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3番手

「僕は3番手なんですよ」
電話口で担任の先生が言う。
そういえば連絡帳にも「私はクラスでは3番手なので……」と書いてあったことを思い出す。
「先生、3番手とはどういう意味でしょうか?」
と尋ねると、
「3人いる担任の中で、彼の好きな先生の順位が3番めという意味です」

クラスの担任の先生は3人で、女性2人と男性が1人。
今年、息子を主に担当しているのは、男性のY先生だ。
息子が今までに通った療育園と保育園、小学校そして今通っている支援学校で接した先生は、女性が多かった。
そういったこともあってか、息子は女性の先生に話しかけることが多い。
そういえば、保育園時代は迎えに来る友達のお母さんに「髪切った?かわいい」などと話しかけていたな。
当時、他のお母さんに「Kくんが〝かわいい”って言ってくれるからうれしいの」と初めて教えてもらったときは、心底驚いた。
私にはそんなこと言ったことがないし、うちでそんな話をしたこともなかったのに……おそるべし保育園(教えなくてもコミュニケーション力UP!)
今もときどき、息子は大人の女性との会話で、「きれい」とか「かわいい」と本人に言っているようだが、悪い言葉ではないので大目にみている。
(他の保護者が教えてくれる、笑)
男性が苦手というわけではないだろうけど、たしかに、男性に対して「かっこいい」とか褒め言葉を使っているところは見たことがない。


今朝も息子は機嫌が悪く、荒れていた。
今日は職業体験の中でも1番楽しみにしていた車両基地に行く日だ。
休ませるかどうか迷ったけれど、今日を逃してしまったら車両基地へ行く機会はないかもしれない。
そして本人も「行く」と言った。
でも登校バスに乗ってからも、座席になかなか座らず添乗員さんを困らせていた。
それを見ていた私が添乗員さんに「連れて帰りましょうか?」と聞くと、「大丈夫ですよ」と笑顔で返され、息子を座らせてくれた。

その後1時間くらいして、学校から電話があった。
「やっぱり荒れてますかね? 迎えに行った方がよいですか?」
と私が尋ねると、
担任のY先生は
「いえ、今の状況をお伝えしようと思いまして。実はまだ乗ってきたバスから降りずにいます。ちょうどその乗っているバスで車両基地へ行くので、そのまま行きます。むこうへ着いてから彼が降りるかどうかはわからないですが。それでお弁当まではなんとかいけると思うのですが、午後はまた昨日と同じ清掃活動になるので昨日と同じような状況なら、お迎えをお願いしてもよいでしょうか? でも、もしも気持ちを切り替えて活動ができるようでしたら、連絡はしませんので」と。
さらに付け加えて、
「お母さんもお疲れだと思いますので、どうか無理はなさらないでください」

Y先生、すごいですね。
私が病んでいることをわかっていらっしゃるなんて(苦笑)
さすがに精神的に参ってきていて、すぐに迎えに行くのはシンドイなーと思っていたので。
助かります。

いつか、こんな日があったと懐かしく思い出せる日が来るだろうか。
その日が来ることを信じて、今書いている。
そのために、こんな日があったと記しておこうと思う。

Y先生、冒頭の3番手のお話ですが、息子にクラスで1番好きな先生について、聞いてみたんです(体調不良になる前に)。
息子の1番は、Y先生だそうです。
こうして息子にちゃんと向き合ってくださるからだと思います。
本人は今も反抗ばかりしているかもしれないけれど、本当は反抗したいわけでもない気もするのです。
体力と気力をかなり消耗する毎日ですが、引き続きよろしくお願いします!


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