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いま注目を集める「eスポーツ」のマネタイズポイントとは?

皆さまこんにちは。GameWith IR担当でございます。
今回は、投資対象としても注目が高まっている「eスポーツ」について、国内屈指のeスポーツチーム「DetoantioN FocusMe」をグループとして運営している立場から、マネタイズの観点で記事にしてみたいと思います。

はじめに

直近、政府が「eスポーツ」強化支援するという記事や、2023年6月にシンガポールで国際オリンピック委員会(IOC)主催のオリンピックeスポーツウィークの開催が迫っているなど大きな話題を呼んでいる「eスポーツ」ですが、株式の「人気テーマランキング」でも「eスポーツ」が9位となるなど、投資対象としても注目が高まっているように感じます。

一方で、「eスポーツ」という名前は知ってるけどそれって儲かるの?成長性はあるの?と思われている方も多いかと思います。実際投資家の方からもそのような質問をいただきます。
今回はそういった疑問が少しでも解消できるように、グループとして国内屈指のeスポーツチームを運営し、かつ上場企業であるGameWithの立場から、eスポーツの「マネタイズ」の観点で記事にしたいと思います。

「eスポーツ」のマネタイズポイント

『株式会社GameWith 23年5月期第3四半期決算説明資料』より

突然ですが、こちらのスライドはGameWithの23年5月期第3四半期決算説明資料から抜粋したもので、グラフはGameWithのeスポーツビジネスの売上高における、項目別の割合を示しています。
大きく分けると「スポンサー収入」「タイアップ・イベント」「大会賞金・支援金」「ファンビジネス」の4つの項目で収益をあげており、今回はそれぞれ詳しく解説していきたいと思います。

スポンサー収入

eスポーツチームにとって重要な収益源となるのがスポンサー収入です。「日本eスポーツ白書2022」による国内のeスポーツ市場規模における項目別割合でも全体の60%を超えています。

『2021年の国内eスポーツ市場規模は78.4億円 11月刊行予定の「日本eスポーツ白書2022」の内容を先行公開』より
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000099.000039144.html

具体的な内容としては、スポンサーとなっていただく企業やプロダクトのロゴを選手ユニフォームへ掲載、選手やチームによる宣伝などを行い、その対価としてスポンサー料をいただくモデルです。最近ではゲームに直接かかわる業界だけでなく、様々な業界の企業がeスポーツチームへのスポンサーに参入してきています。

「DetonatioN FocusMe」のスポンサー一覧(2023/5/26時点)
https://team-detonation.net/team-sponsors

チームが世界大会に出場したり人気の選手が所属していたりしてチームの価値が向上することで、それだけ投資する価値も向上し、1スポンサーあたりの単価は上がる傾向にあるといえます。
コスト構造としては、チーム運営費用や選手の年俸などの固定費がスポンサー収入に係るコストとなります。もちろん強くて人気のあるチームを作るためには投資が必要とはなりますが、基本的には固定費となるため、1スポンサーあたりの単価が向上すれば利益率としては上昇していく傾向にあります。
そのため、1スポンサーあたりの単価をアップさせることが利益確保の点では重要となり、チームとして様々な観点からチーム価値の向上をさせるべく注力しています。

関連リリース
『DetonatioN FocusMe、ゲーミングPCブランド「OMEN」とのスポンサー協賛契約の締結を発表』

タイアップ・イベント

スポンサー企業だけに留まらず、プロダクトを宣伝したいという企業のニーズにこたえる形で、選手やチームとして活動を行うものがタイアップです。具体的には紹介動画の作成やコラボ商品の開発など、ニーズにあわせて幅広く対応しています。

あじげん×GameWithコラボ、 ネフライト共同開発のゲーム専用スナック『Gaming SABACHi』(脳内革命味)

イベントは、チームや選手を活用したeスポーツ大会やファンイベントなどを企画・主催・運営まで行うものになります。最近では、eスポーツのコミュニケーションツールとしての有用性も注目されてきており、地方自治体や企業内でも取り入れられ始めています。

GameWith ARTERIAとバヅクリが協業し、eスポーツを活用した新サービスを開発 ~企業のエンゲージメントを強化する『バヅクリ eスポーツ』の提供開始~
https://gamewith.co.jp/posts/BWt_IadI

企業様と長期的に関係を持っていくスポンサーに対して、タイアップ・イベントは、基本的には単発の案件となります。
コスト構造としては、案件やイベントを行うための経費(選手活動費、外注費、動画作成費、交通費etc..)が変動費としてかかってくる形となります。大規模イベント等ですとスポットで大きな額が単月で一気に計上されたりするので、短期的な業績に与えるインパクトは大きくなります。

大会賞金・支援金

大会賞金は文字通り、ゲームパブリッシャーや大会主催者が実行するeスポーツの大会・リーグにおける賞金となります。賞金以外にも、大会やリーグ開催期間に販売されるゲーム内デジタルグッズの収益に伴う分配金など、一緒にゲームタイトルを盛り上げていくための支援金もあります。

2023年5月期は、「VALORANT」部門においてライアットゲームズとの間で長期的パートナーシップを締結したことにより、売上高における支援金の占める割合が増加しました。

株式会社GameWith 23年5月期第3四半期決算説明資料より

コスト構造について、変動費としては賞金や支援金のうち、決まった割合で選手へ分配を行うため、残った部分が会社としての粗利となります。割合については内容によって異なります。もちろん、チームとしては賞金や支援金を得るため、選手・コーチの獲得や練習環境の整備、サポートなど、よりよいチーム作りのための投資を行いますので、そういった費用はかかってきます。

ファンビジネス

最後にファンビジネスについて、ここまで解説してきたものはすべて基本的には企業や自治体等から収益を得るモデルでしたが、ファンビジネスはチームのファンなどの消費者から収益を得るモデルです。
具体的には、動画配信による広告収入や投げ銭収入、グッズ販売、ファンクラブの運営などがあります。これらはもともとGameWithが強みとしていた領域であり、ノウハウを活かしてDetonatioNにおいても今後さらに強化していきたいと考えています。

『株式会社DetonatioNとのeスポーツ事業統合についてのお知らせ ~両社の強みを活かし、世界トップレベルのeスポーツチームを目指す~』
https://gamewith.co.jp/posts/lURjkERD

コスト構造については、それぞれの売上に応じた原価となる変動費が発生します。動画配信であれば動画作成費や出演費など、グッズ販売であれば商品原価や決済手数料など、ファンクラブであればシステム利用料などがあり、残った部分が粗利となるというシンプルなモデルです。

参考リンク

まとめ

ここまでGameWithグループのeスポーツにおける主なマネタイズポイントについて、項目別に解説してまいりましたがいかがでしたでしょうか?
現在は、グローバル市場を見据え世界で結果を出すチーム運営を行うことでチームとしての価値を向上させ、最も利益インパクトの大きいスポンサー単価の向上に注力しています。また、もともとの強みであったファンビジネスの強化にも注力しています。
eスポーツの国内市場規模は今後も成長していくことが予想されており、グローバルに目を向ければさらなる大きな市場が存在しています。

『2021年の国内eスポーツ市場規模は78.4億円 11月刊行予定の「日本eスポーツ白書2022」の内容を先行公開』より
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000099.000039144.html
『2022年の世界のeスポーツ市場、22%増の13億8400万ドル(1834億円)に拡大 南米やアジア拡大、収益多様化も進む 角川アスキー総研』より
https://gamebiz.jp/news/361923

GameWithグループとしても、中長期的にeスポーツ事業をメディア事業に次ぐ収益の柱として成長させていきたいと考えています。

おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございました。
GameWithではeスポーツだけでなく国内最大級のゲームメディア運営、NFTゲームの共同開発、ゲーマー向けの光回線事業など、企業理念である「ゲームをより楽しめる世界を創る」を実現するため様々な事業に取り組んでいます。
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