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余すことなく鮭を頂く。サステナブルな村上のご当地料理 #16新潟県 のっぺ

みなさんは鮭を頭からヒレまで使った料理、何個ご存知ですか?

栄養士さんのアドバイス付きレシピとともに、
ご当地料理を楽しむ「お家で作る!ご当地の味★栄養士おすすめ料理」。
第16弾は、お祭りでは「ぽっぽ焼き」、お正月には「のっぺ」と響きの良い料理のたくさんある新潟県!

こんにちは。グリーンハウスnote編集部のいわちゃんです。
今回は、新潟県村上市出身の地元愛溢れる管理栄養士、稲葉 一誓さんに、「のっぺ」のレシピと鮭を余すところなく使う料理の数々、栄養情報についてお話を伺いました!

稲葉さん (2)

【プロフィール】稲葉 一誓(いなば いっせい)
入社して4年目になり、現在は浜松にある病院で管理栄養士として勤務しています。栄養士業務はもちろんですが調理業務にも力を入れており、栄養バランスが良いだけでなくおいしいご飯を提供できるよう頑張っています!

◆魚屋の息子さんの作る"のっぺ"

のっぺ料理写真

今回のっぺをご当地料理の中から選んだ理由を教えてください!

実は私の実家は魚屋で、よく軒先にいっぱい特産品の鮭がぶら下がっているのを見て育ってきました。しかし新潟には鮭以外にも「南蛮エビ」というとっても甘いえびやいかなど、おいしい海産物があり、どの料理を紹介するか悩んだのですが、、、小さい頃からよく食べていて好きな「のっぺ」を選びました!地元ではお正月やお祭りといった行事があるごとに出てきたり、おうちに来たお客様にふるまう料理として出しています。

―なじみ深い料理なんですね~。ちなみにどうして“のっぺ”というのですか?

“とろみのある”という意味の「ぬっぺい」が名前の由来と言われています。“のっぺい汁”という野菜を炒めて、汁物にする料理もいろんな地方で有名なご当地料理だと思いますが、この“のっぺ”は汁物でなく煮ものなんです。煮ものは温かいと思われがちですが、”のっぺ”は冷めてもおいしく、おせち料理の一品としても入っている親しみのある料理です。

◆"のっぺ" レシピ

のっぺレシピ

―調理ポイントを教えてください!

のっぺは根菜類や鮭が入っており、食材から出汁がでます!そのため調味料を少なめにして、食材の味を引き出して、素材の味を楽しむのがポイントです。また鮭が入っているのと、入っていないなのでは出汁の出方が全然違うため、ぜひ鮭を入れて作ってください!一度にたくさん作って次の日に持ち越しても、二日目はさらに味が染みておいしいですよ。またおばあちゃんが作るのっぺは、根菜類を煮すぎず、サクサクっとした食感が残っていて、歯ごたえがあってそれも好きです。今回のレシピでは下ゆでをしていますが、あえて下ゆでをせず直接、根菜類を煮汁にいれて煮込むのもいいですよ!

◆鮭を頭からヒレまで余すことなく使います!

―のっぺ以外にも鮭をつかったご当地料理ってあるんですか?

そうですね。私の地元である村上市では鮭を余すことがない!と言うくらい、いろんな部位を料理として使っています!

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鼻先の軟骨が氷の様に透き通っているということから、氷の頭と書いて“ひず“といい、”氷頭なます“という料理にします。軟骨を薄くスライスして、大根おろしと柚子と和えて、なますにするこの料理は、村上では総菜として魚屋さんでも売っていますよ!

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(写真:氷頭)

他にも「塩引き鮭」という郷土料理があります。鮭をまるまる一匹さばいて、ハラの内臓を取り出し、その身に塩を1、2㎏くらいすり込み水を抜きます。それを屋根などにつるし、1年間干して次の年に焼いたり、スライスしたりして食べます。イメージとしては鮭とばのようなものです。それを焼かずに生のまま薄くスライスして、日本酒をひたして食べる「酒びたし」という料理もあります。その料理をつまみに〆張鶴や大洋盛といった新潟の日本酒を飲んだりしますね。笑

しおびきさけ AC

(写真:塩引き鮭)
―日本酒に酒びたし…ぜひ試してみたいです!笑 ちなみにおすすめのおつまみなどありますか?

鮭の心臓を“どんびこ”といって、それを塩焼きにした「どんびこの塩焼き」も日本酒に合いますよ!村上には魚屋さんが多く、鮭のさまざまな部位を買うことができるのでいろんな料理の楽しみがあります。

◆食物繊維のバランスは大切です!

―のっぺの栄養ワンポイント情報を教えてください!

実は”のっぺ”、食物繊維のバランスがとれている料理なんです。食物繊維には不溶性、水溶性があり、それぞれ効能が異なります。根菜類に含まれる不溶性食物繊維は水分を吸収して便のカサを増やす効果があり、昆布に含まれる水溶性食物繊維は、糖の吸収を穏やかにし、血糖値を安定させたりするほか、便をやわらかくして便通をスムーズにする働きがあるんですよね。つまり、不溶性食物繊維ばかり食べると、便から水分が吸収され過ぎてしまい逆に便秘になってしまいますが、水溶性食物繊維も一緒に取ることでお通じが良くなるため、バランスをとることが大切です。

―最後に、この記事を読んでくださっている皆さまへ一言お願いします!

  私の地元の特産品でもある「鮭」を使った料理を紹介させていただきました!鮭は余すところなく食べられて、栄養満点の食材です!いつも捨てている部位があったり、興味をお持ちの方がいましたらぜひ、どんな料理ができるか調べて作ってみてはいかがでしょうか!

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鮭に含まれるアスタキサンチンの効果については、ぜひこちらをご覧ください!

不溶性・植物性食物繊維についてもっと知りたいと思った方!ぜひこちらをご覧ください!

次回はえびを使ったコクうまチャーハン!「えびめし」
お楽しみに~

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