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まいにち刻句勉励【俳句日記】

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編集、書籍ライターとして、他人様に成り代わって文章を編み書き綴ってきた、言葉稼業のコーネンキ片親母さんKが、自己表現リハビリの一歩としてはじめた俳句日記。切り取っておきたい日常の…
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2021年1月の記事一覧

勝っても負けても

勝っても負けても

負け試合 鍋を囲んで反省会

冬晴れの日曜日、次男がテニスの草トーナメントに参戦。撮影係として東京の東端のテニスコートへ母さんも同行した。

「今日は風もなく穏やかな一日」と天気予報は言っていたけれど、海に近いせいか風が強い。
カモメらしき白い鳥がときおり頭上を横切り、そのはるか上空、光る機体が青空をバックに流れてゆく。

初戦敗退。
決勝戦(といっても2回戦)まで見て帰る。

帰りに地元のスーパ

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公園でいろいろ充電

公園でいろいろ充電

枯芝に打ち上げられたるトドのごと

キンと冴えた空気、陽射しの暖かな冬晴れの午後、いつもの近所の図書館ではなく区の中央図書館まで散歩がてら出かけた。
お目当ての地元の大きな神宮を突っ切っていく。
天皇崩御に際して、全国各地から奉納された木々が植樹され、他に類を見ない緑(の種類も実に)豊かなサンクチュアリである。

産休育休中はベビーカーで、保育園の日々の散歩に、運動会は芝生の広場でと、家族ともども

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思い出のスイッチ

思い出のスイッチ

時を超えあらわるシーン 冬の名画座

名画座の年間パスポートをひょんなことから手に入れたので、昨年から銀幕通いが習慣になった。2週間ごとに2本ずつ公開されるので、平均して週1で映画館がセレクトする作品を鑑賞している。

今日の映画は、「卒業前夜のパーティーデビュー」という副題のついたアメリカ映画。
主人公の女子二人とは、性格も国も(もちろん年代も)違う。
それでも、学校というある意味特殊な集団の中

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いつでも心があったかくなるよ

いつでも心があったかくなるよ

髪切りて うなじ粟立つ 初雪の舞

渋谷に初雪が降った。

次男との連絡ライン中、「でも雪だね」の打ち込みで窓の外を見ると、おお、雨にまじって大きな牡丹雪。

夕方、予約を入れていた地元の美容院へ。
防水のブーツをはき手袋をして出かける。

「飲食も大変だろうけど、こっちは何も(補償が)ないからねぇ」

長らくお世話になってる同年代の店長はそうぼやきながら、ずいずい景気よく切っていくので、少し心配

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息子と料理談議

息子と料理談議

はふはふと大根ほおばる子ら おかず

先日の半島巡りの際、母さんの太ももくらい立派な三浦大根を仕入れたので、鶏手羽もとと一緒に圧力鍋で炊いてみた。

「今日は春寒鍋?」
「もしかしておでん?」

玄関をあけた息子たちが口々に問う。
惜しい。
でも、大根のいい匂いはわかるのね。

ちょっと遅い夕食、いただきますっと言って、まず大根を頬張る長男は、肉好き要素はもちろん濃いものの、野菜も愛し、目下、料理

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遊びをせんとや生まれけむ

遊びをせんとや生まれけむ

雑用に暮れし短日 三線の夕

家の用事、家族の用事で過ぎた一日。
ことをすませ、無事に日が暮れるありがたさは、かけがえのないものなのだけど、

もうすぐ一日が終わってしまうー

と、じりじりしている自分がいる。
そういうときは、三線の竿を握ると、
それだけで、むだに波打つ心をいなしてくれる。

新しい唄を選んで、工工四(三線の譜面)で音を一つ一つ拾っていく三昧。
あなたのし。

老いては子に従う、の練習

老いては子に従う、の練習

青あざを冷やしくれる子 冬温し

自転車で転倒、ひざ小僧を擦りむいた(小学生か) 。

テニススクールの駐輪場でのこと。
応急手当をしてもらい、心配されながらもレッスンを受け、帰って絆創膏をはがしたら、皮がベロンとはがれ、かつ見事な内出血で腫れあがっていた。

ひー。
痛いよー。

さっきまで走って球を打ってたくせに、急に弱気になる。

「内出血、応急処置でググって」
と次男に命じると、
「母ちゃ

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君と見に行く海

君と見に行く海

北風に乗りて天までとびあがる

小雨降るなか、冬の海を見に行く。
海風が強くて5分といられず車まで駆け戻るヘタレな50代。

そんな私たちを空から見下ろす鳶たち。

あの強く寒く吹きつける風さえも利用して、
どこまでも高く高くあがって、
広い空を悠々と風に乗り、
世界を見わたす。

いいね。
いいね。

黙食(もくしょく):  味わうことに没頭すること

黙食(もくしょく): 味わうことに没頭すること

雪も禍も 振りはらい行く ラーメン道

この週末は東京にも雪予報が出ていた。巣ごもりするには絶好の日和だ。
なのに、麺に憑りつかれた我が家の大学生(長男)は店に行くため外に出るという。
雪もあるけど、コロナもね、というと、一人で行くし、喋らないし、気をつけるからと。

「俺、週に1度はラーメン食べないと死ぬから」

いや死なないし。
結局、土曜授業のある高校生(次男)も帰り道に寄るというので、昼食

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家族のときもあったね

家族のときもあったね

ロブの先 番いの烏 冬青空

こんな折なので家族でテニスをする機会が増えた。
サークルや部活が休止し、友人と集うのがはばかられる今、近所でコートが取れると、大学生と高校生の息子が人数合わせの意味もあって、母さんも入れてラリーをしてくれる。

中学の半ばまでは、ゲームをしても男子のテニスにありがちな「打ち急いて勝手にミス」で自滅、母さんの勝利、となることも多かったけれど、それも懐かしい。

兄弟の試

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人の世と、花の世界と

人の世と、花の世界と

真昼間のゴールデン街 冬椿

新宿駅で降りて目的地へ向かう途中、ゴールデン街を横目に見ながら「四季の路」を過ぎる。

緊急事態宣言下のいま、かつては明るいうちからたむろしていた観光客は、もちろんいない。私のようにどこかに行く途中、近道として通る人たちが足早に過ぎるだけ。

昼の新宿、歓楽街の裏小路。
会社員時代からよく通った道、親しい空気。
ああ、私の青春(会社員)時代。

と来し方を振り返り懐か

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一日一句、ことはじめ。あるいは、「自分の想い」を表現するリハビリ

一日一句、ことはじめ。あるいは、「自分の想い」を表現するリハビリ

腹の音の嬉しき五十 大寒の朝

年末から、やろうやろうと思ってかれこれひと月以上、いやいや、本当言えばもっと前から取り掛かりたいと思っているのに、なかなか“ソノコト”の一歩が踏み出せない今日この頃。

日々、目が覚めて、布団のなかで、
「さあ、まだ午前中。アレをしてコレをすれば……おお、今日こそはじめられそうだ」
と、“新しい自分☆”の誕生にワクワクしているのが、起き上がって、ソレやらドレやらを片

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