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第7話 Nコン(2004年)
合唱部への正式な入部が決まった、私、Aくん、Yくん。
やがて男子が総勢5,6人になり、同学年(中2)の女子も元々在籍していたようだが、
さらに女子の新入部員も沢山増えて、
ソプラノ、アルトで総勢20人ほどになった。
林間学校での出来事が、2年生の心を動かして、
PR効果があったのかも知れない。
中3女子の6人の先輩たちが、
「スゴいよ、私達の合唱部もメンバー揃ってきた!
これなら挑める、Nコン
第6話 転機(林間学校)
2004年、中2の初夏。ある昼休みのこと。
有志男声合唱団の時間のときに、
富岡先生が提案してきた。
「今度の林間学校のしおりを作ってるんだけど、
林間学校の中日(なかび)の夜の集会のとき、
「フレトイ再び」を2年生全員の前で歌ってみたら
どうだろう?」
本気かよ?って思った。たった5人の男子が80人近くの前で歌う?普段教室で一緒に過ごす友達の前で?
でも、強い反対の理由も見つからない。
そ
第5話 少しずつ、体制が整う。
「こいつ、チェスそこそこできるんスよ」
「チェス?」
「囲碁部では、将棋とチェスもやるんス。頭使う
ゲームならなんでもいいんで。」
「へぇ、そんな感じなんだ」
おい、Aくん、それバラすなよ…
顧問はそれ、隠してるかも知れないのに…
「な訳で人生ゲームとか、麻雀とか、花札…」
「待て!それはマズい!」急いで制止する。
「ああそっか…。えぇと、それに、基本はウチの学校全員部活やる感じだけど囲碁部なら幽
第4話 自分の意志で
実は前年、富岡先生は昼休みには
有志男声合唱団の練習を、
一方で放課後には少人数の女子だけから成る合唱部の練習を音楽室で行っていた。
富岡先生は、「ウチの学校には同好会がなくて、
部としての認定基準も甘いから、合唱部と名乗ってはいるけど、レベルは合唱同好会だよね…」
と言っていた気がする。
M部長:「3人とも、隠れて聞き耳たてるようなことしてごめんなさい。でも、折り入ってお願いがあるの!これは
第2話 有志男声合唱団
思い返してみると、2003年、中1の春、音楽の授業の歌のテストの日に欠席し、1人だけ別日に歌わされたような気がする。
そこで富岡先生は、私の歌声に何かを見出したようだった。
2学期になると選択授業というものが新たに設けられて、正規の時間割に加えて週に1時間だけ、音楽、美術、体育、家庭科などから選べる時間枠があった。
そのとき、迷わずに音楽を選んだ記憶がある。
富岡先生がとてもユニークで面白い人だ
第1話 全てのはじまり
2003年秋、中1のある日、音楽科の富岡博志先生に呼び出しを受けた。
「昼休みに音楽室にくるように」
給食を食べ終わると音楽室の防音扉を開ける。そこには、中3の男子の先輩達が2,30人はいただろうか。なに?いじめられるの?少しばかり怖く感じたが、富岡先生が音楽室にくる。
富岡先生は音楽室の使い方が少し変わっていて、生徒用の全ての机が取り払われ、ピアノを取り囲むように生徒用の椅子が整列している