青木門斗

今年は辰年なので。

青木門斗

今年は辰年なので。

マガジン

  • まいぷろじぇくと

    私が育ててきたプロジェクトたち。 自分の実践を、振り返る。

  • 本とともに、

    本からではなく、私からでもなく。 ただ、本とともに。

  • 青木門斗を知る

    私という人間のこれまで、今の立ち位置、そしてこれから。

  • しゅたいって?

    • 10本

    「しゅたいって?」は同名のトークセッションのために用意されたマガジンです。 2023年3月16日19時より、西小山にて「主体」あるいは「主体性」をテーマに5名の大学生によるトークセッションを実施します。登壇する5名はそれぞれ異なる専門分野を持っています。哲学や建築や農学といったように大学での専攻もバラバラで、本屋さんやWebエンジニアや教育関係といったように学外での仕事もバラバラです。今回のトークセッションでは、登壇者がそれぞれ事前に「主体」をテーマにしたnoteを書くことにしました。5つのnoteをもとに、議論が交錯する点を探っていきます。是非ご覧ください。

最近の記事

  • 固定された記事

エモさだけでは生きられない

地元に帰る 地元、栃木県宇都宮市に久しぶりに帰った。 もちろん、今までも度々帰ってはいたのだけど、昔よく訪れた場所に行き、昔お話ししていた方々と久々にお話しした。 訪れた場所はどれも変わっていなくて、でも少し変わっていて。変わらなさと変わったところを見つけては、懐かしさと寂しさを感じながら、もう何年も前になってしまった記憶に身を浸してきた。 今流の言葉で言えば、「エモい」栃木滞在だった。 自分の育った中学校へ行く 2014年4月に入学し、2017年3月に卒業した出身中

    • +3

      【手記】手で文字を書くこと

      • 「東大生」というコンプレックス

        東京大学を卒業して卒業式と思い出深い「東京大学」 2024年3月22日、東京大学を卒業しました。 卒業式に参加すると、自分が思っていた以上に、自分には知り合いがたくさんいました。1年以上ぶりの再会を果たした友人もいました。写真フォルダには、たくさんの卒業式の思い出が残っています。 同時に、自分が思っていた以上に、自分にはキャンパスの思い出がたくさんあったことにも気が付きました。特に、4年間通った駒場キャンパスを一人で歩いていると、受験の日から最近のことまで様々に思い出

        • 【雑記】「社会に出る」という言葉が嫌いだ

          新年度。 先月わたしたちは大学を卒業したから、同期の多くはこの4月から「社会人」になった。そう、「社会に出た」らしい。 「社会に出る」という言葉は、色んなところで使われる。 これくらいの常識やマナーを身に付けていないと社会には出られない、と怒られたり。 社会に出るためにいま勉強することが大切だと、こどもに教えてみたり。 大学生くらいのときに、社会に出るのが怖くなったり。「来月からは社会に出るんだね」と言われてみたり。 「社会に出てみないとわからないことがある」と、神妙ぶっ

        • 固定された記事

        エモさだけでは生きられない

        マガジン

        • まいぷろじぇくと
          6本
        • 本とともに、
          3本
        • 青木門斗を知る
          4本
        • しゅたいって?
          10本

        記事

          私が過ごしていたまち、豪徳寺への手紙

          拝啓 この4年を暮らしたまち、豪徳寺へ  早いもので、あなたのもとを離れて新たなまちに越してきてから、もう一週間余りが経ちました。あなたはお元気ですか。通りや店の様子はお変わりないですか。4年間という長い時間を過ごしていたあなたには、どこかで感謝を伝えなければ、と思っていたのですが、なかなか筆を執るまでに時間がかかってしまいました。ちょっとだけ、あなたのところでの思い出話をさせてください。 最初の思い出  最後にこそ、すっかり「自分のまち」として愛着のある大切なまちと

          私が過ごしていたまち、豪徳寺への手紙

          鳥取県の西部にある、とても素敵な小さな町【南部町の魅力 前編】

          鳥取県に行ってくる、と人に言うと、ほとんどの場合に「砂丘?」と聞かれる。 その度に、砂丘からはめちゃめちゃ遠い方なんだよね〜、と答えている。 鳥取と言えば、砂丘。 それが世間的なイメージかもしれないし、何よりかつての自分もそう思っていた。 でも、鳥取県には砂丘以外の魅力もたくさんある。 なかでも、私がよく訪れている鳥取県西部・南部町という町は小さいながら魅力たっぷりの町なのだ。 きれいな景色南部町から見える景色、南部町の景色はとても、きれいだ。 晴れていれば、中国地方の富

          鳥取県の西部にある、とても素敵な小さな町【南部町の魅力 前編】

          いま、#いまコロナ禍の大学生は語る、を語る

          #いまコロナ禍の大学生は語る明日は、11月8日。なんてことのない1日。 なんてことのない1日になったのは、ちょうど半年前。 5月8日。新型コロナウイルス感染症が、5類感染症に移行した。 もしかしたら、そんなに5類感染症への移行ばかりを取り上げるべきではないのかもしれない。 それ以前からコロナ禍に対する社会的な慣れは生まれていたし、逆に5月8日を跨いでもマスクをしている人は多かったはずだ。 なんてことのない1日になったのはどこかの1日からではなく、何ヶ月もかけてゆっくりとだっ

          いま、#いまコロナ禍の大学生は語る、を語る

          それが堕落であっても肯定できるか?——新教育的主張に対する堕落論的問題提起

          坂口安吾の堕落論の要旨を取り出すならば、おそらくここにあたるのではないだろうか。 戦前に重視されていた道義が廃れつつあった戦後日本において、その堕落を肯定的に評価したのが、坂口安吾という人物である。 彼の思想は、堕落論と続堕落論を併せて読むことで非常にわかりやすくなる。 彼にとって堕落とは、「健全なる道義」からの堕落である。 直接的に論じられるのは、時世的に従来の「健全なる道義」に反する人の多かった未亡人や復員軍人であり、「健全なる道義」の例として挙げられるのも天皇制や武士

          それが堕落であっても肯定できるか?——新教育的主張に対する堕落論的問題提起

          【雑記】「多様性」について

          例にもれず、雑記である。 考え抜いた思索というよりは、考えていることを更に考え進めるために書いているような、そんな進行形の文章である。 ご承知おきを。 「多様性」という言葉を聞く機会が増えたように思われる。 多様性が尊重されるような社会をつくることがこれまでよりも目指されるらしい、おそらくいいこと。 皆口々に「多様性が大事だよね」と呟く、それはそう。 でもたまに違和感を持ってしまう。「多様性が大事だよね」って言っているときの「多様性」は、都合のいい言葉に過ぎないのではないか

          【雑記】「多様性」について

          自分の痛みに繊細でありたい

          痛い、辛い、きつい、苦しい、厳しい、しんどい。 自分の身体から必死の悲鳴が聞こえてくる。 痛くない、辛くない、きつくない、苦しくない、大丈夫、大丈夫。 俺は、呪文を唱えて悲鳴が聞こえないふりをして、肩にぐっと力を入れて背筋を伸ばし、顔を挙げた。今日が始まる。 わたしたちは、日々多くの痛みや苦しみを背負って生きている。あまりに痛くて苦しくて立ち上がる気力をなくしながら、それでも立ち上がって毎日を生き続けている。 本当は、「辛い」や「きつい」と口に出して言いたいところだけど、そ

          自分の痛みに繊細でありたい

          【雑記】今日何もできなかったと落ち込む日に、できたことを考えてみる

           夜22時。今日何もできなかったなぁ、何もやる気起きなかったなぁと落ち込む大学4年生の9月、金曜日のこと。一応2週間しないうちに試験がやってくる、試験直前の学生だったりもする。卒論も進めないとまずいし、そういえばインターン先の仕事も手をつけてないや。そんなこと思いながら、何も進められず無駄に過ごしてしまった一日。ひたすらに落ち込みながらも、それでも体は動かないし頭は働かない。  たまにある、そんな日。  人からは、「たまにはそういう日もあるよ」とか「そういう日も必要だよね」

          【雑記】今日何もできなかったと落ち込む日に、できたことを考えてみる

          君って挫折とかしたことなさそうだよね

          「君って挫折とかしたことなさそうだよね」 この文章は、そんな一言から始まった、「挫折」をめぐる思索である。 「挫折」の価値 「挫折」は、辛く苦しい経験であるから、一見マイナスなイメージの単語であるように見える。しかし実際には、「挫折」はよい経験として語られてきた側面をもってはいないだろうか。冒頭の「挫折とかしたことなさそう」は、「辛く苦しい挫折」に「襲われていない」ことを称える褒め言葉だろうか。それとも、「成長の機会である挫折」を「経験していない」ことを軽んじる言葉だろうか

          君って挫折とかしたことなさそうだよね

          【雑記】いそがしいわたしたち

          夜、23時半。 自分のなかのはやる気持ちを抑えるように、ジントニックを飲む。勢いで買ったクラフトジン「六」はやはり美味しくて、買ってよかったと思う。そんな話ではない。 鼓動が少し早い気がする、別にお酒のせいではない。なんか、自分が、急いでいる気がする。心なしかタイピングのスピードも早い。それは気のせいかも。 最近、みんないそがしいなぁって思う。 後輩たちの様子を見聞きしていると、みんないそがしくてなんか疲れているように感じる。先輩たちの話を聞いても、やっぱり社会人生活はいそ

          有料
          100

          【雑記】いそがしいわたしたち

          痛みの物語——「イタい」と「痛い」

          いつ「痛い」と感じるか  指を扉に挟む、顔が電柱にぶつかる、転んで膝を床に打つ。痛い。わたしたちの体は、いとも簡単に、日々痛みを感じている。  痛いと言われるのは、体だけではない。こころもまた痛む。  誰かに嘘をついてしまう、好きな人に告白して振られる、友達にいじめられる。痛い。心も、日々痛みを感じている。  「痛い」の表記を少し変えると、別の意味が立ち現れて来る。「痛い」を「イタい」にすると、自分ではなく他人についてのことになる。  空気を読めない誰かの発言、SNSで

          痛みの物語——「イタい」と「痛い」

          学園祭でノンアルコールカクテルを販売した話。

          模擬店での再会  5月14日、学園祭2日目。私はある模擬店にて、ドリンクをつくっていました。ジュースやシロップを混ぜてつくるノンアルコールのカクテル——モクテル——を販売する模擬店です。2日目は1日目よりも天気が良かったこともあり、お客様もたくさん訪れ賑わっていました。そんな中、私の目の前に現れた次のお客様2人組に、私は思わず「あ」と呟きました。その2人は、1日目も飲みに来てくれた高校生2人でした。  この高校生2人は、決して元々知り合いではありませんでした。遡ること、5月

          学園祭でノンアルコールカクテルを販売した話。

          入学に際しての心構え

           四月六日、私は宇都宮高校に入学して三年間の高校生活に足を踏み入れられることになった。当然だが、高校生活は私にとって初めてのことで、「新しい」ことである。  「新しい」は人間にとって特別なことだと思う。興奮と不安が入り混じる感情をうむ。高校生活とは離れるが、私はノートのことを考えてみた。勉強に使うノート。教科書の内容をまとめるノート。そのために買った「新しい」ノート。「新しい」ノートを開くと、私はその白さに微かではあるが興奮と不安を覚える。自由に書ける、という興奮と、汚してし

          入学に際しての心構え