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藤原道長の死に様〜どんな権力者であっても、どうにも出来ない"アレ"〜

 前書きにも書かせてもらったことでありますが、人の死というのは悲しいものです。しかし、それと同時にもう一つ重要な性質があります。それは、

「人は、死を恐れている」

ということです。

 ほぼすべての人間は、死を恐れているというのが持論です。なぜなら、死ぬ覚悟が出来てないからです。

 「死ぬのは怖くない?」とインタビュアーに聞かれて、「”死”なんて、怖くないよ」と言う勇ましいおばあちゃんも、心のどこかで怖いと思っているはずです。
 可能であれば、インタビュアーは、次に「じゃあ、今ここで死ねますか?」と言ってほしいです。おそらく、尻尾を巻いて逃げ出すに違いない。

 ドラゴンボールシリーズのフリーザ様もまた然りです。彼は、ドラゴンボールという、願いがなんでも叶う不思議な玉で、不老不死の願いを叶えようと試みたのです。




 いつ来るか分からないけど、必ず来る死を恐れた人物は沢山いますが、今回はその中で、藤原道長を紹介しようと思います。

 藤原道長って、誰だっけ?と思う人も沢山いると思うので、中学生の頃に聞いたであろう説明の仕方で言うと、

「摂関政治によって、一番権力を得た藤原氏の貴族」

という事になります。もう少しだけ掘り下げると、摂関政治とは、簡単に言えば、

「自分の娘を天皇の后(=天皇の奥さん)にして、生まれてきた子供(=次期天皇)のお祖父ちゃん(=外祖父)として、摂政(=幼い天皇などの代わりに政治を行う役職)や関白(=成人となった天皇の補佐をする役職)に就いて、実権を握る政治体制」

のことです。ほんの少しでも思い出してくれれば、幸いです。



 それから、藤原道長が生きた時代には、藤原氏と肩を並べるほどの有力貴族は存在しなかったことも知っておいて欲しいです。「貴族と言えば、藤原氏」、そんな状況であったということです。

 そうすると、さらなる権力を求めれば、今度、藤原氏内部で権力争いが発生することが予想できます。さらに、藤原氏以上の貴族がいない以上、さらなる権力の拠り所を求めれば、それは天皇だけになるわけです。

 そんな状況下で、藤原道長は容易に摂関政治の全盛期を継続できたと思いますか?

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