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良品計画の世界名産を掘り起こす力 〜 これがアフターコロナのグローバル戦略になる N68

 若い頃だけどパリのクリニャンクールやヴァンヴみたいな蚤の市でヴィンテージもののポスターとかキーホルダーを集めるのがなぜか好きで、その後知り合った妻も便乗して毎年(というか年に2回くらい)パリに行って買い漁ったものだ。その同じ頃に仕事として、つまりプロとして買い漁りをして日本で転売することをしている人たち(あるいは会社)がいた。その人たちが通った後には何も残らないくらいモノを見極める眼を持っていて、負けないように早起きをして買い出しに行ったものだ。  

 そんな今はサヴィニャックなんてちょっとおしゃれなカフェに行けばしばしば見つけられるほどに普及してしまったが、それは彼らの活動の影響なのだろうか。結局、何が自分を趣味へと走らせたかといえば、異国の珍しさみたいなもので、今はそのモチベーションは夫婦ともに消え失せてしまった。 

 そんな郷愁を持つ暇なくやってきたのはKaldiだ。海外の珍しいB級グルメを揃えたスーパーがあちこちに出来始めた。A級グルメは成城石井や伊勢丹をはじめとするデパートもやっているので珍しくもないのだがB級は珍しい。特に海外に出かけてスーパーで買っていた安くて美味しい品があると嬉しくて飛びついたものだ。  

 そして時同じくして国内の名産品を中心に全国店舗のネットワークでかき集めてそのネットワークで各地の名産品を売るという独自性を打ちだしてきたGMS業界の異端児の北野エース。業界全体が沈む中で勢いのある店で、例えばレトルトカレーは本屋の本棚のようにずらりと数百種類くらいある。これもまた珍しいからついつい鑑賞がてら見に行ってついつい買ってしまう。 

 というビジネスモデルを良品計画がやり始めた。国内の諸国良品もさることながら、個人的な感動はやはりFound MUJI。世界展開が広がるMUJI店舗が現地の良品を収集して世界の店舗で販売する。  

 この珍しいモノを見つける感動はショッピング体験がコモディティ化する中でこれからますます重要な差別化の要素になって来るだろう。ぜひ、MUJIを世界中に広めて世界の良品を集めてほしい。ついでにレトルトカレーを国外でも販売してほしい(輸入規制が大変なのは知ってるんだけど)。  

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