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【連載小説】CANCER QUEEN

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がん細胞のクイーンが、がん患者のキングに恋をしてしまい、なんとか彼の命を助けようと奮闘するSFファンタジー小説
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#手術

With  Cancer  をどう生きるか

With Cancer をどう生きるか

新型コロナウイルスによるパンデミックは、世界中に混乱と恐怖をもたらしましたが、この3年の間に、人類はパンデミックを乗り越え、コロナとともに生きる「ウィズコロナ」の時代へと新たな挑戦を始めています。

一方、がんは依然として人類にとって最大の脅威の病であり続けています。
いまや日本人の二人に一人が罹るというがんは、すでにいやが応にも私たちに ウィズがん(with cancer )の人生を強いている

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CANCER  QUEEN  ステージⅠ 第6話「運命」

CANCER QUEEN ステージⅠ 第6話「運命」


以前から、キングは人前で平然とタバコを吸っている人を見かけると不機嫌になっていたけど、肺がんと告知されてからは、それがいっそうあからさまになった。タバコを吸わない自分が肺がんになったのは、受動喫煙が原因に違いないと思っているの。

そう決めつける根拠は何もないのだけれど、そうとでも思わないと、肺がんになったことの理不尽さや悔しさをどこにも持っていきようがなかったのね。

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CANCER  QUEEN ステージⅠ 第8話「手術の前に」

CANCER QUEEN ステージⅠ 第8話「手術の前に」

いつも明るい奥さまだけれど、ほんとうは実家のお父さまの介護でたいへんなの。

お父さまは90歳を超えてもお元気で、毎日、カラオケ喫茶に通っては自慢の喉を披露していたけれど、最近は認知症が進んで、自分でできないことが多くなったせいか、ひどく怒りっぽくなった。
普段は優しいおじいさまなのに、症状が出ると途端に、とても怖い顔で怒鳴り散らすの。奥さまは毎日お父さまのお世話をしながら、

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CANCER  QUEEN  ステージⅠ 第9話 「ドクター・ジャック」

CANCER QUEEN ステージⅠ 第9話 「ドクター・ジャック」




12月16日、予定通り入院。10日間の入院ともなると、いつも通勤で背負っているリュックサックだけでは足りずに、キングはもう一つ大きめの旅行バッグも提げていくことにした。

 病室は今度もまた窓側だった。窓からはラッキーなことに、ランドマークタワーや観覧車まで、横浜の街が一望できる。
これで個室だったら、高級ホテルのVIPルーム並み。4人部屋なのが残念。でも贅沢は

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CANCER  QUEEN  ステージⅠ 第10話「手術」

CANCER QUEEN ステージⅠ 第10話「手術」



 手術は明日だけれど、土日は診察も検査もないので、キングは静かな病室でのんびりと過ごしている。窓の外を眺めたり、読書をしたり、音楽を聴いたりと、いつもの休日以上にリラックスした様子。唯一、バイオリンを弾けないことだけが心残りみたい。下手でも弾いていると、いやなことを忘れるから。
はたから見ると、この人が生死を分ける手術を目前に控えたがん患者だとは、だれも思わないでしょう。

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CANCER  QUEENステージⅡ  第1話  「復活」

CANCER QUEENステージⅡ 第1話 「復活」

 



夢を見ていた。わたしはたった一つの、ほんの小さな細胞だった。真ん中に大きな目のような核があって、それがきょろきょろと周りを見回している。キングの肺の中で、わたしというがんの赤ちゃん細胞が誕生した瞬間だ。人間の赤ちゃんもこんなふうに生まれてくるのかしら。 わたしの細胞はしばらくじっとしていたあと、突然、分裂を始めたと思ったら、見る見るうちに膨らんで、あっというまに

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