「ベンチャーに入社すれば市場価値が上がる」は嘘だと思う
この話になったキッカケ
私には一周り離れている兄がいる。その兄は、大学卒業後にプライム市場に上場する名の知れた大企業に就職するが、1年も持たずに退職。その後、起業をし、VCから投資を受けているまでになっている。
私はつい最近まで兄があまり得意ではなかった。たぶん、兄も私の事を苦手だと思っていただろう。
お互い気が強い方だから、どうしても会う度にバチバチしてしまう。
兄ではあるけど、遊んでもらった記憶なんて殆ど無いから、赤の他人みたいなものだ。「一応」血が繋がっているくらいにしか思えなかった。
しかし、私が決算書に興味を持ちだしてから、共通の話題が出来るようになった。大学生の私と、起業家の兄を決算書が繋いでくれたのだ。
今では随分と色々と話をする。もちろん未だギクシャクな感じは残っているけれど、前に比べたら格段に仲が良いと言えるだろう。
大企業もベンチャーも経験している兄がゆえに、どちらの良い所も・悪い所も分かっている。100%理解している訳じゃないけど、単に机の上で理論を書いている人達とは違って、リアルだ。
そんな兄が最近言ってたことがあった。それがタイトルにもした「ベンチャーに入社すれば市場価値が上がる」は嘘だと思う、だった。
どういう事なのか?
「ベンチャーに入社すれば市場価値が上がる」という言葉は様々な解釈ができけれど、大体は下記の2つの解釈になる。
ベンチャーに入れば、様々な仕事を経験できるので市場価値が上がる
ベンチャーに入れば、20代では経験できないことを任せられるので市場価値が上がる
どちらも、ベンチャーに入社する事で中・大企業では経験できない経験を経験できる(もしくは早く経験できる)ので市場価値が上がると思っているのだけれど、実際は違うと兄は言う。
というのが兄の意見だった。なるほど、「そもそも市場価値」とは他人が決める事であり、主観的なものではない。
「貴重さ×市場のニーズが高い」ほど市場価値が上がりやすい訳だけど、ただ単にベンチャーに入社して色々とやってるだけなら、貴重さも市場ニーズも少ないという事なのだろう。
兄によれば、もし市場価値を高めるという意味では大企業が確実にオススメだという。一度付けられた年収は凄く大事で、それが基準となって次の転職先での年収が決まるからだ。また、大企業に勤めていたという経験や人脈などが「貴重さ×市場のニーズが高い」に繋がるからだと言う。
そんなことで、私の大企業への見方が変わった一瞬だった。
ベンチャーには何を求めるべき?
ベンチャーに求めるべきもの、それは「自分のやりたい事を探す機会」だと兄は言っていた。
さらなるベストは大学時代に、やりたい事が分かっていることなのだろう。無限に時間の余っている大学時代に、様々なことに挑戦し、やりたい事を見つけられれば、それに越したことはなさそうだ。
おしまい
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