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モラハラ野郎な“美しい彼”って話

以前の記事で、日本のBLドラマ『美しい彼』を観たよ~って話を書いたんですが、
このドラマ、シーズン2もやってたんですね。
で、丁度GWということもあって、シーズン2も視聴しました。
シーズン1も6話というコンパクトな構成でしたが、
シーズン2はさらに30分×4話ということで、
1日どころか、ほんのちょっとの暇で一気に観切れました。

実写版『美しい彼』の愉しみ方

で、シーズン2を観終わって、だんだんこのシリーズ
(タイトル全体ではなく、実写版の方)
について理解できてきたような気がします。
この作品(実写版)は、きっと
ツンデレな“八木勇征さん”の可愛さを愉しむためのものなんですね(笑)

原作小説は1巻までしか読んでませんが、
作品全体を通して、実写版よりも硬質というのか湿度が高いというのか、
とにかく実写版よりも、トーンがもう少し重ためな作品に感じられたので、
ドラマ初見時は、その抱いていたイメージとは若干違っていて、
「こんな感じなんだ!」となったんですが。

実写版の方は原作小説よりも、
もっとポップに軽いタッチで描かれてる感じなんですね。
まぁ、とにかく「八木勇征さんのツンデレっぷりを愉しむ作品」なんだと理解しました(笑)
(でもBL作品て、往々にしてそこが主要な魅力だったりしますよね。
 イケメンが、タジタジになるまでやり込められてる様を愛でる、みたいな(爆))


なんで傲慢なモラハラ野郎に惹かれるのか

ほんでもって、これは『美しい彼』の実写版を観ただけでは
思い至らなかった感想だと思うんですが、
自分は、この原作小説を読んで、
初めて“モラルハラスメント野郎”に惹かれる人間の思考が理解できました(爆)
(もちろん“清居くん”をモラハラ野郎として言ってます。
 なんなら何の非もない人間の脛蹴り上げるとか、
 モラハラ超えて傷害罪で交番突き出すぞって、個人的には思ってますけど)

何を隠そう、自分も割かしモラハラっぽい側面があると自覚してる身なんで、
その“モラハラ野郎”に惹かれる人の気持ちが、一切分かんなかったんですよね。
(自覚があるが故、きちんと自制しているので、
 そもそもモラハラすんじゃねぇという批判はさよなら)


まぁモラハラ被害で話題に上るのって、「男性⇒女性」なことが多いので、
これまでは単に、その超絶意思が固くて、強引すぎるところなんかが、
“男らしい”みたいな風に見えてるのかなぁと、
それゆえ惹かれる女性がいるのかなぁと思ってたんですが。

“平良くん”側の目線で小説を読んでいて理解したのは、
モラハラーに惹かれる要因の一つとして、“大きな憧れの気持ち”があるということ。
これは本当に目ウロコでした。
絶対に軸がブレない(良くいえばね、要するに絶対自分正義マン(爆))とか、
人からどう思われようが構わない(要するに過剰に尊大、傍若無人(爆))とか、
そういうのに対する“憧れ”も、
モラハラーへの好意を構成する要素のひとつになってるんだぁと、マジで初めて理解できました。

対極的な人からすると、そういうのが素敵に見えたりするもんなんですね。
いい年の大人になれば、人に合わせられる、
ある程度は外面をきちんと意識できる人の方が、よほど素敵なように思いますが(笑)

でも“清居くん”もMかも

で、まぁ先にも言ったように、
自分自身は割かし“清居くん”、モラハラー側の人間なんで、
清居くんの、主に“相手を意のままにコントロールしようとする行動、思考”なんかに
既視感を覚えて、「うわぁ~……」ってなったりしてたんですが(笑)
なんで、清居くん側の人間からすると、
「うんうん、Mっ気のある人から好かれるよね~」とは思うんですが。

でもじっくり読んでくと、清居くんもなかなかのMですよね(笑)
SはMにもなれるってヤツですか。
だって、割と真性Sかなぁと思っている自分からすると、
Mっ気のある人って、好かれはしても、あんま好きじゃないというか(爆)
だってMなんで、
いじめても(暴力とかそんな酷いヤツじゃないですよ)喜んじゃうわけじゃないですか(笑)
いや、そこは嫌がれよみたいな。
嫌がってこそ愉しいんじゃないっていう……(爆)


まぁ、あと清居くんとの違いというか、
現実ではこうはならんよなぁと思ったのは、
“どうでもいいパシリ”から“好きで好きで堪らない人”に昇格する可能性は、
限りなく0に等しいよなと……。

「恋人にする気は0だけど、いつまでも言うこと聞いとけよ」っていう、
喜び組的ポジションに据え置かれてるってパターンは、まぁあるでしょうけどね。
そもそもパシッたりどうのって、
そこまで雑に扱える人間を“好き”にはなんないよねっていう。

というか個人的には、若干潔癖なのもアリ、
パシリにしてもいいやと、そこまで雑に扱える人間の買ってきたパンなんざ、
口にするのはおろか、触りたくもないですね(爆)


まぁ、そこはフィクションなんで、
「こんな展開ありえない!」て言いたいとかでは全然ないです。
フツーにとても好きな小説作品です。

とにかく、モラハラーに惹かれちゃうのは、
憧れ的な気持ちもあるのか~と、初めて理解したよって、そういう話でした。

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