子育てエッセイ : 娘の父親は優等生よりも、ちょいダメ親父の方がいいと思う 娘が2人いるということは奥さんが3人いるということ

今から5〜6年前だと思うが、ちょい悪オヤジというのが流行った。
当時大学を卒業したばかりの長女にこう言われた。

「お父さん、ちょい悪オヤジなんて絶対やってはいけませんよ。あれはイタリア人だから似合うのであって、日本のおじさん達がやったら単なる笑い者ですからね!やんちゃジジイなんて洒落にもなりませんよ!実際に若い女の子たちは、日本のちょい悪オヤジを馬鹿にして笑っているんですからね。
いいですね!
因みに日本のおじさん達はナチュラルなのが1番だと思います。」

と、ちょい悪オヤジをダメ出しされた。
元々ちょい悪オヤジになるつもりはなかったので、
構わないのだが、ちょいダメ親父は、僕は娘の父親に勧めたい。

次女が高校1年生の時の初めての進路面談は奥さんの都合が悪かったので僕が出席した。
担任の女性の先生
「お父さん、娘さんは希望職種に漫画家と書いたんですよ。」
「そうですか、漫画家ですか。僕としては嬉しいですね。ワンピースのような大ベストセラーになっなら、一生印税で食べていけますからね。」
担当の女性の先生
「お父さん!娘さんの将来を真剣に考えてください!(怒)」

漫画家の何処がいけないと言うのだろう?
僕は尾田栄一郎さんや手塚治虫さんや諸星大二郎さんを尊敬している。
だが、世間一般では、娘に例えば公務員になってもらいたいとか、銀行に勤めて欲しいと言う父親が
誠実な父親、という考え方が今でもある。
僕は進路面談から帰ると次女に、
「漫画家になりたいんだって?頑張れ。」
と言うと次女は、
「お父さんは、そう言ってくれると思った。他の子たちのお父さんのように優等生じゃないから。悪口じゃないからね。」

僕は娘を持つお父さんから、会社でも同級生でも
何回か相談されたことがある。
娘と上手くいっていないお父さんというのは、
少し前にエッセイで書いたが、自分の奥さんを大切にしていないお父さんと、優等生のお父さんであることが多い。

娘というのは不思議なもので、父親が決めるところは決め、いざという時にきちんと問題を解決すれば
普段は少しくらい怠けていても何も言わない。

娘の父親が見落としがちなのは、男の子でも父親の前では緊張するということ。女の子ならば尚更緊張するということだ。

優等生のお父さんの何が問題か、と言うと。
お父さんが優等生だと娘が自分が思っていることを
正直に言えないこと。
将来の夢や目標を、こんなこと言ったらお父さんは
怒るだろう、と思うと正直に言えない。
これは僕は大問題だと思う。

お父さんが優等生だと、娘は父親と本音で話し合うことが出来ない。
だが、ちょいダメ親父だと何でも言えるのだ。

その代わり、ちょいダメ親父は娘によく怒られる。
お父さん、こんな所に洗濯物を置いておいてはダメでしょ!みたいにだ。
つまり、娘と言うよりも奥さんに近くなる。
僕は娘が2人いるので、奥さんが3人いるとも思っている。
この状態になると、恋愛以外のことは何でも本音トークになる。娘たちは何時でも自分の本音を父親である僕にぶつけて来た。
これで良かったと思っている。

自分が思っていることを正直に言えないのは、大人でもストレスの貯まること、子どもならもっとだ。
そしてこれが、父親と娘がギクシャクする1番の
原因になる。
娘は、お父さんは私のことを何も分かっていないと思い、父親は娘が何を考えているか分からないとなる。

確かに、ちょいダメ親父はカッコ悪い。
でも、ちょいダメ親父には娘たちは何でも言える。
何方が幸せでしょうか?

ちょいダメで笑われても家のなかだけ。
誰に気兼ねすることもない。
会社でしかめっ面をし、家に帰ってきても優等生でいたら父親も保たないと思う。

娘を持つお父さんたちへ、
ちょいダメ親父になって、自分の娘に怒られてみませんか?
自分の娘に怒られるのは悪い気はしませんよ。





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