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【アタッチメント理論】発達障害の子どもとのアタッチメントを築くために ~安心感の輪を意識して~

はじめに
 
こんにちは、子育てを頑張っている皆さん。

 発達障害がある子どもとの育児は、時に大変で、心が折れそうになることもありますよね。でも、私たち親が「安心感の基地」となり、子どもに「安心感の輪」を意識したかかわりを続けることで、彼らは安定したアタッチメントを形成できるのです。(「安心感の輪」の詳細はこちら

 発達障害がある子どもにも、「不安だからくっつきたい」という思いは当然あります。しかし、発達障害がない子どもに比べて、安定型のアタッチメントがやや少ないとされています(アタッチメントの4類型の詳細はこちら)。発達障害の中でも特に多く見られるのが、ADHD(注意欠如・多動症)ASD(自閉スペクトラム症)です。アタッチメントの安定性が損なわれやすい理由は異なりますが、それぞれの特性を理解し、対応することが重要です。


1.ADHDの子どもとのかかわり方

 ADHDの特性には、衝動的な行動、多動性、不注意が含まれます。これらの特性により、子どもは時に怖い思いをしても行動を止めにくいことがあります。そんなとき、ただ叱責するのではなく、安心感を取り戻すための助けが必要です。

 例えば、家の中で安全な環境を整えることが大切です。危険な物は手の届かない場所に置き、家具の角にクッションをつけるなどの工夫をしましょう。

 明確なルールを設定することも効果的です。例えば、「おもちゃは遊んだら片付ける」「食事中は椅子に座る」といったルールを決め、それを守れたら具体的にほめるようにしましょう。「ちゃんとおもちゃを片付けられて偉かったね!」と声をかけると、子どもは自信を持つことができます。

 また、子どもが衝動的に危険な行動をしたとき、例えば、道路に飛び出そうとしたときには、まずはしっかりと制止する必要があります。その際、子どもがこちらを振り返ったタイミングでアイコンタクトをとり、「危ないよ、ここで止まってね」と優しく言葉をかけましょう。

 行動を止められなかったときには、怒るのではなく、子どもを抱きしめて「怖かったね、大丈夫だよ」と慰めてあげることが大切です。その後、落ち着いたら「道路に飛び出すのは危ないから、次はちゃんと手をつないで渡ろうね」と、ルールについて話し合いましょう

 このように、具体的な対応策を取り入れることで、ADHDの子どもたちにも安心感を与え、安定したアタッチメントを築くことができます。

2.ASDの子どもとのかかわり方

 ASDの子どもは、情報の処理の仕方が独特で、感覚過敏、こだわりの強さ、コミュニケーションの苦手さなどの特性があります。このため、周囲との関わりを引き出しにくいことがしばしばあります。

 例えば、急な予定変更にパニックを起こすことがあります。家族で外出の予定があるとき、突然の天候変化で外出が中止になった場合、子どもはその変化に対応できず、泣き出したり怒り出したりすることがあります。このような時、「雨が降っている時は出かけられないよね。その時は代わりにお家で映画を見よう」と事前に説明し、代替案を提示することで、少しでも安心感を与えましょう。

 また、大人にとっては何でもないような刺激、例えば掃除機の音や明るい照明が、ASDの子どもにとっては大きなストレスになることがあります。子どもが掃除機の音に敏感であれば、掃除機をかける前に「これから掃除機をかけるよ」と予告したり、子どものいない時間に掃除をするなどの配慮が必要です。

 これらの行動が特性ゆえのものであると理解し子どもの感情が崩れたときには、根気よく関わり続けることが大切です。例えば、子どもがパニックを起こしているときには、抱きしめたり、静かな声で「大丈夫だよ」と言って安心させたりすることが有効です。そして、落ち着いたら「予定が変わることもあるけれど、また楽しいことをしようね」と話し合い、次回に向けての準備をしましょう。

 こうして子どもは、「この人がなんとかしてくれる」と理解し、時間がかかってもアタッチメントが形成されていきます。具体的な対応策を通じて、ASDの子どもたちにも安心感を与え、安定したアタッチメントを築くことができます。

最後に
 
発達障害がある子どもと関わる中で、私たち親が「安心感の基地」となり、「安心感の輪」を意識して対応することが非常に重要です。特性を理解し、子どもに合った方法で関わり続けることで、安定したアタッチメントを築くことができます。

 親として、辛いと感じることも多いかもしれませんが、子どもたちの安心感と信頼感を育むために、少しずつでも続けていきましょう。あなたの努力が、必ず子どもたちの心に届くはずです。

 この記事が、発達障害を持つ子どもと向き合う親御さんにとって、少しでも役立つ情報となることを願っています。質問やご意見がありましたら、コメントで教えてくださいね。

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