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「裸の王様」

保育園の発表会。

私が通っていた保育園では、各学年で「楽器演奏」「演劇」「ダンス」の3グループに分かれてそれぞれ発表をした。

グループの振り分けは立候補ではなく、先生による振り分けだった。


保育園最後の年、私は演劇グループに選ばれた。

演劇の内容は 「裸の王様」 私が演じたのは二人の仕立て屋(詐欺師)のうちの一人だった。

演劇グループの子だけは、お昼寝の時間にみんなより先に起こされて、セリフの練習をした。

当時私はお昼寝が苦手(眠れなかった)だったので、この練習は嬉しかった。
お昼寝をしない大義名分が出来たぞ!そんな気分だった。

発表会当日、ステージの上に立ったときのことは今でも覚えている。

年長さんの演劇は発表会の大トリだった。
緊張と、照明の眩しさで目がチカチカした。
目の前にはたくさんの父兄と発表を終えた園児と先生たち。
自分の両親がどこにいるのか探す余裕はなかった。


とにかく緊張していた。
案の定、劇の序盤でセリフを間違えてしまう。
とっても恥ずかしかったけれど、このミスのおかげで変な緊張が解けた。

私はいつもこうだ。
後に、高校の入学式で新入生代表を務めるが、そこでも大緊張しミスをする。
ナイーブすぎて自分が嫌になる。

ここぞって時に失敗してしまう人生なのだ。


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