たのたの

14歳のプラダーウィリー症候群の息子をもつ母親です。息子との関わりのなかで今思うこと、…

たのたの

14歳のプラダーウィリー症候群の息子をもつ母親です。息子との関わりのなかで今思うこと、感じることをできるだけ素直につづりたいと思います。また、これまでのことも振り返りながら、これから先の息子の生活を考えていきます。

最近の記事

栄養指導と体重コントロール

プラダーウィリー症候群の症状で、ずっと悩ましいのが食べることだ。 息子は生まれてから約1年、鼻から胃にチューブを入れての経管栄養をしていた。 生後6カ月が過ぎてから、少しずつ口から食べられるようになり、1歳になる少し前に、チューブを外すことができた。 当時、役所の人から保育園の入園は経管栄養している間は難しい、と言われたことを思い出す。 経管栄養を経験して口から食べられるようになった喜びも、つかの間だった。 その後は、筋肉が少なく太りやすい体質にもかかわらず、無限の食欲が

    • 2回めの部分自力通学がはじまる

      先週、夫が入院してバタバタしていたので、noteを書けなかった。 というのは言い訳で、書くことをサボっていました。 すみません。 こうしてわが身を振り返ると、息子に「ちゃんとやりなさい」と言いづらくなってしまう私……。 今日から、息子の部分自力通学(保護者はついて行かずに、本人だけで自宅からバス停まで行くこと)が認められ、私は家でGPSとにらめっこが始まった。 バス停までは歩いて5分ほど、信号を渡ることもない。 それでも学校に許可してもらうのは、ハードルが高かった。 なぜな

      • 顔があたらしくなる

        「最近は学校では自分で考えて行動してよく頑張っているんで、話すことがないんですよ」 から始まった息子の個人懇談。 えー、話すことがないって、笑。 30分ある懇談時間、どうしましょうかね、、、 「そんなわけで、家庭で困っていることとか、何かありますか?」 今日は私のグチでも聞こうと先生は気遣ってくれたのか、いきなり私が話す順番になった。 これまでの個人懇談で、なかったことだ。 先生からの話が9割で、最後に「何かありますか?」とは違って新鮮だった。 そうだ、忘れないうちに言わ

        • ショージキにいう

          前日にウソをついていたことが判明して「ごめんね、ごめんね」を連発していた息子は、その翌日帰宅すると晴れ晴れしい顔で 「みんなにお話しできて、うれしかったわー」 と言った。 「今日はちゃんと先生に写真を見せたの?」 と聞くと、Y先生だけでなく、担任の先生全員(3人)に見せたんだと。 そして同級生の友だちにも……(笑) 連絡帳には、先生から「今日は写真を見せてくれました。とてもいい顔でいろいろ話を聞かせてくれました。…………最後は自分から友達にも『見て見て』と見せていました。み

        栄養指導と体重コントロール

          ウソをつく

          いつもそうだ。 こんなふうに、信じることがバカらしくなる。 息子のことを思って、良くなるようにと考えてきたことを覆されるから。 いとも簡単に。 息子はウソをつく。 本人はウソをついているという自覚がない(のだと思う)。 悪いことだとか、そんなことを思うこともなく、自然に口から出るのだと思う。 だから本意なのか、ウソなのか、わからない。 写真を学校へ持っていった日(火曜日)は、先生に写真を見せて話したのだと私は思い込んでいた。 夜に連絡帳を読むまでは。 なんと連絡帳にY先生

          ウソをつく

          思い出を話す

          月曜日の夜、デイの車で送ってもらった息子が泣きながらNさんに言った。 「水曜日(次にデイへ行く日)は言うから。ごめんね。ごめんね…」 Nさんは「じゃ、また水曜日に教えてね」と軽く言って、帰って行った。 泣いた原因は、Nさんに「日曜日は何してたの?」と聞かれて答えられなかったから。 前日の日曜日、息子は移動支援でヘルパーさんと一緒に総合運動公園へコスモスを見に行った。 そのことをNさんに話せなかったのだ。 息子は自分から質問はするのに、逆に質問をされると答えられないことが多い

          思い出を話す

          自分と異なる考えを受け入れるために

          多様な考えや価値観をもつ人を理解したい。 頭ではそうありたいと思っている。 でも、自分と考えが異なるとき、受け入れるのが急に難しくなる。 不思議なくらいに。 自分の考えが正しくて、他の意見や考えは間違っているかのように感じてしまうから、おそろしい。 それでも、本や新聞などの文章で読むときは俯瞰しているからか、そういう考え方もあるんだと冷静に思えるのに。 私は自分の考えにとらわれて、周りがみえなくなりやすい。 特に息子に対して夫と異なる考えを持つときが、そうだ。 夫は息子に対

          自分と異なる考えを受け入れるために

          みんなで育てる

          「それ、反抗期じゃないですかね?」 ここ最近の息子の反乱について話したとき、ある人にそう言われた。 「うちもそういうとき、あったから」とも。 その言葉が腑に落ちた。 そう、今回はパニックというよりも反抗だった。 やっと反抗期ウィークともいうべき1週間が終わった。 いや、終わったといってよいかどうかはビミョーだけれど。 それでも2日続けて学校から返品連絡がきて早退し、その翌日からは少し大人の階段を上ったのか(下ったのか)反抗が少なくなった。 連続早退2日め(水曜日)は、帰宅

          みんなで育てる

          3番手

          「僕は3番手なんですよ」 電話口で担任の先生が言う。 そういえば連絡帳にも「私はクラスでは3番手なので……」と書いてあったことを思い出す。 「先生、3番手とはどういう意味でしょうか?」 と尋ねると、 「3人いる担任の中で、彼の好きな先生の順位が3番めという意味です」 クラスの担任の先生は3人で、女性2人と男性が1人。 今年、息子を主に担当しているのは、男性のY先生だ。 息子が今までに通った療育園と保育園、小学校そして今通っている支援学校で接した先生は、女性が多かった。 そう

          早退

          ここ1週間ほど、息子の体調が悪い。 インフルエンザとコロナの抗原検査、PCR検査にはひっかからず、診断は風邪。 鼻水と咳がなかなか治らない。 昨日、月曜日も学校を休んだ。 今週1週間は、通常とは違う職業体験ウィークだ。 本人も以前から楽しみにしていたのに。 今日こそは、学校へ行ってほしい(私は息子と離れる時間がほしい)と思う。 今朝は熱はなく、咳と鼻水は昨日よりはマシなよう。 そして本人が行くと言うので、弁当とともに息子を送り出す。 夫は「今日は返品あるかもなー」と不穏なこ

          やさしさとは

          たしか小2の個人懇談のときだった。 (息子は小4の3月まで、地域の小学校に通っていた) 担任の先生が、息子と同級生のAちゃんが口論していた、と教えてくれた。 そして 「とても素敵な関係だなーと思って、見守ってしまいました」 給食の時間のこと。 エプロンを着てマスクをつけるときに、息子が同級生に「マスクつけて」とマスクを耳にかけるのを手伝ってほしいとお願いしたそうだ。 するとそれを聞いていたAちゃんが 「Kくん(息子のこと)、自分でできることは自分でやって」 と言った。 息子

          やさしさとは

          プールに入る

          コロナ禍で3年間、水泳の授業がなくなっていた。 今年、4年ぶりに学校で水泳の授業があった。 3回だけ、だけど。 息子は水に入ることが大好きだ。 幼いころから小4の夏まえまで、スイミングスクールに通っていたことも影響しているのかもしれない。 1回目のプールの日、いつもは学校の様子など聞いてもほとんど話さない息子が、帰宅すると「プール、はいった!たのしかった」と興奮しながら何度も話してくれた。 そして2回目。 なんと、夏休み中に予定していた側弯症手術の貯血のために病院に行かな

          プールに入る

          キャンプの思い出

          息子は支援学校中学部の2年生。 学校行事の一つ、キャンプが6月にあった。 市内にあるキャンプ施設で1泊2日。 翌週、学校でその思い出を振り返ったときのこと。 キャンプの思い出ランキング(息子の場合) 1位 おひるごはん 2位 よるごはん 3位 あさごはん キャンプの食事は自分たちで作ることが一般的だが、息子の学校のキャンプは、食事は全て施設の人が作ったものを提供されるスタイルだった。 だから作ることではなく、単純に「食事が楽しかった」ということ。 プラダーウィリー症候群で

          キャンプの思い出

          成長ホルモン注射

          プラダーウィリー症候群の治療である成長ホルモン注射(成長ホルモン補充療法)。 息子は2013年11月から始めて、今年で10年になる。 (いつから始めたかを覚えていなかったので、保育園のときの連絡帳を読み返してみたら、ちゃんと書いてあった!) 成長ホルモンの分泌が少ないため、毎晩寝る前に、私が息子のお尻に成長ホルモン注射を打っている。 この治療は15歳の年度末までなので(息子の場合)、あと1年半。 今は1回の打つ注射量は0.9mg。 昨年、1.05mgから0.9mgに減量した

          成長ホルモン注射

          嵐のあと

          昨夜の嵐が過ぎ去ったあとの、翌日の朝。 台風一過というように、朝から空は晴れ渡っていた。 すごい。 テレビでは「今日は絶好の洗濯日和なので、洗濯をがんばりましょう」のようなことを言っている。 昨夜、頓服の薬(ヒルナミン)を飲んだ息子はまだ起きてこないので、ベッドへ行ってみると、布団には世界地図が描かれていた。 1年以上かけて夜尿症を治したはずなのに…… 悲しくなるけど、これが現実。 息子を起こして、シャワーを浴びさせる。 そして浴槽にお湯をためてシーツやタオルケットなど濡れ

          嵐の夜に

          「明日病院へ行こう、明日病院へ行こう、明日病院へ行きたい、明日病院へ行きたい…………」 と言いながら泣き続ける息子。 私の腕をつかんで、「明日病院へ行こう、病院へ行こう」と言い続ける。 「明日病院へ行くから早く寝なさい」「今すぐに寝たら、病院へいくよ」と返事をしても、まったく状況は変わらない。 明日はこども病院の定期受診日なのだが、そのことで泣いているわけでもなく、いわゆるパニック状態になり、自分でコントロールがきかなくなっているのだ。 言葉が言葉として伝わらない。 発する