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泣いて逃げるほど超絶な犬嫌いを克服するまでの私の軌跡

子供の頃、犬に追いかけられて以来、
大嫌いになってしまったのですが、
それから数年後、姉が拾ってきた子犬を飼うことで
苦手を克服することが出来ました。

今日は、それまでの軌跡を辿ります。

🐶犬嫌いになった恐怖の出来事


私自身、犬が苦手になったきっかけは覚えていないのですが、
物心がついた頃から動物が全般的に好きではなかった記憶があります。

犬が歩いているのを目にすると、
例え遠くても絶対近寄らないようにしていました。

小学1年の頃の話。

学校帰りに道を歩いていると、向こう側から、
小さめの柴犬らしき雑種?と思われる茶色い犬が走って来ました。

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どこかの家から逃げてきたのか?
元々野良犬なのか?

リードが付いていないので、結構な速さで私に近づいて来ました。

帰り道は私1人だけ。
周りには誰もいません。

「うわっ!犬!怖い!」

私は、咄嗟に180度向きを変え、
歩いてきた道を逆戻りするように、
走ってその場から逃げました。

しかし、家に帰ろうとしてるのに、
また学校へ向かってどうする?

何とかして家に帰らなきゃ。

帰ってさっさと鍵閉めなきゃ。

…私は鍵っ子。

今なら当たり前かもしれませんが、
当時は珍しく、両親共働きで家にいなかったので、
ランドセルに鍵をくくり付けて、登下校していました。

走って逃げたので、案の定、犬は私を追いかけて来ました。

母親からいつも言われていたのに。

「犬は走れば走るほど追いかけてくるから、
絶対走っちゃダメだよ」

それをしっかり覚えていましたが…。
この状況で普通に歩いてたら、犬に追いつかれる!

なぜかこの頃の私には、
犬と鉢合わせしたら絶対噛まれる!
という固定概念があり、犬の近くを歩くことは絶対に避けたいと思っていました。

噛まれたら大変。

必死で逃げました。

車が来ているのに、いきなり道路を渡ったり。
クラクションを鳴らされそうなくらい、
ギリギリで横断したような記憶があります。

🐶逃げなきゃ!考え抜いた末の策


私がいつまでも逃げ回るので、犬もずっと追いかけて来ました。

目の前の道を曲がれば、すぐ自宅なのですが、
ランドセルから鍵を出しているうちに、
犬に追いつかれるかもしれない。

家はすぐそこなのに、帰れない。

どうすればいいのー?

ふと、思い出しました。

自宅の隣に小さな公園があり、家との境目に高いフェンスがあったのですが、
その下に小さい子供1人がギリギリで通れる程の穴が掘られていて、体が小さかった私はいつもその穴を通って遊んでいました。

しかもその穴は、一見目立たない状態で掘られていました。

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…あの穴を通って家に帰れば、犬は通れないだろう。

そう思った私は、一目散に公園へ走りました。
そして、穴へ…。

そこで気がついたのです。

いつもは手ぶら状態で穴をくぐっていたから
スムーズに出入り出来た。

今日はランドセルがある。
邪魔になって穴を通れない…。

犬が来るー!

その時、声がしました。
確か、男の人だったと思います。

「大丈夫?」

私が逃げ回っているのを見ていたようです。

この辺は記憶が曖昧なのですが、
その男性に犬を押さえてもらい、
無事に家の玄関に入ることが出来ました。

それ以来、犬が苦手だったのが、
「大嫌い」に変わりました。

この時の記憶は、数十年経った今でも忘れられません。


🐶また犬!もう何とかして!

それから2年後。

私がもうすぐ小学3年になろうとしていた春のことです。

父親の運転する車で家族全員で買い物に行った帰り、
家の前に車が着くや否や、姉が叫びました。

「あそこに小さいわんこがいるー!見てくる!」

見ると、家から数メートル離れた道路脇に茶色い子犬が佇んでいたのです。

どう見ても、迷い犬か捨て犬のような感じでした。

姉は車から降りると、真っ先に子犬の元へ走って行きました。

その時の私はと言うと、

「犬!嫌だー!連れてこないで!!!」

と泣きわめき、急いで自宅二階の自分の部屋へ逃げ込みました。

その嘆きも虚しく、姉は子犬を家の玄関まで連れて来たのです。

「買い物に行くときはいなかったのにね。いつ来たんだろうね」
「凄い可愛いねー」

母と姉の声が玄関から聞こえて来ます。

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可愛いなんて絶対ありえない!
さっさと家から出してよ!

私は泣きながら、犬が出て行ってくれる事を心底願いました。

🐶母の思惑通り?想定外な出来事が起きる


それから1時間くらい経ったでしょうか。

玄関に犬がいることで、私的には、トイレにも行けない状況でした。

それを知ってか知らずかわかりませんが、母が、
「ちょっと降りて来てごらん。凄い可愛いわんこだよ」
と私を呼ぶのです。

絶対無理ー!

更に母は続けます。

「あんたがそんなに嫌がるなら、川の下に捨てて来るしかないね。こんなに可愛いわんこ、川に流されちゃったら死んじゃうよ。そんな酷いことしてもいいの?」

死んじゃうかもしれない?
それは嫌だな…。

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今思えば、家の近くに川は存在しません。
車で1時間近く行ったところにはありましたが、
親はそこまでして捨ててくるような人間ではないのです。

何とかして、私に犬を触らせようとして考えた策なのかもしれません。

死ぬと言われたら黙ってる訳にはいかない。
とりあえず見るだけ見てみよう。

そう思った私は、恐る恐る玄関まで降りて行きました。

実際に見ると、本当に可愛い。
いくら犬嫌いな私でも、そう思えました。
小さくて、耳が少し垂れ下がっていて、
茶色い柴犬か秋田犬の雑種といった感じでした。

「ほら、可愛いでしょ?ちょっと触ってごらん」

母は、更にエスカレートした難題を私に突き付けました。

…触れと言われても。
噛まれたらどうしよう?
そんな思いが頭に浮かびましたが、
そっと頭を撫でてみたのです。

すると、犬は嫌がるどころか、気持ちよさそうな表情をするではないですか。

予想外でした。

そのまま、口元に指を近づけてみると、

ペロッ

なんと!指を舐められました。

おぉ!!

少し感動を覚え、そのまま頭を撫で続けました。

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指を舐められたことで、
今までの犬に対する恐怖が8割ほど無くなりました。

この時出会った犬こそが、
私の犬嫌いを克服してくれたのです。

🐶迷い犬から飼い犬へ


その後、もしかしたら迷い犬かもしれないと言うことで、
探している人がいるかもしれない、見て回ろう。

そう思い、車で見回りに行きました。
もちろん犬を乗せて。

探しているらしき人は全く見つけられませんでしたが、走り回っているうちに、私の犬嫌いもすっかり抜けていった感じでした。

あんなに嫌いだったのに。
嘘みたいだ…。

迷い犬はメスでしたが、体が少しコロコロしていたので「ころ」と名付けました。

カタカナのコロだとオスっぽいので、
平仮名にしたのです。

いつの日も、簡単な名前しか思い浮かばない我が家…。

当時「迷い犬、迷い猫探しています、預かっています」という、伝えたい事を無料で新聞に載せられるサービスがあり、早速「ころ」の事も載せてみました。

そして1週後、無事に飼い主が見つかったのです。

なんと「ころ」は、姉の同級生の家で数匹飼われていたうちの一匹でした。

その後、すぐに飼い主が引き取りに来ました。

自宅に迷って来てから1週間。
その短い期間でも凄く情が湧いていて、
居なくなってしまった「ころ」を思っては、
家族全員、号泣する日々を過ごしました。

引き取られてから3日程経った日、
我が家に一本の電話がかかって来ました。

なんと、
家でもう飼えないから「ころ」を引き取ってくれないか?
という話でした。

飼えない?なんでだろう?

どうやら家主のお父さんが病に倒れ、
数匹いる犬の世話をする時間が取れなくなったとの事。

他の数匹も引き取って貰えるように、
色々打診をしている様でした。

それを聞いた我が家、二つ返事で再び「ころ」を
引き取ることにしたのです。

それから正式に「ころ」は我が家の家族になりました。

その後、「ころ」と12年の歳月を共に越し、
最期は、足の筋肉を悪くして飲んだ薬が合わずに
腎不全という副作用で、この世を去りました。

老衰じゃなくて副作用で亡くしてしまったことは、
何年経っても後悔ばかりでしたが、

「ころ」と過ごした日々はかけがえのない宝物。

犬嫌いを克服させてくれた恩は一生忘れません。

ありがとう。

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🐶余談

文中に掲載した写真は「ころ」とは無関係です。
飼っていた当時はフィルム式のカメラしか無く、
容易に写真に収めることが出来ず、
「ころ」の写真はほとんど残っていないので、
ここに載せることが出来ませんでした。

指を舐められただけで犬嫌いを克服出来たのは、
元々嫌いだったのではなく、追いかけられた恐怖が残っていただけ、とも言えます。

しかし、大嫌い、恐怖だ、と思っていた時期も存在していたので、やはり犬嫌いだったと思われます。

犬は、犬嫌いな人を目の前にすると吠える傾向にありますが、私はいつも尻尾を振られます。

私は犬好きだと、犬に認められた気分です。

その後、我が家で犬を飼うことはありませんでしたし、
飼おうと思ったこともありません。

他の犬を飼うことで「ころ」がやきもちを焼くと嫌だから、という母の思いがあったからです。

今は、テレビでペットを扱う番組が増えましたよね。

そこで色々な犬を見ることで癒されています。

また外で、散歩中のペットと飼い主さんに出会うのも、一つの楽しみになっています。


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