発達障害でも大丈夫、電話対応のたった1つのコツ
学校を卒業して社会人になった時、電話対応は必ず任される仕事の一つと言っていいかも知れません。そのため、働いていて電話対応をしなくていいという状況はほとんどないと言っていいでしょう。
しかし、電話は相手の顔が見えないため相手の表情から汲み取ることはできません。また早いレスポンスで柔軟な対応をすることが必要になります。
そのため、発達障害をもつ人にとっては困難に感じる人が多いかも知れません。よりスムーズに電話対応をするためにはどうしたら良いでしょうか。
それはずばり”パターン化”です。
「パターン化しましょう」ということはよく聞かれる話ですが、実はこのパターン化の仕方が電話対応では重要なのです。
フローチャートでパターン化しない。
電話対応では特に早いレスポンスが求められます。うまく言葉が出てこなくて黙っていると電話が切れたのかと思われてしまうかも知れません。
そのため電話対応を枝分かれしたフローチャートで表して可視化しようとする人もいるかも知れません。しかしが、これはあまりお勧めできる方法ではありません。
その理由はASDの認知スタイルにあります。
ASDの特性を説明を試みる理論の中に弱い中枢性統合理論というものがあります。この理論は、ASDは物事を全体の文脈のなかで捉えるという全体処理をする動機が弱いというASDの特性を説明するものです。
例えば、「H」というアルファベットを並べて「S」という字を作ったとします。そうするとASDは全体処理の動機付けが弱いため「S」という字ではなく、「H」という字に意識が入ってしまうのです。
電話対応法をフローチャートにするということはASDが不得意な全体処理を電話対応をしながらすることになります。結果的にダブルワークとなり電話対応がより大変になってしまいます。
またASDはあまり柔軟性がありませんので、そのフローチャートから会話が外れた場合に柔軟に対応できない可能性があります。
そのため、もっとシンプルな方法が必要となります。そこであげられるものが例文シートです。
もっともシンプルな方法は例文シート
レーモン・クノーという詩人が書いた詩集に『100兆の詩篇』というものがあります。
10篇の14行詩で1行ずつ切り離してバラバラにできる構成になっているため10の14乗通り(=100兆通り)の詩を楽しむことができるという作品です。
当然ながら電話対応では100兆通りの例文は必要ありません。多くても10通り以下で抑えることができるのではないでしょうか。
著者自身もこのような発想で対処しています。具体例として私の例文シートがとのようになっているかをお話ししましょう。
私の例文シートも例文は全体として10通りほどになっています。
それを以下のように2つに分けています。
・社外の電話
・社内の電話
これによって社内・社外の対応の仕方の差によるミスを解消しています。
いらない例文は捨て、新たに必要になったら書き加えることでよりスマートに電話対応ができるようになるのではないかと思います。また「書き出す」ということで急に言葉が出て来なくなっても、言い淀まないで対応ができるようになっていくのではないかと思います。
皆さんも、何か良い電話対応方法があればコメントで共有してくださいね。
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