見出し画像

セミの羽化不全と成虫の方が幸せ?な話

早朝、新聞を取りに外へ出ると足元にセミの幼虫が転がっていました。
「セミの抜け殻にしては色が濃い……?」と思って近くで見ると、中身が入っていまして、羽化しようと頭を出したところで息絶えてしまったようです。

恐らく転がっていた状態から察するに、どこかに掴まって羽化しようとしたところ、不安定で落ちてしまいショック死という感じでしょうか。
土の中で数年、やっと地上に出て人生を謳歌しようという時に息絶える。
なんだか朝からいたたまれない気持ち
になります。

夏の日中は木や建物、そこら中に止まっていてジージー、ミンミンと冷静に考えれば凄い騒音公害な鳴き声を奏でているわけですが、それらは羽化という人生の大きなハードルを乗り越えた者たちなわけで。
羽化中に羽化不全だったり、襲われたりして死んでしまうセミは意外と多くて、ちょっと調べてみると約6割は羽化中に死んでしまうそうです。
そう聞くと驚きです、そこら中で当たり前に鳴いているセミは約4割の生存者なのです。

セミの羽化にはあまり良い思い出がなかったりします。
子供ながらにセミの幼虫は成虫よりもレアですから、見つけたら捕まえて羽化しないかなと観察するわけです。
しかし、正しい環境で羽化させるなんてことは子供は知りませんから、羽化に成功した幼虫にはあったことありません。
足が曲がったり、羽化途中で硬化してしまったセミもいました。
それだけ羽化中はデリケートな時間なのです。

先程……、

土の中で数年、やっと地上に出て人生を謳歌しようという時に息絶える。
なんだか朝からいたたまれない気持ち
になります。

とは書きましたが、これも自分勝手な思い込みなわけで。
誰が土の中が幸せじゃなかったと言ったのでしょう。
そして誰が地上が幸せだと言ったのでしょう。
セミから直接聞く手段ができない限り、正確な答えはありません。
羽化に成功したからと言って地上で生きられる時間は1週間から1ヶ月。
鳥などの天敵に捕食される確率も高くなりますから、地上はサバイバル地獄かもしれません。

空を飛んで、求愛のために鳴いて、パートナーを見つけて。
そう聞くと人生を謳歌している瞬間に見えますが、それらは人間が勝手に謳歌していると思っている基準であり、セミの基準ではないわけです。



セミ凄いなぁと思いながら、血を吸いに来た蚊は叩き潰すわけで。
結局は虫の命を尊重というよりは自分に害があるかないか基準なことに気付かされます。
セミがあの口で血を吸いに刺してくるような虫だったら、駆除対象になるんだろうなぁと怖くなりますね。
今日はこの辺で。


ギアでした。゜ω゜)ノ

この記事が参加している募集

#最近の学び

181,685件

#多様性を考える

27,917件

何か良い記事だったな、役に立つ記事だったな・・・と思われましたら、 サポートをしていただければ幸いです、今後の励みになります。 どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m