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POP PUNK 紹介記事1 Green Day "The Grouch"和訳 〜ポップパンクは同じ様な曲?〜


初めてノートをやってみます。

なぜノートを始めたのかというと、実はとある音楽メディアの面接に参加しまして、上層部の方とお話しする機会がありました。そこで私の好きなジャンルはポップパンクと伝えたら「ポップパンクは全部同じ様な曲だけど、どうやって似た曲を文章で区別化するの?」と質問されてました。




質問を聞いた時の私

頭が真っ白になりました。「全然違う曲だろ。。。」「どうにかしてこの場を乗り越えなければ」という思いが交錯し、数秒フリーズしてしまいましたが「和訳を絡めてレビューを書けば嫌でも差別化することが出来ると思います!」と満面の笑みで元気に答えました。今思い返してもひどい解答ですが、せめて自分の言ったことを実行してポップパンクの魅力を伝えたいと思い、このノートを始めました。


ポップパンクは同じ曲ばかり?

まずは面接でも聞かれたこの質問に答えます。

当たり前ですが、『全く違います。』

面接というパワーバランスが不平等な環境で、強く否定できなかった自分にパンク魂の衰えを感じました。「ただあなたがそのジャンルに興味ないだけでは。。。」とズバッと言えるタフな精神を持ちたかったです。

まあ友人などが言っているならいいのですが(少しむかつきますが)音楽をメインに取り扱っている会社のお偉いさんがその様な発言をするのはどうなのかと家に帰った後一人で怒り悲しんでいたのです。

もちろん似ている部分もあると思います。

EDMやヒップホップ、邦楽、メタル、パンク、UKロック、など、様々なジャンルに対して同じに聞こえると言う評論家気取りの人は残念ながら一定数います。
そもそも同じジャンルに括られる曲であれば、同じバイブスを感じる曲はあると思います。でもそのジャンルが好きな人は曲それぞれの違いを感じ取り、ジャンルの中の幅広さを感じ取って愛しているわけです。(逆に愛がなければ全部同じように聞こえてしまうでしょう。そもそも"知らない"のですから。)
その違いに気が付けないのであれば黙っていれば良いのであって、わざわざ「〜と言うジャンルは同じに聞こえる曲ばかりだけど、、、」とドヤ顔でディスる必要はないのです。

そうは書いても「でもやっぱり同じ様な曲ばかりでしょ?」と言う人もいると思います。そのような方にも魅力や違いをわかってもらうためにこのノートを始めました。

前置きが非常に長くなってしまいましたが、そんな訳で記念すべき1曲目の紹介を始めます。

The Grouch / Green Day [和訳]

I was a young boy that had big plans
俺はでっかい夢がある若者だったのに
Now I'm just another shitty old man
今じゃどこにでもいる様なクソジジイだ

I don't have fun, and I hate everything
何にも楽しくないし、全てが憎い
The world owes me, so fuck you
世界は何か俺にするべきだ、ファッキュー

Glory days don't mean shit to me
栄光の日々なんてクソほど意味が無い
I drank a six-pack of apathy
俺は6パックの無気力を飲んだ
Life's a bitch, and so am I
人生は最低だ、って事は俺もだな
The world owes me, so fuck you
世界は俺に貸しがあるだろ、クソ野郎

[Chorus]
Wasted youth, and a fistful of ideals
若さと拳いっぱいの可能性を無駄にした
I had a young and optimistic point of view
楽観的なガキだったのさ
Wasted youth, and a fistful of ideals
若さとたくさんの可能性を無駄にした
I had a young and optimistic point of view
楽観的なガキだった

[Verse 2]
I've decomposed, yet my gut's gettin' fat
俺はどんどん腐ってくのに、腹は出てきてやがる
Oh my God, I'm turnin' out like my dad
マジかよ、俺の親父に似てきたな。
I'm always rude, I've got a bad attitude
俺はいつも失礼で、悪い態度をとっていた
The world owes me, so fuck you
世界は俺に借りを返せよ、クソッタレ。

The wife's a nag, and the kid's fuckin' up
女房はやかましいし、ガキはクソみたいに育ってる
I don't have sex 'cause I can't get it up
全然ヤってもいない、俺のが勃たないからな
I'm just a grouch sittin' on the couch
俺はソファに座って不満を垂れているだけだ
The world owes me, so fuck you
世界は早く借りを返せ、クソ野郎

[Chorus]
Wasted youth, and a fistful of ideals
若さと拳いっぱいの可能性を無駄にした
I had a young and optimistic point of view
楽観的なガキだったのさ
Wasted youth, and a fistful of ideals
若さと多くの可能性を無駄にした
I had a young and optimistic point of view
楽観的なガキだった
('Til I grew up)
(大人になるまではな)

[Interlude]

[Verse 1]
I was a young boy that had big plans
俺はでっかい夢がある若者だったのに
Now I'm just another shitty old man
今じゃどこにでもいる様なクソジジイだ

I don't have fun, and I hate everything
何にも楽しくないし、全てが憎い
The world owes me, so fuck you
世界は何か俺にするべきだ、ファッキュー

Glory days don't mean shit to me
栄光の日々なんてクソほど意味が無い
I drank a six-pack of apathy
俺は6パックの無気力を飲んだ
Life's a bitch, and so am I
クソみたいな人生だ、俺自身のせいでな
The world owes me, so fuck you
世界は俺に貸しがあるだろ、クソ野郎
The world owes me, so fuck you
俺になんかしろよ、クソッタレ
The world owes me, so fuck you
世界は何か俺にするべきだ、ファッキュー

解説

I drank a six-pack of apathy
俺は6パックの無気力を飲んだ

この6パックというのはよくあるパック売りされているビールやコーラなどのことを表しているのでしょう。彼は昔はよくその様なものを飲んでいたのでしょうが、現在は無気力に飲んでいますね。"apathy"は無気力、無関心といった意味だそうです。

I'm just a grouch sittin' on the couch
俺はソファに座って不満を垂れているだけだ
"grouch"と言う単語を初めて知りましたが、不平、不満、不機嫌な人、気難しい人と言う意味があるそうです。

感想

これは不満を垂れ流している中年男性の心境を歌ったアップテンポな曲です。かなり退廃的な環境の様ですが明るい曲調のおかげか、そこまで悲観していなさそうなのがGreen Dayらしくて良いと思います。

それにしてもGreen Dayのボーカル/ギター担当で作詞作曲をしているビリージョーアームストロングの観察眼はすごいですね。
この曲が収録されたアルバム『ニムロッド』が発売されたのは1997年で、ビリージョーは当時まだ25歳でした。(信じられなくて3回くらい調べました)25歳でここまで退廃した中年の気持ちを歌えるのは驚きですし、中年の愚痴を1つの曲にしようとした事自体が面白いですね。天才的センスで若くして爆発的に売れたことにより、彼自身人生の栄光の日々を通り過ぎたような気分を味わっていたのでしょうか。それともパンクキッズや不良の未来はこんな感じになると周りを見て思ったのでしょうか。

真面目な人ほどポップパンクがおすすめ


いずれにしてもビリーのような天才がダメ人間に寄り添った曲を歌ってくれると、ダメダメな自分を肯定されている気になります。
「世界はクソだし自分自身もクソ」ですがそんなもんで良いのです。理不尽な事や納得いかない事に真面目な人ほど苦しむと思いますが、そんな時はポップパンクを聞いて少しでも楽観的になって酒でも飲めば良いのです。
"自分"や"人生"や"社会"が嫌になるタイミングはふとした時にやってきますがその時はこの曲を聞いてやり過ごそうと思います。

The world owes me, so fuck you
世界は俺に貸しがあるだろ、クソ野郎

この精神で図太く生きていきましょう。クソ貴社ファッキュー。

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