人は誰もが、魂に煽られて行動し、生きている。そんな人生観、人間模様がここに展開されていく。
20代前半に引きこもった青年が、立ち直っていく過程で経験する仕事、出会いの数々。人間…
- 運営しているクリエイター
#お仕事小説部門
魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー あらすじ
大学卒業後、自分探しの道中で、内定を貰っていた商社に就職せずに、オートバイレースに没入していった晃司。
飛び込み営業での出会い、経験、巡り合った女性との恋愛、失恋。
導かれる様に出会った特別養護老人ホームでの介護、入居者や職員との心の交流、認知症、人間性の豊かさ、様々な知恵に触れて、次第に大切な物に目覚めていく。
しかし、心の傷を負った晃司は、ある日を境に引きこもってしまう、、、
そ
魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー2 コウノトリ
前へ 次へ
発注が次々と舞い込んでくる。
その日、武田晃司は残業せずに作業着と作業靴のまま三菱の赤いミラージュに乗って自宅アパートへ向かった。
片道30分程かかる山道を走行中、人気のない場所に車を停めた。そして、座席に座ったまま目を閉じた。20分も経たずに、自分の本当の居場所に戻ったように感じられ、生気を取り戻す。
晃司にとって、結婚して以来、この山中の誰もいない場所は、職場から避難す
魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー1 洗浄作業
次へ
シュャーーッ シュァーーーーッ
晃司はブラスト機に向かい、黙々と付着物のこびり着いたウェハー表面にノズルを向け続けている。
ノズルから勢いよく出続けるサンドの番数は中粒で、少し細かい200番だ。半導体の製造過程でウェハー表面に付着する汚染物質はかなり強度が高く、中々除去できない。見やすい位置に置いた腕時計を横目で睨んでいたが、次第にイラつき出した晃司は、主任の目を盗んで120番のサン