箱を分割したり足して一つにしたりという場合が多いです。
社員の意識を変えるのには効果があるが(すぐに効果は薄れます)、コストがバカにならないにもかかわらずです。

編制された組織が機能し始めるには混乱と新しい秩序の形成というプロセスを経る必要があるのです、それを表したのがタックマンモデルです。

タックマンモデル
形成する→嵐が起こる(混乱する)→新しい秩序が生まれる→機能しはじめる
このモデルの重要なポイントは単に新しい組織が機能するまでに時間がかかるし必ずしも改編が意図した通りには機能しないことにあります。

つまり、組織改編は行われても、組織行動が変えられることはほとんどの場合ないということです。

組織行動と業績
いくら新しい業務改革手法を取り入れてもそれが企業風土や文化(組織行動)と整合していなければ根付かない当ことは長年の研究で明らかになっている。
ミシガン大学の研究では企業風土を伴わない業務改革の成功率は30%程度程度という結果が出ています。

組織の生活習慣病

人間関係

組織の思考や行動のクセは全て組織の生活習慣です。
これは人にもあるもので自分の行動を振り返っていただくとよく理解できるかと思います。

組織的機能不全
目標未達に慣れてしまい、本気になって目標達成に取り組まない病です
目標未達でもお咎めはなく、「我が社は人に優しい会社だ」と誇っている企業もあるとかないとか…

こういうことが長く続くと、中堅社員は知らず知らずのうちに無気力を学習し(習慣化)、社会経験の浅い若手は、会社とは計画に時間とエネルギーをかけてあまり実行しないものだと思い込み、辞めていくか、仕事ができない人になってしまうのである。

ある人材紹介業の方と話をしたことがあのですが、50代になってリストラされた求職者の方に、何ができるのですかと尋ねたら「部長ができる」という答えが返ってきたというお話をされていました。
まさにこんな人材がいるのかと疑いたくなるようなことが、現実に起こっているのです。

組織的健忘症
失敗と向き合わず、同じ失敗を何度も繰り返す病です。
事例を挙げるとデパートでよくある年末セールです。

その直後の2月、3月でも緊急催事を毎年行なうということはよくあることです。
これは3月は年度末なので予算未達が見えてくると、予算達成のために慌てて催事を行うという計画性のない行動を毎年繰り返しています。また収益はマイナスに作用することを何度も経験しているにもかかわらず、

組織としては「予算未達」→「集客」→「催事」と機械的に発想し、客観的に見ればバカバカしさが一目瞭然ですがやっている人たちは大真面目なのです。このようなことに似た事例はたくさんあるのです。

分析的に考え、新しい方法を工夫することをせずに、過去のやり方を繰り返しているのです。このような症状の会社は非常に多いです。

かくいう私も飲食店で働いていた時は同じような症状に陥っていました。だからこそうまくやれていなかったという経験をしています。

店長として店を任されていたので、できてないのは自分の責任だなんて一人で背負い込んでどうしていいのかわからない、あれやこれやと小手先の施策しかできなかったという、お恥ずかしい経験をしています。

他の人の意見を聞けなかった、人に助けを求められなかった、つまりしっかりとコミュニケーションを取れていなかったことや、「自分の失態を話す」こと「助けを求める」のが恥ずかしいという金にもならないプライドがあったからです。

組織的うつ病
組織のメンバーに覇気がなく、目標設定さえもやらない病です。

未来に対する希望もビジョンもない、表面的な人間関係を気にしてお互いに言うべきことを言わず、相手の反応を勝手に忖度して内にこもって、コミュニケーションが取れていない。物事を言葉で表現して正しく伝えること苦手で、これがコミュニケーションを阻んでいるのです。

競合他社と比較しようとすると、「うちはあの会社とは違う」と比較そのものを嫌う、組織によっては「目標は設定しない方がいい」「どうせその通りにはならないから戦略は作ってもムダ」などとしないことを正当化することが常態化しているのが現実です。

勝ち残っている企業は、高いベンチマークを持ち、高い視座を持って目標を設定し組織を挙げて取り組み、そのための戦略を工夫をし続けているのです。

組織のメンバーの中にも自覚して、不満を持っている社員がいるのも事実ですが、何年にもわたってそれを治すことができないでいるのです。

なぜならば、個人の習慣病と同じように症状を自覚していてもその原因となっている生活習慣病を治すことは困難です。

多くの企業では「事業戦略」「システム」「組織改編」などはほとんど役に立たないです。

にもかかわらず、なんとか変えようとしているのです。
特に人事評価制度などを導入しても(500万円くらいかけて)機能しないのはマイナスベースである組織に組み込んでもうまくいかないのは当然の結果です。

うまくいくのは当たり前のことができている、しっかりコミュニケーションが取れている組織です。

課題解決するには

問題・課題解決

組織をどのようにすれば動かせるかがわかればいいということです。
これにはコミュニケーションが欠かせません。必要なことは「共感」です。共感するという行為で大切なことは「自己理解・他者理解」です。

まずは自己理解から始めて相手と自分は違うということを知ることから始まります。これが相手理解につながるのです。

これがしっかりと根付いていれば、同調圧力はなくなっていきます。私がこうだからあなたもそうでしょうというのはまず成立しなくなるのです。

この共感ができるようになると、組織を動かす理論を用いて組織にマネジメント手法として取り入れます。それがSECIモデルです。

SECIモデル

SECIモデル(SECIプロセス)とは、一橋大学の野中郁次郎氏と竹内弘高氏らが提示した広義のナレッジ・マネジメントのコアとなるフレームワークです。のちに、野中氏は紺野登氏とさらにそのモデルを精緻化させています。

SECIモデルでは、知識変換モードを4つのフェーズに分けて考え、それらをぐるぐるとスパイラルさせて組織として戦略的に知識を創造し、マネジメントすることを目指します。

共同化(Socialization)
メンバーや身体が五感を駆使して、現場で直接経験を共有し、暗黙知を共有しながら、本質を直観し、暗黙知を組織的に共創します。
また現場で顧客と向き合い、場を共有する場合、直接経験をとおして顧客と暗黙知を共有することもあります。これが共同化です。このモードで大きなカギを握るのは、リーダーとメンバー、メンバー同士、あるいは顧客との間で、いかに共感じ合えるかです。

表出化(Externalization)
暗黙知を言語化し、概念を生み出すことにより形式知に変換する。
これを表出化と呼びます。共同化で直観した本質を、対話や知的コンバット(我々一人ひとりが、それぞれの「暗黙知」で世界を見ています。そして、それぞれの主観と主観とを徹底的にぶつけ合うこと)を通じて、メタファー(隠喩)やアナロジー(類比)などのレトリック(修辞)も駆使しながら、仮説を導き出していく

連結化(Combination)
変換した形式知を組織内外の他の形式知と組み合わせ、体系化して新たな形式知を作り出すのが連結化です。
表出化で導き出した仮説や概念を関連する知と繋ぎ合わせ、編集し、物語化し、理論モデル化していきます。

内面化(Internalization)
体系化され、物語化、理論モデル化された形式知は実践や行動をとおして、新たな暗黙知としてメンバー全員に吸収され、体化されていく。つまり形式知からまた暗黙知へと変換されるこれが内面化です。

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現実にはそれぞれのモードが同時に起きていることもあれば、あるモードが反復されることもあります。
いずれにせよ、この一連のプロセスが回ることで知識が新しい価値として具現化されていく。
と同時に知識は個人、集団、組織の間を循環し、より豊かに増幅されていく。これが組織的知識創造の基本原理。

注目すべき点は、新しい知の創造の起点が、共同化における共感にあることです。互いに共感しないと、知は生まれないのです。

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SECIモデルを稼働させる「場」とは

SECIモデルにおける「共同化」「表出化」「連結化」「内面化」を実践するには、それぞれのステップに応じた「場」が必要です。4つの「場」とはどのようなものか、具体的に見ていきましょう。

共同化の場「創発場」

「共同化」が行なわれるのが「創発場」。一般的な会社だと、昼休みの雑談や終業後の飲み会などが該当します。つまり、「場」とは特定の「場所」に限られるものではなく、「状況」も指すのです。
「創発場」とは「個人が自己と他者の境界を超越し、他者に共感する世界」。つまり、1人では「創発場」を生み出し、「共同化」を行なうことはできないのです。仕事の休憩がてら、社内をふらりと歩いてみて、出会った他部署の人とコミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか。

表出化の場「対話場」

「表出化」を行なうのが「対話場」です。「表出化」とは、暗黙知を形式知に変えるステップです。
マニュアル作成などが含まれることからわかるように、「対話場」は偶然発生するというよりも、意識的に設けられます。プレゼンテーションやミーティングが、対話場の例です。

連結化の場「システム場」

「連結化」が行なわれるのが「システム場」です。「連結化」は、複数の形式知が結合するステップ。そのため、各従業員が形式知を持ち寄れる場が必要とされます。
「システム場」に集まるといっても、対面である必要はありません。大勢の人が知識を持ち寄るには、むしろ仮想空間のほうが適しているともいえます。
たとえば、Slackなどのビジネスチャットツールで作成されたグループも「システム場」です。複数のメンバーが形式知を投稿していくことで、形式知が体系化されていくでしょう。

内面化の場「実践場」

「内面化」が行なわれるのが「実践場」です。形式知が個人の暗黙知へと変わっていく場なので、特にこれといって決まった場所や状況はありません。普段の労働が「実践場」だといえます。
STUDY-HACKER

SECIモデルを実践するにあたり、「場」は不可欠です。あなたの職場ではどんな「場」ができるのか、考えてみるのはいかがでしょうか。

共感とは

共感

組織やチームを稼働させ、SCEIモデルを機能させるには、「共感」が必要不可欠です。
この部分は非常に哲学的なお話になるので、読み飛ばしていただいても構いません。これを伝えるにはここだけでは終わらないので、簡単に記しておきます。
共感を知るには現象学という学問を知ることが大切だからです。

現象学の発展に尽くしたフランスの哲学者メルロ=ポンティは人が相手と全人的に向き合う時、精神や意識より前にまず、身体の共振・共感・共鳴が起きてそれが重要な意味を持つことを「間身体性』という概念で示しました。

右手が左手に触れているとする
右手は触れる側で左は触れられる側
しばらくすると
最初は触れられていた左手が右手に触れられている感覚が生まれ役割が交替し、反転します。

これが「二重感覚」、「わたし」と「あなた」の間でも成り立ちます。
わたしはあなたの身体に、わたしと同じ仕方で存在しているあなたを認めることが出来る。

この大きな共感が生まれるプロセスを解き明かしたのが現象学の生みの親であるオーストリア出身の哲学者、エトムント・フッサールでした。

フッサールは人と人との共感について「相互主観性(Intersubjectivity)」という概念を説きました。

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この「相互主観性」三段階を経て、暗黙知を組織的に共創し、「われわれの主観」を生み出すプロセスがSECIモデルの共同化です。

人間関係を戦略に変える

人間関係を戦略に

組織とは簡単に言うと「共通目的、役割、調整機能を持つ人々の集まり」です。共通の目的(理想やビジョン)を掲げ、同じ役割を持っている人達が相互補完しながら機能していくものが、組織と呼ばれます。
 
 一方でチームとは何なのか。それは「共同で仕事をする人々の集まり」です。同じセクションで同じ仕事を細分化し分担して仕事を進めるものがチームと呼ばれます。
 つまり、チームとは組織内にあるものであるということより、組織よりも単位が小さく組織に包括されるものという認識が一般的とされています。

役割について
組織の中にはチームリーダーがおり、そのリーダーの数によってチームの数が決まります。つまり、会社というもの自体が1つの組織であり、営業部や広報部といった各部署がチームです。もしくは、その部署内が各課に分かれている場合はその部署が小さい単位の組織と言え、課がチームといえます。このように、チームを包括するものが組織であるという認識があります。
U-NOTE 会社における「組織」と「チーム」の違い

多くの場合見過ごされているのは、組織とチームは人が動かしていくということです。
この人の部分、人間関係がスムーズになるのかということは語られていません。

人間関係のストレスを減らしスムーズにするには、「自己理解・他者理解」することで対話が生まれ、より良いコミュニケーションに繋がっていくのです。

組織やチームでは情報共有が不可欠です。先にも書きましたが、情報共有ができなくなると…

ロジック・ブレイン28 スパイラルコミュニケーション

組織やチームのほとんどがこの状態に陥っているのです、それが先に書いた花屋さんや、同調圧力が生まれる、経験や勘に頼った判断に頼り組織やチームに多大なるダメージを与えてしまい、組織が機能しなくなったり、チーム力の低下につながるのです。

この「人間関係を戦略にかえる」、つまり稼働する組織に変え、チーム力を向上させ、企業の業績向上につなげるのです。

人間関係にフォーカスすることで、つまり、中にいる人間の意識が変わるから組織の生活習慣病も改善していくことが可能となるのです。

根本である人にフォーカスする

問題課題解決

弊社は顧客・組織・マネジメント・営業の分析や指導のサービスを行なっている会社です。
多くの方が集客のこと、組織がどうすれば稼働するのか、マネジメントをどうすれば人が動くようになるのか、営業の成約率を上げるにはどうすればいいのかと悩んでいます。

多くの人が忘れているのが人のこと、人間関係をどうすればいいのかが置いていかれているような気がします。

その課題解決には自分を知り、他者を知ることが1番の早道です。

弊社のシステムは人の個性や性格を分析し、タイプ別ごとにデータ化、可視化できるのです。
タイプ別ごとに人生観、大切にする優先順位、どのように声をかけ、どのように行動すればモチベーションが上がるのかを知ることができ、さらに個人の能力や行動特性もわかるのです。

データ化・可視化することにより、相手とのコミュニケーションの取り方が変わります(話す立場になるのか、聞く・聴く立場になるのか)。
相手を知ったコミュニケーションの取り方を常態化させることにより、コミュニケーションの質が変わります。
一人ひとりに合ったコミュニケーションを取れるということは、伝え方が変わります。
伝え方が変わることで組織の風通しが良くなるわけです。

心理的安全性のある組織風土が出来上がることにつながっていき、あんなこと言っていいんだ、こんなこと言っていいんだという組織やチームが醸成されていくのです。(発言したことを実行して、失敗したとしても責めるのではなく、なぜできなかったのかを自分で考えられ、周りがフォローできる組織です。もちろん責任が取れ、自律した人材の育成にもつながります)

情報共有ができ、うわべだけであったコミュニケーションが深化し、雑談できていなかった人とも雑談ができるようになるのです。
これは相手との共感が生まれていることを意味していて、信頼関係が生まれていることも意味しています。

私たちは他人のことをわかろうとしていても実際にはわかっていません、むしろ自分のことさえわかっていないのですから、先に書いた同調圧力や経験と勘による判断で決まってしまうのは当然のことなのです。

自己理解・他社理解ができる組織やチームにその文化・風土ができることにより、
先に書いた、採用の場面では経験や勘に頼らない、個性や性格のデータにより自分の組織やチームに最適な人材を採用することも可能になってきます。

稼働する組織編制と業績を上げる組織行動

多くの場合組織編成を行ってもうまくいかいのは、実際にどうなるかが予測できていないからです。
組織やチームのメンバーのデータを利用した、組織編成やチーム編成が目に見えたらどうでしょうか?

弊社のマネジメントシステム(TOITOI)が組織力やチーム力を可視化します。

システムを使うことで、組織編成やチーム編成の際に誰がリーダーになれば組織稼働率(組織の戦闘力・55%以上であれば良い)が高くなるのがわかればどうでしょうか?
どんなタイプの人材を組織やチームに加えることによってさらに組織の稼働率が上がるのかがわかり、また組織の状態が言語化されているのでどのような組織やチームなのかが一目でわかります。

このシステムを使った事例としては、30店舗以上飲食店を展開している企業様で、店舗の組織稼働率を分析させていただいたところ、企業様が気になっている店舗と売り上げが上がっていない店舗(組織稼働率が低い)が一致しました。

組織稼働率が低いと組織やチームは稼働しない、業績に繋がらないことが証明されています。

業績を上げる組織行動には人材育成が欠かせない

あとは人材育成に関してです。人が育たなければ組織は行動できません。

人を育てるのに必要なことは、どのような思考/志向性・行動特性があるのかをまずは知ることです。
人には必ずクセがあるものです。その特性を知ることで相手に対するコミュニケーションの取り方や伝え方も変わってきます。

それには3分類による研修をおこないます。
これによって解決されるのが3つのソリューションです。
タレントソリューション(マネージメント力アップ)
マーケティングソリューション(売上拡大)
パーソナルソリューション(コミュニケーション改善)

組織やチームで大切なのはタレントソリューションとパーソナルソリューションです。
それを可能にするフレーム、弊社では1on1を利用しています。
特に1on1における人材育成によりその効果は出ています。
またOJTにおけるトレーナーと新人との「相性」もシステムで調べることがより最適な組み合わせによる効果的な教育が可能となります。

ある鍼灸・整体・スポーツ医学の専門学校様の事例です。
そこは店舗運営もしているのでこのコロナ禍によりスタッフ自体がどうしていいのか分からずに共感や情報共有がしっかりできておらず業績も上がっていないという状態でした。

改善のために1on1を導入して、ひとり10分〜15分の面談を行うというものです。
最初はこの学校を担当してNさんも、いきなり1on1をするものですから、スタッフさんからは「何この人」という目で見られたという話をしていましたが、この面談での発言は一切評価には反映されないということで、安心して話してくれるようになりました、もちろんタイプ別に合わせた面談を行っています。
最初の頃は泣き出すスタッフがいたり、自分の想いを話すことができなくて辛かったなどの反応でした。
同席していた関係者は短時間で話を引きだせていたことに驚いていたとのことでした。

それを数ヶ月続けることにより、スタッフさん達に自律性が生まれ、店舗に来てくれるお客様と共感を生み出すために自己開示(自分の生年月日や趣味を壁に貼ったり等)を始めました。
それがお客様との距離を縮め、リピートにつながり業績も上がっていることのことです。

最後に

DXのツールを利用して人事・マーケティングができる人材をご自身の企業で育てる

DX(デジタルトランスフォーメーション)

これからの時代はデジタルのアナログの融合です。
デジタルというツールがあってもそれを使いこなせる人材がいなければこのVUCAの時代を乗り越えてはいけないし、
ダーウィンの進化論から考えるとこの時代に適応できない企業はなくなっていくのです。

人事やマネージメントをAIを搭載したデジタルのツールを使うことで、より最適な意思決定が可能になり、心理的安全性のある企業風土作りが可能になることは先に述べましたので、イメージしていただけたのではないでしょうか。

繰り返しになりますが、人間関係をどのように構築していくのか、コミュニケーションがしっかり取れている、自己理解・他者理解のある企業風土を作っていくことをしなければならないということです。
その土台があるからこそ組織やチームの編成が効果を生み出し、組織やチームが稼働して業績を上げる、パフォーマンスを上げていくことにつながるのです。

どんな素晴らしい「事業戦略」・「システム」・「コンサルタント」によって組織を変えようとしても変わらないのは、中にいる人の考え方やあり方が変わらなければ組織やチームは変わらないということなのです。

最後までご覧いただきありがとうございます。
組織やチームを効率的に稼働させるはどうすればいいのかと悩んでいる方の参考になれば幸いです。

記:株式会社ロジック・ブレイン コンサルティングパートナー
  園池涼一

参考
知識創造企業 著者:野中郁次郎/竹内弘高 発行元 東洋経済新報社
共感経営   著者:野中郁次郎/勝見 明 発行元 日経BP
直感の経営  著者:野中郁次郎/山口一郎 発行元 株式会社KADOKAWA
”結果”のでない組織はこう変えろ! ファシリテーションの応用と実践
       著者:森 時彦       発行元 朝日新聞出版
U-NOTE 会社における「組織」と「チーム」の違い

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