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合宿人インタビュー#4 荒谷健道さん 環境をデザインする、場づくりの達人

こんにちは、合宿人(がっしゅくじん)です!
「すべてのチームに最高の合宿体験を!」というビジョンをかかげ、合宿を起点に変容を遂げながら歩みつづける「合宿人」たち。

それぞれの分野で活躍をする彼らが、なぜ合宿に魅せられているのか。
彼らの人生の輝きのなかにある合宿ストーリーをお届けいたします。

第4回目の今回は、建築家、落語家、プロコーチなど、多方面で活躍中の荒谷 健道(あらや たけみち)さんにお話をうかがいました。

photo by Wahei Nakamura


「僕は、すべての人がアーティストであると信じています。
それぞれの人が信じる未来を創り上げていく。
その成功体験をする場づくり=人の活動支援が、僕のミッションだと思っています。」

チームで意識を揃えること、共通体験による感動、合宿体験がもたらす組織や人のアップデート。

合宿で得るもの、生み出される価値のほとんどは形がなく、人や組織の意識の奥深くに変容をもたらすもので、形はおろか言語化をすることですら難しいものです。

その、「合宿の形なき価値」を生み出すためには、「形なき合宿環境、場づくり」というものが欠かせません。

場づくりはとても奥が深いもので、ただ場を盛り上げる、調整する、コンテンツを用意するということだけではありません。

今回の合宿人ストーリーでは、もう1歩踏み込んだ場づくりである、「人が輝くための環境づくり」を荒谷さんのストーリーを通じてご紹介いたします。

料理で日常の役割の手放しを

言うまでもありませんが、料理は合宿に欠かせない要素のひとつです。

チームや組織の合宿でバーベキューをするときにメンバーが協力しあって準備をすることも、その味を皆で分かち合いながら会話をたのしむことも合宿体験です。

荒谷さんといえば、合宿で得意の美味しい料理を披露したり、時には子どもたちと共に準備をしたり、その場に合わせてさまざまな形で料理を提供して下さっています。
そんな荒谷さんにとって、合宿コンテンツとしての料理について伺いました。

「まず、料理は合宿の状況に合わせて調整ができるコンテンツですよね。

皆で食材を切るところから一緒に作るのももちろんですが、合宿のテーマで参加者が疲れている様子のときや、集中している時などはある程度僕が用意を済ませるなど、場を見て調整できるところが料理の面白いところだと思います。」

確かに、合宿時はアクティビティ参加で予想以上に時間がかかることや、対話が盛り上がってその場を一時的に中断することが惜しいような場面も多々あります。

先日の合宿でも、ピットマスターを務めてくれた荒谷さん
絶妙な焼き加減でした!
photo by Wahei Nakamura

「後は、普段料理を作らなければいけない立場の人にはなるべく料理をさせないことを意識しています。せっかく合宿に来ているのにウェルビーイングが下がってしまうのはもったいないですよね。
その逆で、日常では料理をする機会がない、苦手だと言いながらもやりたかったような人が料理に参加をすることで価値観が変わることもありますよね。」

料理というコンテンツが生み出すチカラ

日常の役割からの解放や、新たな発見という目線はとても興味深いですね。

「以前、参加者が持ち寄った食材で料理をつくるフードコミュニケーションラボラトリーというワークショップを開催していたことがあるのですが、ゲストに「先生」と呼ばれるような、世の中的に権威のある方をゲストにお迎えした時の様子がとても面白くて。

その先生、いざ皆で料理をしましょうという場面になると、普段料理をすることがないのか右往左往しちゃって。
あげくの果てに他の方から
「お皿だけ運んで、あとはもう大丈夫ですよー!」なんて言われて。

先生の意外な一面が料理を通じてあらわれたことで、皆がリラックスをしてフラットなコミュニケーションが生まれていきました。

共に料理をすることで、意外な一面が垣間見えて、コミュニケーションの壁になっていた権威性が良い意味で排除されていく。
料理は、人と人の関係や立場を新たにつくりだす、本当にクリエイティブでアーティスティックなコンテンツだと思います。」

合宿は、組織やチームの関係性を良い意味で崩す機会。
お互いの人間らしい表情を見せ合うコンテンツとして料理の時間を捉えてみると、フラットで深い関係性が生み出されるかもしれません。

場づくりとは?

いつの間にか、子どもたちが遊ぶ安全な場ができている。
いつの間にか、サウナに薪が足され、適温が保たれている。
いつの間にか、鉄板の上に食材たちが色あざやかに並べられている。

そして、いつの間にか参加者たちが対話に集中する「場」ができている。

参加者が心地よく過ごせる場を、「いつの間にか作り出す名人」と言っても過言ではない荒谷さん。

お仕事でも合宿でも、場づくりの達人と行った印象ですが、荒谷さんが場づくりをする理由はどこにあるのでしょうか。

「僕は、無給で修業させてください!というところから建築事務所に入って、念願の建築家になったのですが、2020年にコロナによって予定していた建築案件が軒並みキャンセルになった時に、
「僕はなぜ建築家になろうと思ったのだろう?」と、自らを問いただすタイミングがありました。

その頃、ある方の講演を聴いたときに、
僕は単にデザインでかっこいいのを作りたいのではなく、人が活動することによって周りに影響を与える環境をデザインしたいのだということに気づきました。

建築家になると心に決めていながらも、大学は建築科ではなく環境心理学を専攻していたのもその願望が奥底にあったからなのだと。

そういった意味で、僕にとっては「場づくり」は結果論。
合宿でもライフワークの中でも、人の活動支援をした結果、場ができているという感じなんです。

これから実現していきたい合宿

「ライフワークでも合宿でも、僕が一番やりたいことはプロジェクトづくりなので、プロジェクトの種をつくる合宿がしていきたいと思っています。

そして僕は、そのプロジェクトを成功させるための環境(場)のデザインをしていく。

あとは、合宿のコンテンツとして先ほどお話したフードコミュニケーションラボラトリーのような、クッキングダイアログをアップデートしてやっていきたいですね。

そして、合宿所を自分自身で作っていきたいなと思っています。
場づくりの場そのものを自分で持って運営していくのが今の目標です。

僕にとって合宿とは、日常では向き合えないものと向き合う時間。
自分と、仲間と、時には本質と向き合う。

非日常の環境の中に、日常的な食事や睡眠を仲間と共創するプロセスから気づきをたくさん得る時間です。

仲間との対話から、自分のなかの形なき思いが言語化され、具体化する。
そのような合宿のチカラを利用して、やりたいことを実現して、輝いて、その輝きが周囲の人のやりたいことを誘発し、広がっていく。
僕がつくりたいのは、その「きっかけの場」なんです。」

最後に:場づくりアーティストが描く未来

「僕はすべての人がアーティストであると信じています。それぞれの人が信じる未来を創り上げていく。その成功体験をする場づくり=人の活動支援が僕のミッションだと思っています。

すべての人はアーティストであり、そのアーティストが創り出したアートを、そしてアーティスト同士を繋げていくことで、大きな波を創り、世界を動かしていきたい。感動で世界を動かす!これが僕のパーパスです。」

人々が輝くためのきっかけの場を今日も創りつづける「場づくりアーティスト」の荒谷さん。
現在は、下田市吉佐美の美しい大浜ビーチの大浜食堂で新たな場づくりの挑戦をはじめています。
今後の荒谷さんのご活躍、楽しみにしております!

ではでは、また次回の合宿人ストーリーでお会いしましょう♪
※荒谷さんが企画・募集中の合宿はコチラ

荒谷さん、たくさんのお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!


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