見出し画像

「石榴」スタッフにインタビュー《後編》

「劇団HEN/SHIN」旗揚げ公演「石榴」(8月12・13日)の参加メンバーを紹介しつつ、公演や劇団のイメージを聞いちゃいます!

今回はスタッフの3人へのインタビュー後編!
メンバーは、立教大学公認サークル「劇団テアトルジュンヌ」同期生
♦︎黒澤(制作・Web)
♦︎光音(宣伝美術)
♦︎優七(宣美/制作・Web)

「《前編》をまだ読んでない!」という方はコチラ⬇️

Q 「石榴」台本を読んだ時の第一印象と、今の印象


黒澤 第1稿を読んだ時ね、細かい部分が全然違うのは重々承知してるんだけど、「八日目の蝉」を思い出した。テーマがちょっと似てるかなって。モチーフなのかな?出てくるものが似てるのかな?って思いましたね。
 今はどちらかというと「八日目の蝉」ほど優しい終わりではなくて、もっと現代社会の闇を、ちょっとチープすぎるけど、もっと仄暗いものを表現している気がする

優七 私の第一印象は、演劇ではあるんだけど、同じことって絶対世の中で起きてるよな、めっちゃリアルだなと。未だにこの価値観って日本に溢れてて、きっと観劇した人のほとんどが「あぁ、あるある」って思うはず。私の周りにも登場人物と同じ状況の人がいるから、よりリアルに感じて、そこを書いたA-taすごいなって。
 今の印象。稽古場で星奈(役者・川合星奈)ちゃんの演技を観た時に、人間って凶器の塊だなと。誰も全員が狂気を持ってるけど、それが表に出るかどうかは、その人の周りの人次第。自分だけが頑張って大丈夫と思ってても、周りにいる人のせいで壊れたりもするし、良くなったりもする。 自分だけでどうにもできない辺り、人間めんどくせえって思った

光音 2人がすごすぎて…私は、え、誰が本当のこと言ってんの?としか
優七・黒澤 それは思った

光音 台本もらったのがフライヤーを作るタイミングで。誰が本当のこと言ってるかも全く分かりきれないし、衝撃的すぎた。私が覚えてるA-taちゃんって、真っ直ぐで、誠実で、強くて、笑顔で明るくてっていう。頑張り屋の人だったから。こういうものが見えてて、これを話にしたのってどうしてなんだろうって気になっていた。私自身、普段こういう全体的に暗い作品をあんまり見なかったから…自分は見るべき、とか見ない方がいいかも、っていうのを直感的に分かるフライヤーにしなきゃなっていうことを読んで考えてた。
 今は…今もあんまり印象が変わってないかな

優七 フライヤーを手に取った人のことまで考えてデザイン作ってるって、私は衝撃を受けた。あなたはなんて仕事ができる人なの
光音 人生で初めて言われたよ笑
優七 光音ちゃんの配慮すごい…脚本・演出さんの思いを反映してたんだ(自分の仕事を振り返って反省中)

光音ちゃん作、A-taの想いを反映した「石榴」フライヤー(表)

Q 自分の部署の仕事を一言で表すなら?


黒澤 今回は伊佐間(照明/制作Web・伊佐間菜摘)とか安永ちゃん(劇団員/役者/演出助手・安永かなえ)に担当してもらった部分が結構あって。受付とかやってたジュンヌの制作だったら「お客様がフライヤーを受け取ってから舞台に来るまでをサポートするのが制作」って答えられたんだけど…今回ちょっと違うので…なんですかね?「公演できるよう舞台裏で環境を整えるのが制作」なのかな、とは思った。これ伊佐間が読んだら「オメェ最近仕事しねェだろオイ」ってグリグリされそうですけど笑

優七 確かにね。制作がいないと我々(宣美)が作ったものだって出してもらえないし。本当にありがたいお仕事です
黒澤 本当です
優七 じゃあ、光音ちゃん。宣美です!イェェェイ

光音 「アイキャッチの役割」だと思う。A-taちゃんがすごい良い公演を作っても、お客様の目を引かないと見てもらえない。だから、集客の段階で責任を負ってる。公演観た後も、フライヤー見てきたけど内容合ってたなとか、観劇後のお客様の印象にも責任を持ってるのが宣美。アイキャッチだなと

黒澤 プロです

優七 光音ちゃんの後にこれ言うのすごく恥ずかしいんだけど…それこそ、黒澤と同じで、ジュンヌの時だったら…感覚的にめっちゃ「ダンゴムシ」だなと思ってて
光音 爆笑
優七 いや!他の先輩・後輩とか光音ちゃんとかがってわけじゃなくて!私が!普段表に出てこないけど、ウィリホ(立教大学の部室棟ウィリアムズホール)の薄暗い廊下で這いつくばって看板を塗り塗りしてる体勢の私めっちゃダンゴムシだって。宣美って物は出るけど、人は表に出ないじゃん?だからダンゴムシみたく、人目につかないところでウゴウゴしてるけど、一生懸命仕事してんなと

黒澤・光音 笑

Q 『演劇のココが楽しい/好き!』どんなとこ?また、現時点で!演劇楽しいですか?


黒澤 例えば映画は、音響とか映像の綺麗さでどんどん没入していくと思うんですけど…目の前の舞台で起こってる空気に自分がどんどん飲み込まれていくところが、演劇の楽しい/好きなとこかなと思います。ミュージカルとか舞台演劇とか2.5次元とか色々あるけど、その舞台にどんどん入って楽しんでる感じが、他の創作物と違うのかな?
  『現時点で演劇楽しいですか?』は、どちらかというと私は演技の裏方をやるのが好きなタイプで、遠くから面白くなりそうだなってニヤニヤしながら見てるのが好きなので笑 そういう意味で楽しいです。楽しいって言っても、楽しさの感じ方、感じるポイントって人によって違うから、いろんな人の意見聞いてみたいなって思いました

優七 好きなところは、自分ではない何かに変身できるところ。あんまり自分に自信がないタイプなので、役者だったら、自分じゃない何かになって現実逃避するのがすごい好きです。演劇観る側としても、黒澤が言った没入感と一緒だけど、現実じゃない所に自分がいて、その世界に入ってるような感覚がすごい好き。あとは、現実では起こり得ないロマンスやらサスペンスやらの世界に入れるっていうのが楽しいなって思います。
  現時点で演劇めっちゃ楽しいです。演劇やってる人が楽しい。その人たちを見てるのも楽しいし、絡めてるのも楽しいし。あー、愛すべきクレイジーたち

光音 洋画みたい笑
優七 ちょっといいタイトルつけたらそれっぽくなるよ笑 て、感じです。光音ちゃん、どうぞ

光音 何も考えてなかった笑 楽しいとこは…私はジュンヌだと役者をずっとやってたじゃん。2人はご存じだけど。で、役者としてだと、 映画や映像と違うのは、目の前でお客さんがいて、何公演もやるからその度に公演がまた違って。1回1回に全部気持ちが入って…っていうのが1番好き!あと舞台裏の結束感みたいなのが好きで…花々しい舞台の裏で地道なことを、みんなで頑張っていこう!って、やってる時間が好きかな。
  現時点で演劇、めっちゃ楽しいです!演劇とか創作活動をやってる人が好きすぎるから、また演劇やってるクレイジーたちと絡めてすごい幸せだなぁって

Q お客様へメッセージ


黒澤 劇場入った時と出た時では、もう自分の中身は変わってしまってると思いますね。物の見方が少し変わってしまう。それが良いことか悪いことかはお客様によるかと思うんだけど…それを楽しんでいただければな、と。

光音 今回良いメンバーが揃ってるので…ちゃんと、しんどくなる覚悟をして来てもらえたらいいなって思ってます。人によっては息苦しい気持ちになってしまうかもしれないけど、そこから1個、良いものを持って帰ってほしいと思ってます。出てくる登場人物が、実際に自分の身の回りにいたら、自分はどうするかって、そういう視点を持ってもらえたらいいなって考えてます。どこかに似た悩みを持ってる人が実在してる、そういう人がいるって知識を持つことで、選ぶ言葉が変わってきたりとか、心構えを持っていれば、いざ目の前に現れた時に自分の対応が変わってくると思うから。もし観劇後しんどい気持ちになっても、いつか未来で良い影響をもたらす公演にしてもらえたらいいなって思ってます


優七 しんどくなる覚悟で来てください、と…
光音 覚悟はした方がいい笑
優七 すごい圧かけてるね、この2人笑
黒澤 そうねぇ笑

優七 演劇したくてどうしようもなかった人たちが、ここぞとばかりに集い、やりたい放題しました。 お話は心にズシッとくるかもしれません。でも、メンバーの心からウキウキした様子を感じていただければ幸いです

黒澤 あるべきお客様へのメッセージって感じね
優七 いや、でもね、正直ね、確かに覚悟はしてきた方がいいね笑
光音 本当に?!って思ったもんね。最初に(原稿)見た時
優七 黒澤は何度か稽古場行ってるじゃん?初めて台本に演技がついた時、観てどう思った?
黒澤 いや、居た堪れないね。物事として、世の中のニュースとしては理解できていたけど…実際、その立場の人がこう言ってるかなって感じられて。ニュースで見るって遠い状態だったのが、実は遠くなくて。自分が気付いてないだけで、自分のマンションの隣の部屋で起こってるんじゃないかって思って…居た堪れなくなった感じですね
光音 日常会話みたいなシーンもあるし…よりリアルだよね
優七 台本読んだだけでも覚悟した方がいいって思うんだから、演技ついたら尚のことよね。私怖かったもん
黒澤 星奈ちゃんがすごいよね
優七・光音 そうそうそう!!
黒澤 見ると持ってかれるかもね
光音 次の日ダメになるくらい
黒澤 時期もお盆明けだからね。翌日には出勤しないとなのに
優七 お盆で帰省してた人とか尚更ね。田舎って、より登場人物たちと同じ状況な気がする。他人もきついけど、親戚ってもっときついから。容赦ないから。ほっとけ!(地方民優七、リアルな怒り)
黒澤・光音 笑


最後に…

黒澤 私が言うことではないんですけど、劇団HEN/SHINは主宰が言ってる通り、今回のようなジャンルだけでなく、コメディなどもやります。興味を持った方はぜひとも、劇団HEN/SHINの扉を叩いていただければと思います

愛すべきクレイジーたち❤️

(インタビューまとめ 優七)


劇団HEN/SHINのnoteでは
♦︎オペ(音響・照明)
♦︎役者
♦︎劇団員
のインタビューも掲載予定です!

次回投稿のお知らせは、劇団HEN/SHINの公式X(旧Twitter)でチェック✅
【公演情報】
劇団HEN/SHIN 旗揚げ公演 「名前のない演劇祭白」参加作品
「石榴」
脚本・演出 A-ta.
公演日程
・8/12(月・祝) 19:30開場/20:00開演
・8/13(火) 19:30開場/20:00開演
会場 北池袋新生館シアター



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?