見出し画像

ラーメン4.0@開業日記#69 セルフハンディキャッピング

今日はセルフハンディキャッピングという心理効果について書いていこうと思います。
テスト前や大事な仕事の前につい違うことをしてしまう心理状況を説明しています。それでは今日も最後までよろしくお願いいたします。

セルフハンディキャッピングとは

セルフハンディキャッピングとは、自分自身にハンデを課すことです。よく挙げられる例が、テスト前に、ついマンガを読みはじめたり部屋の掃除をしてしまったりすることです。本当なら、持てる時間の全てをテスト勉強につぎ込んで良い結果を出すべきなのに、あえて「貴重な時間を無関係な用事に割く」という不利な条件(ハンデ)を自身に課し、やるべきことを先延ばしにしてしまっています

多くの人がやってしまうセルフハンディキャッピングですが、じつは仕事や勉強面でもデメリットがあります。今回は、遂行的セルフハンディキャッピングと主張的セルフ・ハンディキャッピングの特徴や具体例、セルフハンディキャッピングを克服する方法をご紹介します。

2種類のセルフハンディキャッピング

セルフ・ハンディキャッピングには、遂行的セルフハンディキャッピングと主張的セルフ・ハンディキャッピングの2種類に分けるものがあります。それぞれの特徴を紹介しましょう。

遂行的セルフハンディキャッピング

遂行的セルフハンディキャッピングとは、実際の行動によるセルフハンディキャッピングです。試験など、重要で困難な問題の直前にとる以下のような行為が、遂行的セルフハンディキャッピングに当たります。

・努力を放棄する。
・飲酒する。
・徹夜する。

もし、全力で勉強し、体調を整えたうえで臨んだ試験の結果が悪かったら、「あんなに頑張ったのにどうして!? 自分には才能がないのか……?」と、大きなショックを受けてしまうかもしれません。しかし、全力を出さなければ、「全力を出せばクリアできたかもしれない」と思い込むことができます。また、飲酒や徹夜などによってパフォーマンスを低下させていれば、「万全の状態ではなかったから、この結果もやむなし」と受け入れることができ、心が傷つかないのです。

主張的セルフハンディキャッピング

主張的セルフハンディキャッピングとは、言葉を発することによるセルフハンディキャッピングです。自分が困難な課題に直面していると知っている周囲の人に向け、以下のようなセリフを発すると、主張的セルフハンディキャッピングに該当する可能性があります。

「あまり勉強していなくて」
「体調が悪くて……」
「自信ないなあ」

子どもの頃、友だちに対し上記のような発言をしたことのある人は少なくないのではないでしょうか。「今回のテストはすごく勉強したんだ!」と言わないのは、結果が想定よりも悪かったら恥ずかしくなってしまうから。反対に「忙しい状況だったから、あまり勉強していなくて……」と予防線を張っておけば、本当に悪い結果になったとしても、気恥ずかしさは感じにくいですよね。

実際に勉強したかどうかは別の話。「勉強していなくて」と言うだけで、セルフハンディキャッピングは成立するのです。

セルフハンディキャッピングのデメリット

心が傷つくのを守ってくれるセルフハンディキャッピングですが、じつは大きなデメリットをもたらします。「採用したハンディキャップのために実際の遂行の成功確率が低下する」ということです。

セルフハンディキャッピングを行なう人は、目標の達成よりも「自我防衛」に意識が向いてしまっているのです。たしかに、仕事や勉強で目標を達成したいと本気で思っているのなら、セルフハンディキャッピング――特に遂行的セルフハンディキャッピングをしている場合ではありませんよね。

また、セルフハンディキャッピングを行なうと、周囲の人から悪印象を持たれてしまう恐れもあります。セルフハンディキャッピングを行なう主人公と行なわない主人公が登場するシナリオを被験者に読ませた実験では、セルフハンディキャッピングを行なう主人公は読者から嫌われ、将来的に成功しないだろうという印象を持たれたそうです。

目標を達成しにくくなるうえ、周囲の人からの評価が下がってしまう……。セルフハンディキャッピングのデメリットは、メリットに比べ、あまりにも大きいといえるでしょう。

セルフハンディキャッピングを克服する方法

セルフハンディキャッピングはデメリットが大きいため、「やってしまっているかも」と気づいたら、すぐにでも改善したいところです。セルフハンディキャッピングという「クセ」は、どうしたら克服できるのでしょうか?

セルフハンディキャッピングを抑制する要因のひとつとして、「他者からの不承認の可能性」が挙げられています。「あまり勉強してなくて……」などのセルフハンディキャッピングを行なうことで、ほかの人から否定的に評価される可能性が顕著な場合、セルフハンディキャッピングは抑制されるのだそうです。

そのため、まずは「セルフハンディキャッピングをすると嫌われるかも」ということを意識し、言い訳を口にしないよう心がけることから始めましょう。本当に「体調が悪い」「あまり寝ていない」などの理由でうまくいかないのであれば、生活リズムを整えて心身の調子を保つことが大切です。

同時に、セルフハンディキャッピングをしてしまう原因に対策することも重要です。セルフハンディキャッピング傾向の強い人は自尊心が低いのだそう。

「ゆうメンタルクリニック」の創設者で精神科医のゆうきゆう氏によると、自尊心(自尊感情)とは「自分を認める気持ち」のこと。自尊心の低い人には、以下をはじめとする特徴があるそうです。

・周囲の人の言葉や態度を過剰に気にする。
・やる前から「どうせ自分にはできない」と決めつける。
・チャレンジを避ける。

周囲の反応が気になると、「あまりテスト勉強しなかったんだよね」のようなセルフハンディキャッピングを行ない、「勉強したのに成績が悪かった」と笑われる状況を避けます。そして、失敗することで自己評価が下がってしまうと思い、難しいことへの挑戦を避けるのです。

セルフ・ハンディキャッピングのクセを改善するには、自尊心を高めるのがよさそうです。どうすればよいのでしょうか?

自尊心を高める方法のひとつとして「自分の気持ちを尊重する」ことを挙げています。ポジティブなものだろうがネガティブなものだろうが、自分の心に生まれた感情を否定せず全て認めることが必要なのだそう。

自分の感情を認めるのにお勧めなのが、ジャーナリングです。頭に思い浮かんだことを脚色せず、何でも紙に書き出すという手法です。ジャーナリングには、ストレス軽減や血圧低下など、さまざまな効果が認められています。

「言い訳を口にしないよう意識する」「ジャーナリングなどによって自尊心を高める」という2つが、セルフ・ハンディキャッピングを克服するには有効だといえます。

仕事や勉強で不安があるからといって、セルフハンディキャッピングをすると、本当に失敗してしまいかねません。それに、セルフハンディキャッピング的な言動は、あまり格好いいとはいえないでしょう。ついついやってしまいがちなセルフハンディキャッピングの危険性を意識しつつ、前向きな言葉を心がけてみませんか。

それではまた明日!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?