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中受算数の文章題へのアプローチ

 

算数の問題を解くには論理的思考力が必要、と言われます。

具体的な問題をもとにこのことについて考えたいと思います。

【問題】10円玉と100円玉がそれぞれ何枚かあり、10円玉と100円玉の枚数の比が7:4で合計金額が3760円のとき、10円玉と100円玉はそれぞれ何枚あるか。

<一つの解答例

【ステップ1】枚数比が7:4なので、10円玉7枚と100円玉4枚、計470円を「1つの単位」とする

【ステップ2】合計金額3760円の中に何単位あるか考えると、3760÷470=8(単位)ある

【ステップ3】1単位あたり、10円玉7枚、100円玉8枚なので、8単位分の枚数をそれぞれ計算し、
10円玉が、7×8=56(枚)、100円玉が、4×8=32(枚)

上の例では、3つの段階に分けることが出来ます。

1単位をつくる(ステップ1)

全部で何単位あるか求める(ステップ2)

1単位当たりの枚数に単位数をかけて枚数を出す(ステップ3)

答えに至る道すじを考えながら1個1個つないでいくプロセスが必要です。

この思考プロセスを言葉ではなく、式で書く。

重要なのは、この「解き方」を覚えることではないと思います。

解き方は、一つの思考パターンを示しているにすぎず、似たような問題でも、問題の設定とか条件、問われることが変わってしまうと、それに合わせてプロセスを変えなくてはならならず、どんどんパターンが増え、覚えきれません。

なぜこの問題でこのプロセスをたどったのか、を理解する方がその後応用が効くと思います。

この問題で言えば、そもそも最初に1単位を求めるのはなぜなのか。

問題文に、「10円玉と100円玉の枚数の比が7:4」とさらっと書いてありますが、この意味がわかっているか、が問われていることになります。

さらに言えば、「比」の意味するところがわかっているか。

「10円玉7枚、100円玉4枚」と言うのと何が違うのか。

式が書いてないと、どんなプロセスで考えたかトレースできませんが、逆に書かれた式を見れば考え方がわかります。

間違えた問題の解き直しをするときに、どこでつまずいたのかを検証するのが一番勉強になりますが、子どもだけではそこに意識を向けるのが難しいので、必要に応じて親がサポートするのは効果的だと思います。

親が「教える」という意味ではなく、子ども自身が「何が(どこが)わからないのか」を自分で認識できるようにするのを手助けするイメージです。

それがクリアになれば、自分で解説を読むか、それでもわからなければ塾の先生なり個別指導の先生なりに聞けばいいと思います。

また、解法は一つではないので、別の方法がないか、ということを考えるのも力になります。

この問題では、枚数と金額が混ざってわかりにくいので、全て金額に直して考えることも可能です。

「10円玉と100円玉の枚数の比が7:4」ということは、金額の比に直せば、10円玉だけの金額と100円玉だけの金額の比は、7:40になります。

従って、3760円を7:40に分けます。

3760÷47=80

ですから、560円と3200円に分けることができます(金額比=7:40)。

10円玉と100円玉がたくさん混ざっていて全部で3760円あるとき、10円玉と100円玉にわけたら、10円玉の山が560円分(56枚)、100円玉の山が3200円分(32枚)になる、ということになります。


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