人は誰もが、魂に煽られて行動し、生きている。そんな人生観、人間模様がここに展開されていく。
20代前半に引きこもった青年が、立ち直っていく過程で経験する仕事、出会いの数々。人間…
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#オリジナル小説
魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー4 ロードレース
1992年6月26日 鈴鹿サンデーロードレース
パァァァァァァァーン!カァァァァァァァーン!ブォォォォォォーン!グォーーーーー!
鈴鹿サーキット南コースのストレートをロードレーサーRS 125ccが次々と駆け抜けていく。
晃司もその中に居た。
カァァァァァァァーン!、、 ストレートは伸びている。
グォーーーーー!、、 コーナリングはマシンを上手く曲げられず遅い。
ブォォォォォォーン!
魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー3 陽炎の向こう側へ
陽炎の向こう側へ
株式会社エオスの作業場は、小高い丘上にある工業団地の一角にある。
作業場の裏は、約6万人規模の湖南市全体が眺望できる西南向きの場所だ。
晃司は、ブラスト処理を早く済まして時間を作り、作業場の裏でこの街を眺めていた。
生い茂るコナラの向こうには、古い住宅街に隣接して新しく造成された住宅街が広がり、官庁街あたりに5階建位のビル街、大型スーパーマーケットの巨大な屋根、線を引い
魂に煽られる人たち〜心を揺さぶる人生のストーリー2 コウノトリ
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発注が次々と舞い込んでくる。
その日、武田晃司は残業せずに作業着と作業靴のまま三菱の赤いミラージュに乗って自宅アパートへ向かった。
片道30分程かかる山道を走行中、人気のない場所に車を停めた。そして、座席に座ったまま目を閉じた。20分も経たずに、自分の本当の居場所に戻ったように感じられ、生気を取り戻す。
晃司にとって、結婚して以来、この山中の誰もいない場所は、職場から避難す