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5年前に書いた、アロマと私が出逢うまでの体験記⑦

2000年に起きたことを2018年に書いて、2023年に振り返っている、続きです。


7、休職と家族と、自然
その決意とは、休職をして実家に帰って、しっかり休む、という選択だった。少しは学習していた為、自分の限界の手前の時点で判断し、会社や親に相談して、今回は実家に戻る選択をした。

そろそろ、この人どんだけ病んでるんだ…?とツッコみたくなるでしょう。でも、何よりも私が自分にツッコみたかった。いや、もはや心の中ではツッコんでいた。

こんな私の姿を見た親にどんなことを言われるのだろうとびくびくしながら、体も心もボロッボロの状態で空港につくと、いつも通りの笑顔の母がいて、父の運転で大好きなお豆富屋さんに行った。普段ならぺろりと食べ終えるお膳を全然食べれなくても、何にも言わずに見守ってくれていた。

実家に帰った私は、よく寝て、図書館に通って本を読んで、絵を描いて、犬と遊んで、家の裏の土手とか、山の自然の中を歩いて、家で育った野菜を食べて、また寝て、あっという間に1ヶ月が過ぎていった。


毎日移り変わっていく美しい自然の中で浄化されながら、高校卒業して上京をするまで、私は何にも無い場所だって文句ばっかり言ってたことを思い出した。

実際にコンビニまでは自転車で15分。
しかもその道のりは、一応、街灯らしきものはあるけど、文字通りの“暗闇”で、道の脇には人がすっぽり入れるくらいの水路があり、夜道はもう本当に注意が必要なのだ。雑誌で見るような洋服も、テレビで紹介される食べ物や、遊ぶ場所もない。

子供の頃の私は、都会がキラキラ輝くものに見えていて、自分の生まれ育った場所の素晴らしさを理解出来ていなかった。

東京生活が始まって何度目かの帰省で、自然の中にただいただけなんだけど、「あ、何にもなかったんじゃなくて、ここには全部ある」と言う、なんとも不思議な感覚になったことを今でも覚えている。

私が生まれてきた世界は美しくて、豊かだった。

目が覚めた空の色や流れる雲は毎日違って、庭には名前も分からない美しい草花が溢れている。夜空に溢れるほどの星がある。川の流れる音、鳥の声。

自然は、衣食住をささえてくれて、癒してもくれ、(今なら少し分かるけど)叡智も与えてくれる。何かを排除しようとかもせず、見返りを求めることもなく。

自然の色彩の豊かさと、優しい音に染まりながら、でこぼこでちっぽけな私を、ありのまま受け入れてくれている安心感に包まれながら癒され、(結構予想してたよりも急激に)もりもり元気になっていった。

私が、そろそろ東京に行こうかなと思うタイミングで初めて「これからどうする?」と未来のことを母から聞かれ、東京へ戻ることにした。この時、色々あってアルバイトをしていたけれど、当時の職場の方からは「いつでも戻っておいで」と温かく送り出してもらっていたので、東京生活もまたスムーズに再スタートできた。


休養期間を経て元気に東京に戻ってから、「恩返ししたい、元気に生きるという裏付ける姿を見せる形で」という思いが湧いてきて、自分の体、心の仕組み、植物のちからに興味を持ち始め、本やインターネットで知識をばんばん読んでぐんぐん吸収していく。

不調やストレスは、体内の流れが滞ったり、細胞間で味方を敵と間違って認識して攻撃することがある。そんな状態の時、心には暗く重い扉に頑丈な鍵をかけて、もはや天照大御神が天の岩戸を閉じたようなガッチガチに閉ざしていることなども知った(古事記を読むと、神様も引きこもることがあるんだなあと人間味を感じてしまいます)。

そして、傷がかさぶたになって元に戻っていくように、本来、人はほったらかしていても自然と良い方向へ向かう【自然治癒力】という力をみんなが持っていることを知って、人間の持つ生命力にも激しく感動した。

ダイエットの為のあり得ない食生活、季節外れのファッションで体をキンキンに冷やして、何も知らなかったとは言えどもやっぱり、おおばかものだった。

自分を知り、正しい知識を身につけることで、私の体はよい方向へ向かおうとしてくれていて、ヒントは山程あったのに見ようとしていなかったことに気づけた。数年間に渡って続いた不調は、私の考えや行動の間違いに気づかせてくれ、反省して成長する機会を与えてくれていただけだった。

沢山の人の愛情と、優しい自然のちからと、先人たちの知識を学ぶことで、まるで枯れた大地がごくごくと雨を吸収して、植物が育っていくみたいに、生き返る様に回復していった私は、癒しの仕事に興味を持ち、セラピストを目指すことになった。



さて、延々と書いていた文章は今日でおしまいです。ここまで全て読んでくださって、本当にありがとうございました!

「次の休みは、自然の中で過ごしてみようかな」
「アロマテラピーって何だろう」
「久々にマッサージで体をほぐそうかな」
「ごまかしてきた不調を何とかしよう」
ふっと心に浮かんだ声に耳を澄まして、よかったら思いを行動にうつしてみると、それは意外と大きな変化のきっかけになるかもしれせん。

最後に。いつもただ傍にいて見守ってくれる家族と、あの頃のだめだめな私に付き合ってくれた友達や職場の皆さま、そして、どんな時でも無条件で、どんな状態の私にも向けてくれていた豊かな自然の癒しのエネルギーに、今でもずっと感謝しています。

みんな、みんな、本当にありがとう!




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